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更科氏 

大和ハウス工業は99日、「2025年度 事業施設事業計画説明会」を開催し、同社上席執行役員ビジネス・ソリューション本部建築事業本部長の更科雅俊氏が事業施設市場環境や同社の重点取り組みについて説明した。

事業施設市場を取り巻く環境(民間建設投資動向)について更科氏は、2025年度の民間非住宅建設投資額は186,000億円(前年度比5.5%増)と予測(うち民間非住宅建築投資額11兆円)。資材価格、原油価格、労務コストの上昇はしばらく続くとして、国交省の建築着工統計から算出した2024年度の建築用途別の坪単価として病院180.5万円、ホテル160.6万円、事務所147.1万円、工場119.0万円、倉庫62.1万円を紹介し、「肌感覚では数値以上」と話した。

同社の2025年度の事業施設事業の通期業績は売上高13,330億円(前期13,697億円)、営業利益は1,460億円(同1,596億円)、営業利益率は11.0%(同11.7%)と予想。重点取り組みテーマとして、物流不動産デベロッパーとして不動の地位を確立することを挙げ、開発予定量(2024年~2029年)は約330万㎡(2位のB社は約316万㎡)、物流施設総開発延床面積は約1,431万㎡(20253月末現在 開発中含む)に拡大すると話した。

物流施設を通じてサステナブルな社会を実現するため気候変動の緩和と適応、自然環境との調和(生物多様性保全)、地域社会への貢献、働きやすい環境づくりを強化し、官民連携事業の「(仮称)掛川倉真第2パーキングエリア開発事業」(延床面積1,360坪)、次世代型物流施設の「DPL江東深川」「DPL千葉四街道」を紹介した。

生産施設・工場では、AI・生成AIの需要拡大、データセンター・5Gの普及による半導体関連企業への投資が加速していることを受け、202541日付でビジネス・ソリューション本部内にデータセンター事業本部準備室を開設、データセンターデベとしての地位が確立できるよう事業を推進していくと述べた。当面の売り上げ目標額は400500億円。

このほか、富山市公設地方卸売市場再整備事業(敷地面積約123,127)、川崎市中央卸売市場北部市場更新事業(敷地面積約168,500㎡)なども紹介した。

        ◆     ◇

 記者の最大関心事である物流・倉庫施設は「嫌悪施設」かどうかについてストレートに質問した。「嫌悪施設は法律用語ではなく、不動産流通推進センターがそう呼んでいるだけだ。三井不動産は2018年に『物流施設は嫌悪施設ではない』と宣言した。野村不動産の担当者も『物流施設が嫌悪施設だとは考えたことがない』と話している。御社は如何か。嫌悪施設でないのであれば、具体的な行動を起こすべきではないか」と。

更科氏は「当社も物流施設が嫌悪施設だとは思っていない。昔の工業地帯などではそのような施設が建設されたことはあるが、今後は物流の価値を高めるよう、地域の理解を得られるような取り組みを強化し、業界全体として嫌悪施設と呼ばれないようにしないといけない。データセンターも同様」と語った。

同社をはじめデベロッパー各社は、日本倉庫協会、日本物流団体連合会、日本ロジスティクスシステム協会などの既存の業界団体に加入していないことについて、同社ビジネス・ソリューション本部ロジスティクス推進室室長・手塚公英氏は興味深いことを話した。「デベロッパーの物流事業は倉庫業じゃない」と。

-なるほど。文字通り狭義の意味では「倉庫業」は「物流業」の一部だろうが、物流業の中核事業をなすのは倉庫業であるのは間違いない。既存の業界団体と後発のデベロッパー各社が手を組むことはありえないのか。

野村不動産 3年後の物流施設60棟・延床365万㎡・投資額8,000億円(2025/5/31

最高の立地で世界初のリニア式ロボット「CUEBUS 「DPL江東深川」のビーム(2025/9/10

 

 

カテゴリ: 2025年度

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「DPL江東深川」(ビームスのプレス・リリースから)

 大和ハウス工業は9月9日、「2025年度 事業施設事業計画説明会」を開催し、同社上席執行役員ビジネス・ソリューション本部建築事業本部長の更科雅俊氏が事業施設市場環境や同社の重点取り組みについて説明した。説明会後は、豊洲駅から徒歩10分の「DPL江東深川」の施設見学会を行った。

 〝後入れ先出し〟-稼働中の物流施設を見学したのは初めてで分からない部分も多かったのだが、物流業界の近未来が垣間見えた。こちらから先に紹介する。

 「DPL江東深川」は、東京メトロ有楽町線豊洲駅から徒歩10分、JR京葉線越中島駅から徒歩10分、首都高速枝川IC・塩浜ICから0.7㎞、江東区塩浜1丁目の準工業地域他(建ぺい率60%、容積率315%)に位置する敷地面積約36,882㎡、免震PC造7階建て延床面積約138,464㎡。竣工は2022年1月。従前は備蓄米の倉庫だった国有地で、2017年に同社が入札により取得した。

 1階は駐車場で、2階は第一貨物、3階はヤマト運輸、4~6階の西区画はBEANS(ビームス)、7階はエスプールプラス、SNKRDUNKBASEが入居済み。4~6階の東街区(約10,000㎡)は募集中と申込書取得済み。

 内装は入居企業のビームスが担当しており、大和ハウスのハートレッドにビームスのオレンジを組み合わせたカラーをコンセプトにしている。今年6月1日、近隣住民を対象とした、COCOLAN(ミニ胡蝶蘭)鉢植え体験やビームスの販売会、フードブースを楽しめる施設見学ツアーには約800人が参加した。

 ビームスグループはアパレル、雑貨、家具、アートなどを扱う国内外約170店のセレクトショップを運営しており、業容を拡大している。

◇        ◆     ◇

 施設見学会では、ビームスの世界初導入というリニアモーター式ロボット「CUEBUS(搬送タイプ)」と、自律型ケースハンドリングロボットシステム「HaiPick SYSTEM」が紹介された。

 ロボットは、タイルと呼ばれるリニアモーター内臓のユニットを床面に置き、そのタイル上を移動するトレイが商品を載せて搬送する構造になっており、商品の検品、搬送に要する時間は半減されたという。秒速は最大3m。

 「HaiPick SYSTEM」は、高さ約4.7mのラック、自律型ケースハンドリングロボット(ACR)、「HAI PORT Workstation」のモジュールで構成されており、エリア内には57台のACRが稼働しており、25~30人要する作業を4~6人でこなせるようになったという。

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リニアモーター式ロボット「CUEBUS(搬送タイプ)」(ビームスのプレス・リリースから)

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リニアモーター内臓のユニット・タイル(ビームスのプレス・リリースから)

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「HaiPick SYSTEM」(ビームスのプレス・リリースから)

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 ロボットのデモンストレーションは三井不動産の施設で見学したことがあるが、実際に稼働しているのを見たのは初めてだ。凄いの一言だ。

 まず立地条件。ビームス担当者が「立地条件の良さが入居を決めた最大のポイント」と語ったように、〝嫌悪施設〟と呼ばれるのが気の毒なくらい立地条件はいい。坂茂氏の〝紙のレストラン〟が利用できる芝浦工大が近接している。入札条件には「住宅は不可」があった模様だが、マンションにしたら今なら坪単価450万円でも売れるはずだ。

 次に、目を射たのはエントランス、各フロアの内装に採用されている案内板などのカラーリングについて。大和ハウスのハートレッドとビームスのオレンジ(LIXILやLIFULL HOME'Sのそれとはどう違うのか)とよく馴染んでいる。とっさにエルメスカラーが思い浮かんだので、同社広報担当者に尋ねたら「エルメスは意識していない」とのことだった。

 ビームスを検索した。年齢、身長、体重などを入力すると、適する商品が紹介される。これに体型、好みの色(記者の好きな「赤」はかつての東海銀行のコーポレートカラーで、今は「Winstonレッド」)、予算などを加えられるようにしたら、デパートなど必要なくなるのではないか。

 気になることもあった。ロボットは1日24時間365日、労基法も暑さ寒さも関係なく(施設内は冷房がよく効いていたが)、文句も言わず働き続けることが出来るのだろうが、人はそういうわけにはいかない。ロボットに指示されて働くのに小生は抵抗感を覚えた。関係者や他の記者の方は「気にならない」と話したが、機械による騒音も気になった。

 1階の駐車場の有効天井高が2.3mというのも物流施設としてはどうかと思った。免震装置の地下化は出来なかったのか。

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大和ハウスのハートレッド(左)とビームスのオレンジを組み合わせた案内板

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自律型ケースハンドリングロボット(ACR)

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「CUEBUS(搬送タイプ)」

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ビームス施設内

豊洲二・三丁目の最後にして最高の再開発PJ IHI・三菱地所「豊洲セイルパークビル」(2025/7/23)

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人の100倍働く年収500万円ロボット!三井不日本初の物流ICT体験型ショールーム(2020/2/13)


 

 

カテゴリ: 2025年度

 ジェンダーフリー、男性育休には関係ないことだが、記者は特殊詐欺の被害者は65歳以上の高齢者、とりわけ女性が飛びぬけて多いのが不思議でならない。「愛など必要ない」「すべてはお金」「男は愚か」と話した女性にも会った。男性よりはるかに合理的に物事を考えるはずの女性が、益々分からなくなってきた。皆さんも考えていただきたい。

 警察庁の「令和7年7月末における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」によると、特殊詐欺の認知件数は15,583件(前年同期比+4,825件、+44.9%)、被害額は722.1億円(+437.7億円、+153.9%)となり、過去最悪だった前年の年間被害額(718.8億円)を超えた。

 主な特徴は、ニセ警察詐欺による被害が顕著になっており、SNS型投資詐欺の認知件数・被害額は極めて深刻な状況にあり、SNS型ロマンス詐欺も大幅に増加していることだ。「YouTube」から接触する被害が急増しており、「投資名目の広告」や「ダイレクトメッセージが危険」と同庁は警鐘を鳴らしている。

 深刻なのは65歳以上の被害状況で、特殊詐欺全体では52.9%(男性18.7%、女性35.2%)に達しており、手口別では、オレオレ詐欺44.7%(男性13.2%、女性31.5%)、預貯金詐欺99.0%(男性16.0%、女性83.0%)、架空料金請求詐欺35.8%(男性23.5%、女性12.2%)、還付金詐欺82.7%(男性34.9%、女性47.8%)、キャッシュカード詐欺98.7%(男性19.0%、女性79.7%)となっている。

 さらに、興味深いのはロマンス詐欺だ。これも警察庁のデータだが、〝あなたが好き。もっと交流したい〟〝1日中あなたのことを思っているよ〟などの甘言に引っかかる被害者は令和6年1〜6月だけで1,498人(男性62.3%、女性37.7%)もいる。年齢別では男性は50〜60歳代、女性は40〜50歳代が共に半数を超えている。接触ツールはマッチングアプリ、インスタグラム、フェイスブックなど。被害総額は153.9億円だ。単純計算すると1人当たり被害額は約1,027万円にものぼる。

◇        ◆     ◇

 記者はそもそもお金などないし、警察のお世話になるような犯罪行為などしたことはないし(学生のとき、違法だという認識はあったが、不動産広告を電柱に張るアルバイトをしたことがあり、夢中で張っていたら運悪く交番の前の電柱だったため、お巡りさんに呼び止められ過料を科されたことがあるが)、SNSは利用したことはないし、マッチングアプリ、インスタグラムも何のことかさっぱり分からない。株投資はリーマン・ショックで手ひどい打撃を受けから20年近くやっていないし、ロマンスとも無縁、キャッシュカードも持たせてもらっていない。

 小生と同じ人種であるはずの、高齢者がやすやすと詐欺に引っかかるのか。その理由は、多分、世の中が狂っていることの反映であり、善悪の判断が出来なくなっている高齢者の弱点を突いた狡猾な手口のなせる業だろう(加害者は圧倒的に男性が多い理由は分からないではないが)。それにしても、なぜ女性の被害が多いのかは、生物学的な性差によるものか、あるいは社会的文化的歴史的な道徳規範の呪縛・性差とも関係があるのか、みんなで考えないといけない。

 家父長制が色濃く残っていた昭和24年に生まれた記者の4つ上の長兄は〝学校嫌だ〟と駄々をこね、母におんぶされて学校まで通っていたのを3歳児の次男の記者はなぜか覚えている。母親におぶさったのは、風邪をひいて動けなくなったときだけだった。恥ずかしくはあったが、医院までの道のりはとても誇らしく思ったものだ。

 妻が死に、約10年間主夫を務めた(と思い込んでいた)、子育てに完全に失敗した小生の蹉跌は子どもとハグすることができなかったことだ。男と女、仕事と子育ては永遠のテーマだ。

カテゴリ: 2025年度

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等々力駅前の居酒屋「大吉」

〝閑中閑〟-今日96日は、わが西武ライオンズが2か月半ぶりに3連勝した翌日だ。何か意味があるのかないのか分からないが、前日の酒はすっかり抜け、とてもとてもゆったりした気分で、暇にあかせて書く、不動産には全く関係がない記事なので、忙しい皆さんはスルーしていただいて結構だ。

この2日前の94日、伊藤忠都市開発の素晴らしいマンション「クレヴィア等々力」の取材を終えたあと、同業の記者と駅前の居酒屋に寄った。暖簾は文句なしの「大吉」だ。提灯はというと女性の唇と一緒。注意を喚起はするが、抗いがたい誘惑に吸いつけられる「赤」だ。

店に入ってしばらくして、隣の記者が〝吉田類〟〝酒場放浪記〟を口にした。小生はチンプンカンプン。物知りの記者の解説によると、BSテレビの人気番組で、かつて「大吉」も舞台になったという。番組は店の紹介というよりは、吉田類の〝たかり〟がテーマなので、「大吉」の店主は会話を交わすことなどなかったそうだ。(ネットで確認した。小生もその番組を見たことがある)

小生はそんなことはどうでもよかったのだが、一見して同年代と思われる店主の隣の、愛嬌など全く振りまかず、かつてはとびっきりの美人だったはずの、多分奥さんと思われる女性に沸々と興味が湧いてきた。

物は試しだ。ビールだけで何もつまみを注文しないと話などできないと判断し、焼き鳥10本と小生が好きなトマトを頼み、口火を切った。何と主人は小生と同い年の昭和24年生まれの76歳で、誕生日は「終戦記念日」の815日。札幌出身だ。奥さんには「一回り下でしょ」と振ったら、何とまた、札幌出身の同い年だった。

どこで知り合ったかは話さなかったが、結婚したのは22歳の昭和46年の66日。翌年に東京に出て修行を積み、30歳のときに出店したのだそうだ。それから45年。当地に住んでいた五島慶太の話題や、等々力渓谷にある「メガネ橋」の由来、バブル期の繁盛ぶり、北海道料理は何といってもジンギスカンで、魚は揚げるとうまいこと、ニジマス、ニシン、ホッケ、サンマ、カレイ、ホヤ、牡蠣(これば厚岸など北海道の北のはずれで生産されるので札幌にはない)…に話題が弾んだ。

そして、何より感動し、意気投合したのは店主と小生はアンチ巨人なのも含め、ほとんど生き方、考え方が一緒だったことだ。奥さんも褒めたように〝仕事が凄い〟のだが、そのほかのことはちゃらんぽらん。夫婦げんかもするそうで、主人の〝うるさい!〟〝もういい〟で落着するという。そうなると主人は、しばらくは風呂に入るのとトイレに行くときくらいしか部屋を出ないそうだだ。これまた小生夫婦と同じ。

極めつけは、主人の「人生は永遠の修行」の一言であり、奥さんの意味深な言葉「永遠のテーマ? 愛なんて考えたくない。無言の事実」だ。これ以上の箴言はない。言葉は短く、意味は深く。(小生のテーマは「人生は愛」だ)

勘定はいくらか分からなかった。小生は有り金5,000円をはたいた(かみさんが「あなたは渡すとみんな使っちゃう」と15,000円しかくれないのだ)。思えばバブル期の一晩の飲み代はこの10倍もしばしばだった。それでも給料袋に手を付けたことはなかったし、そもそもいくら貰っているのかの関心もなかった。

これからのマンション市場は誰も経験したことがないバブル超えとなる。〝山高ければ谷深し〟に、夫婦関係が「6と9」から「9と6」にならないことを祈るばかりだ。待てよ、この「大吉」夫婦が結婚したのは「6と6」だ。これはどういう関係か。「9と9」もありか。

「クレヴィア等々力」を見学される方は、ぜひとも等々力渓谷をゆっくり散策し、その帰りには「大吉」に立ち寄っていただきたい。

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ご夫婦

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店内

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火あぶりにされるニシン

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見事なニシン(同僚記者は尻尾の部分ばかり食べた。小生ははらわた。魚ははらわただ) 

等々力渓谷が通勤・通学路 1低層の伊藤忠都市「等々力」 庭園が見事(2025/9/5

 

 

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「BLUE FRONT SHIBAURA」「TOWER S」オープンセレモニーのリボンタイド

左から世界貿易センタービルディング常務取締役・大志万延也氏、東急不動産取締役常務執行役員・宇杉真一郎氏、フェアモント東京 総支配人・カラン シン氏、東京都技監(都市整備局長兼)・谷崎馨一氏、野村不動産代表取締役社長・松尾大作氏、野村不動産ホールディングス代表取締役社長・新井聡氏、東日本旅客鉄道常務取締役・中川晴美氏、槇総合計画事務所代表取締役・亀本ゲイリー氏、芝浦一丁目町会会長&芝浦一丁目地区まちづくり協議会会長・岡田祥男氏、港区立芝浜小学校校長・宮﨑直人氏

 野村不動産と東日本旅客鉄道は9月1日、共同で開発を進めてきた国家戦略特別区域計画の特定事業「BLUE FRONT SHIBAURA」の1棟目「TOWER S」の商業エリアをグランドオープンした。

 午前9時30分に行われた開業を記念したセレモニーで野村不動産代表取締役社長・松尾大作氏は「BLUE FRONT SHIBAURAが目指すのは、その名に示す通り、東京都心部の空と海の最前列として都心と地域を繋ぎともに発展し、芝浦の水辺の新たなライフスタイルを創出すること。本プロジェクトはいまから7年前、2018年3月に国家戦略特別区域計画の特定事業としてスタートした。東京湾の玄関口にふさわしい空と海に溶け込んだ唯一無二の街をつくるため、槇総合計画事務所さんにデザイン統括をお願いした。清水建設さんにはコロナ禍の厳しい中、3年半かけてTOWER Sを完成させていただいた。改めて本プロジェクトにかかわっていただいた関係者の皆さまに深く感謝申し上げる。今年7月にはホテル、8月には当社グループも入居し、そして今日11時の商業施設の開業をもってグランドオープンする。今後は芝東京ベイ協議会の一員として地域の活性化にも継続して取り組んでいく。国際都市としての競争力を高め、魅力ある街づくりのために微力ながら寄与していく」と挨拶した。

 続いて登壇した東京都技監(都市整備局長兼務)・谷崎馨一氏は、「都は新たな長期計画である『2050東京戦略』で、東京のポテンシャルを磨き上げ、『世界が憧れる魅力あふれる都市』へと進化させることを目指しており、その実現に向けて本地区が大きな役割を担っていただけるものと、ご期待申し上げます」と祝意を述べた。

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松尾氏(左)と谷崎氏

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 11:00からオープンした商業施設の利用者に感想を聞いた。以下に紹介する。

 まず、記者が惚れ込んだ17:00までは飲食を含めて持ち込みが可能で仕事も自由にできる、テーブルチャージなど一切ない「RESORT」利用者の5人組(一人の男性の方は聞き忘れた)。

・「きれいで、緑がいっぱい。空間にゆとりがあるのがとてもいい。テラスも素敵」(24歳女性。食事はペペロンチーノだったか)

・「スープパスタがおいしい。緑がいっぱいでリラックスできる」(24歳女性)

・「ピザ。1400円。もちもちでおいしい。同じ席でみんな違うものが食べられるのがいい」(29歳女性。ピザが苦手の記者は、カロリーの取り過ぎではないかと心配した)

・「同じ部署で、私は再雇用。モバイルオーダーがいい」(66歳男性。ペペロンチーノだったか。値段は1,298円とか)

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「RESORT」利用者の5人組

 次に「RESORT」利用者の2人組

・「席が多くていい。刺身定食。値段は1200円。妥当かな」(34歳女性)

・「トマトスープバスタ。ピリ辛で値段が1000円なのがいい」「意外と落ち着いている。28階のラウンジは海側の景色がよく、一人考えていたいスペース」(年齢を聞くのを忘れたが、同い年だったはずだ)

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「RESORT」利用者の2人組

 さらに、沖縄料理 なんくるないさーと芝浦すしわさび出張所の利用客4人組。

・「注文してすぐ提供されるのがいい。5分くらいかな」「28階のラウンジは見晴らしがとてもいい」(年齢は20~30代。この店は現金での支払いも可能)

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沖縄料理 なんくるないさーと芝浦すしわさび出張所の利用客4人組

 2階のテラス席で食事していた男女4人組にも声を掛けた。

・「(暑くないですか? )全然平気。風がある」(年代は20~30代か)

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2階テラス席

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「RESORT」

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2階のモバイルオーダーのみの「CANAL DINING HALL」(利用者であふれかえっていた)

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記者はモバイルオーダーの仕方が分からないので、3階のコンビニでビールを買って「RESORT」で飲んだ。左は28日に試食した「すじ青のり」のポテトチップス1片が最高においしいと言ったら、特別に何片も頂いて食べた

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 この前8月28日に行われたメディア向け商業施設説明会で野村不動産ホールディングス取締役兼執行役員都市開発部門長・黒川洋氏は「定番だけどうまい」と、そしてこの日は松尾氏が「唯一無二」とそれぞれ話した。小生は、〝全て疑ってかかれ〟が記者の基本なので、確信が得られない限り、人の話を鵜呑みにはしないのを旨としている。そもそも〝唯一無二〟なるフレーズは年に何回も聞かされる(不動産は確かにそうだから大言壮語とはならないのだろうが)。

 だが、しかし、上段で紹介したように10人を超える利用者に感想を聞き、黒川氏と松尾氏の言葉に嘘はないような気がした。それぞれ「きれいで、緑がいっぱい」「テラスが素敵」「モバイルオーダーがいい」「おいしい」「値段もリーズナブル」「席が多くていい」「持ち込めるのがいい」「注文してから早く出る」「(28階ラウンジは)見晴らしがいい」などと絶賛した(野村不動産の〝さくら〟ではないはずだ)。

 浜松町圏では2020年に開業したエリア第一弾の「東京ポートシティ芝浦」(約20.1万㎡)、2021年開業の第二弾の「世界貿易センタービルディング南館」(約8.5万㎡)、そして今回の「BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S」(約56.3万㎡)の開業に続き、2027年には駅前の「世界貿易センタービルディング本館」(約20.6万㎡)が、2030年の「BLUE FRONT SHIBAURA TOWER N」(約28.3万㎡)がそれぞれ共用開始となり、エリア全体で約105.2万㎡の都内屈指のビッグタウンが完成する。

 沿線では、三井不動産や東京建物などの日本橋・八重洲・京橋再開発、三菱地所の「TOKYO TORCH」を中心とする〝大丸有〟再開発、三井不動産を中心とする「TOKYO CROSS PARK」、野村不動産などの新橋駅西口再開発、JR東日本の「TAKANAWA GATEWAY CITY」、リニア開業に向けた品川駅周辺の整備などビッグプロジェクトが続々誕生する。今回の「TOWER S」の街づくり、特に空や海の自然環境を取り込み、本物の観葉植物をふんだんに盛り込んだ環境整備は松尾氏が語ったように〝唯一無二〟の嚆矢の矢になるような気がしてならない。

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この2階ラーメン店「玉」も現金での支払いが可能

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施設内はこのような観葉植物であふれている

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終日自由に利用できる「PARK」エリアのカウンターも本物の観葉植物

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1階の「PARK」の外

定番だけどうまい「BLUE FRONT SHIBAURA」商業エリア圧倒的な緑も特徴(2025/8/31)

自然と人と街をつなぐ「BLUE FRONT SHIBAURA アートツアー」野村不動産(2025/8/7)

柔軟オフィスは生産性・WB・仕事の先延ばしに好影響永山晋・一橋大大学院准教授(2025/8/7)

〝空と海と緑と〟最高にいいスカイラウンジ「BLUE FRONT SHIBAURA」南棟開業へ(2025/6/13)

野村不「BLUE FRONT SHIBAURA」PJ一環「GREEN WALK」店舗公開(2025/5/27)

国交省「TSUNAG 認定」に異議あり「BLUE FRONT SHIBAURA」★2つはなぜ(2025/3/18)

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〝表と裏をひっくり返し世界一の街に〟野村不「CULTURE FRONT」トークイベント(2024/11/26)

世界の水辺の再生・街づくりに学ぶ野村不「BLUE FRONT SHIBAURA」セミナー(2024/11/19)


 

 

カテゴリ: 2025年度

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BLUE FRONT SHIBAURA」1階商業エリア

野村不動産は828日、東日本旅客鉄道と共同で開発を進めている国家戦略特別区域計画の特定事業「BLUE FRONT SHIBAURA」の「TOWER S」を91日にグランドオープンするのを前に低層商業エリアのメディア向け説明会・内覧会を開催した。商業エリアはS棟の13階部分で、この日公開されたのは1階の6店舗と2階の16店舗(3階は4店舗)。配置されている観葉植物のほとんどは本物。目を楽しませてくれる。

説明会の冒頭、野村不動産ホールディングス取締役兼執行役員都市開発部門長・黒川洋氏は、「実際に見ていただいて、食べていただいたほうがいいと考え、これまで商業施設は伝えてこなかった。満を持しての公開。コンセプトは〝都市の利便性と自然の豊かさが響き合う『TOKYONATURE 』。飲食が中心で、これまで力を入れてきた『GEMS(ジェムズ)』の実績を踏まえ、今までにないものにもチャレンジした。おいしい個店力があり、メニューはスタンダード。気軽に利用でき、定番だけどうまい。施設全体は91日にグランドオープンするが、もう一つの『TOWER N』の開発も控えており、全体竣工の2030年を頂上とすれば五合目」と語った。

商業エリアはTOWER Sの1階から3階までの合計約1,000坪、27店舗、約770 席(屋内約540/屋外約230席)で構成されており、そのうち約7割は飲食店。ダイニングホールというひらかれた商業エリアが開業し、「まちのコミュニティハブ」としての役割も担う。野村不動産コマースが運営する。来春には増強も予定している。年間来館者目標は7080万人。

1階のGREEN DINING HALL(グリーンダイニングホール)は6店舗。カウンターやソファ、テラス席など多様な約350席から複数店舗のメニューをモバイルオーダーできる。「PARK」スペースは終日飲食物を含めて持ち込み可能。「RESORT」スペースも17時までは飲食物を含めて持ち込み可能。

2階はCANAL DINING HALL(キャナルダイニングホール)とRESTAURANTSからなり、CANAL DINING HALL8店舗。海風を感じるテラス席など約420席。日中はフードコート形式で、17時以降はレストラン方式になる。RESTAURANTS8店舗約230席。

3階のSHOPSCAFÉは4店舗。野村不動産のシェアオフィス H¹T(エイチワンティー)も入居している。

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2階商業エリア エントランス

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1FGREEN_ランチ_屋外

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SOBA LABO集合写真

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沖縄料理 なんくるないさーと芝浦すしわさび出張所

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 説明会後の13:4016:00は自由内覧形式で、12階の24店舗が試食を提供した。記者の一押しは1階の「芝浦 牡蠣屋」。やや小ぶりだが生牡蠣は1440円。一般的な料金の半値だ。日本酒は60352円から。

 2階の麻婆豆腐、担々麺が看板メニューの「炎麻堂」もいい。ご飯にも合うが、紹興酒にぴったりだ。店では「澄龍」のボトルが販売されるが、値段は8,000円とか。飲みたいが手が出ない。

 もう一つは、ポップアップエリアで開催される91日から930日までの期間限定イベント「SeavegeNeighbors 海とつながる暮らし はじめよう」。合同会社シーベジタブルによるもので、普通の青のりの4.5倍の香りがする「すじ青のり」は絶品だ。

そして何よりいいのが、施設内には本物の観葉植物がふんだんに配置されていることだ。17時までは飲食物を含めて持ち込み可能な「RESORT」スペースは文字通りリゾート気分が味わえる。

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牡蠣3個で1320円

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麻婆豆腐定食

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「RESORT 

自然と人と街をつなぐ「BLUE FRONT SHIBAURA アートツアー」 野村不動産(2025/8/7

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カテゴリ: 2025年度

  国土交通省は8月29日、令和7年7月の新設住宅着工戸数をまとめ発表。総戸数は61,409戸で前年同月比9.7%減、4か月連続の減少となった。利用関係別内訳は持家17,665戸(前年同月比11.1%減、4か月連続の減少)、貸家27,412戸(同13.1%減、4か月連続の減少)、分譲住宅15,886戸(同1.7%減、4か月連続の減少)。分譲住宅の内訳はマンション5,971戸(同1.6%減、4か月連続の減少)、分譲戸建て9,709戸(同2.7%減、4か月連続の減少)。

 首都圏マンションは2,686戸(前年同月比14.9%減)で、都県別内訳は東京都1,619戸(同28.0%減)、神奈川県760戸(同1.8%減)、埼玉県232戸(同75.8%増)、千葉県75戸(前年同月はゼロ)。

 首都圏分譲戸建ては4,243戸(前年同月比2.1%減)で、都県別内訳は東京都1,310戸(同0.1%増)、神奈川県1,138戸(同11.0%減)、埼玉県1,001戸(同9.3%減)、千葉県794戸(同23.5%増)。


 

 

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優良ストック住宅推進協議会(スムストック)表彰式・懇親会(九段会館テラス)

 優良ストック住宅推進協議会(スムストック)は8月29日、総会後に記者会見を開き、2024年度のスムストックの活動状況について報告し、その後スムストック住宅販売士の成績優秀者表彰と懇親会を行った。

 2024年度(2024年7月~2025年6月)のスムストック成約件数は2,262件(前年度比8.2%増)となり、過去最高を達成。市場流通量に対する協議会会員10社による成約捕捉率は19.7%だった。2008年からの累計成約件数は21,989件となった。スムストック住宅販売士の累計登録者は8,726名で、仲介実務者は1,509名。買取再販成約件数は406件(前年度は374件)で堅調に増加している。

 安心R住宅のスムストック比率(2024年4月~2025年3月)は「リフォーム済(買取再販)」は61.3%(前年度52.4%)、「リフォーム提案」は99.5%(同98.6%)となり、各団体提出数合計のうち一戸建て747件に対し71.4%をスムストックが占めた。

 2025年度の主な取り組みは、買取再販を含む既存住宅流通の推進を強化し、捕捉率25%を目指すほか、スムストックの「安全・安心」をさらにレベルアップし、認知度向上を図る。

 2025年6月に行った協議会会員10社の戸建てオーナーと住宅購入検討者を対象(各621サンプル)にしたスムストック認知度ブランド調査結果によると、「10社戸建てオーナー売却検討者の認知度は「よく知っている」が25.0%(2024年10月は25.6%)「一部の内容は知っている」が32.1%(同26.3%)、「ブランド名、その内容も知らない」が42.9%(同48.1%)だった。

 記者会見に臨んだ芳井敬一会長(大和ハウス工業代表取締役会長)は、「スムストックの認知度はまだまだ低いので、向上を図っていきたい。また、土地と建物の価格を流通市場で別々に表示しているのはスムストックだけ。既存住宅を適正に評価して、流通する世の中にするには、この土地・建物の価格の分離表示を推進していくことがカギこれを当たり前にし、価格に反映できるかどうかがカギ」と語った。

 来賓として登壇した国土交通省住宅局長・宿本尚吾氏は「国交省では来年3月に改訂を予定している住生活基本計画では、循環型の住宅市場の形成を目指し議論を進めているが、何よりも既存住宅流通・リフォーム市場を活性化させるためには、適切に維持・管理された住宅が適切に評価される仕組みを作ること、その環境整備が大変重要だと考えている。スムストックにはその先導的な役割を担っていただいているのは大変意義深い。また、国交省は既存住宅の安心・安全の取引き環境を整備するため安心R住宅の普及促進に取り組んでおり、貴協議会にはスタート時から協力していただいていることに改めて感謝申し上げる」と挨拶した。

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芳井会長

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宿本住宅局長

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竹下氏(左)と織田氏

◇        ◆     ◇

 2024年度スムストック住宅販売士表彰制度で、813人のエントリーから総合ランキング1位と特別表彰(買取再販ランキング2位)も獲得した、中四国セキスイハイム不動産流通営業部山口営業所シニアアドバイザー・竹下満士氏(61)の懇親会でのスピーチ全文を以下に紹介する。竹下氏は、「住宅販売士」だけでなく「一級建築士」「宅地建物取引士」の資格を持っている。「士」の数ならたくさん持っている業界人は少なくないが、名前に「士」が付く人に会ったのは初めてのような気がする。

 「この度はスムストックランキング1位ということで、このような場にお招きいただき、ありがとうございます。私は今年、中四国のセキスイハイムに入社して40年目を迎え、昨年3月に役職定年になりましたが、有難いことに引き続き不動産事業にて雇用いただけることとなりました。残り少ないセキスイハイム人生で何が出来るか考え、これまでお世話になったグループ会社である、新築のハイムやリフォームのファミエス、更にはお家をお建て頂いたオーナー様に対して、何らかの形で恩返しができないかと思っています。

 その一つとしては、不動産としての立場を超えてグループ社員皆様とコミュニケーションを取り、これまでの40年間で培った知識を伝えることを心掛けており、積極的にお客様のところへの社員同行することに努めています。その甲斐あって、今では気軽に社員の皆様から声を掛けていただき、相談や同行依頼をしてくれる状況を作ることが出来ました。

 このような日々の積み重ねが、ハイム・ファミエスの社員の皆様からの紹介に大きく役立っていると思います。また、成果の秘訣として、お客様のお家を拝見して査定を行う際、それぞれの年代や背景や商品特性を理解しているため、お家を建てて頂いた当時のお話や、お家に対しての思い入れなどを察することができ、よりお客様に寄り添ったご提案やアドバイスが出来ているのではないかと思います。

 実際に、お陰さまでこれまで携わらせて頂いたお客様からは、売却価格等に関わらず『任せてよかった』とのお声を頂いています。今後は会社とスムストックの成長を見据えて、社内での若手育成を第一目標に活動をして行きたいと思っています」

 竹下氏は「ハイムの家のことは熟知している。成約件数は均すと月に2~3件、とても忙しいが苦にならない。山口県は広いですから(中四国セキスイハイム不動産の事務所は周南市)、車で移動する距離は月に4千キロです(地球1周は4万キロ)」とも語った。

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竹下氏

 総合ランキング2位で、特別表彰(買取再販ランキング1位)のパナソニックホームズ不動産関東住宅流通センター所長・織田星児氏(41)は、2年前に総合1位に輝いており、昨年は3位。今年(2024年度)は1位返り咲きを狙ったが、惜しくも2位。しかし、特別表彰の買取再販部門では1位を獲得した。懇親会のスピーチでは「水周り部分の設備を一新するのは当然として、新しいチャレンジとして建具・家具、フローリングなどは補修で対応することでコストを抑制し、お客さまにも経年による変化を楽しんでいただけるようにした。また、そのようなニーズがあることが確認できた。これからは住宅全体の付加価値を向上させることを目指す」などと語った。成約件数は約15件で、安心R住宅の取り組みが高く評価されたようだ。

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織田氏

 総合4位のセキスイハイム不動産の東京流通支店流通営業所千葉流通営業店店長・小林辰徳氏(43)は、「父が原辰徳ファンで付けた名前。千葉はロッテファンも多いが、名前はお客様にすぐ覚えていただけるので、成績がいいのはほぼ父のお陰。私自身は埼玉県出身で、野球に興味はない。営業店舗は総勢4人で少数精鋭」と話し、同社関係者らと「ハイムはどこにも負けない」と豪語・爆笑した。

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「ハイムはどこにも負けないぞ」(右端が小林氏)

 最年少受賞者で総合9位に入賞した旭化成不動産レジデンス不動産流通本部首都圏営業部神奈川営業課・近藤千尋氏(25)は「入社3年目。神奈川県のヘーベルハウスは、東京と違ってお客様に手が届く価格帯の物件が多いのが特徴。昨年の成約件数は波があるのですが月平均4件。(仲介は平準化が課題だが)いえ、私は波があるほうが好き。働くときは働き、休むときは目いっぱい休む」と語った。(若いからそのような芸当ができる)

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近藤氏

 前回総合1位で、今回は総合3位だった積水ハウス不動産・山城屋博規氏からは話を聞くことができなかったが、今年度は1位を狙うそうだ。

◇        ◆     ◇

 記者はこれまで年間100~200件の分譲マンションや分譲戸建てを見学してきたので、それらが流通市場に出ればどのようなレベルか分かるし、分譲開始時の売主・ブランドによってもおおよその基本性能は推測できるのだが、個人住宅は全く分からないし、捕捉率約20%が高いのか低いのかも判断がつかない。ただ着実に捕捉率を向上させていることは評価できる。課題としては、表彰者の顔ぶれを見ても、会員会社によるばらつきが多いことだ。会見後の懇親会で芳井会長は「自分が頑張らないとあきまへん」とはっぱをかけた。

 しかし、捕捉率を劇的に向上させることは可能だと思う。前段で紹介した竹下氏など受賞者(現場)の成功事例を経営者やスムストック住宅販売士が徹底して学ぶことだ。成約件数だけなら、デベロッパー系の不動産流通会社にはもっと多く成約する社員はたくさんいるだろうが、建築技術に精通している人はそういないはずだ。これは大きな武器になる。(芳井会長が壇の近くに寄り、しっかり受賞者のスピーチを聞いていたのが印象的だった)

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〝国の住宅ストック政策のトップランナーを目指し乾杯!〟(音頭を取るのは市川晃・住友林業代表取締役会長)

スムストック建物価格築20年以上で602万円 7年間で15%上昇/捕捉率は17%(2023/9/2)

スムストック仲介捕捉率は16%伸びないのはなぜか/顧客対応の改善も必要(2022/9/2)

旧九段会館を保存・復原最新鋭のオフィスとの融合東急不・鹿島「九段会館テラス」(2022/9/9)

 

 


 

 

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「MARK IS 葛飾かなまち」(南西)提供:東金町一丁目西地区市街地再開発組合

 「東金町一丁目西地区市街地再開発事業」の参加組合員である三菱地所は8月27日、先に竣工した「CROSS KANAMACHI」の第1期の商業施設「MARK IS 葛飾かなまち」のメディア向け事前案内会を実施した。入居するのは食品に特化した「ヨークフーズ」をはじめ日常生活に欠かせない店舗やエンタメ&スクール、ファション&ライフスタイル、サービス&ケア、フードフロアなど50店舗。従前も敷地内にあった「金町自動車教習所」も4階に開業済み。〝ないものはない〟充実ぶりに記者は唖然とした。施設は9月3日にグランドオープンする。

 内覧会の冒頭、同社再開発事業部統括・山口義弘氏は再開発地域の概要や再開発に至った経緯などを説明。地域は三菱製紙中川工場が大正6年に建設され、平成15年に工場が閉鎖されてから工場跡地を中心に街づくりの検討が始まり、平成25年には東京理科大学が誘致され、マンションなどの大規模開発が進められてきた。

 再開発の都市計画決定は令和元年。組合設立は令和3年。再開発面積は約24,755㎡、延床面積は約159,310㎡(建ぺい率約75%、容積率約452%)。参加組合員は同社のほか三菱地所レジデンス、三井不動産レジデンシャル。

 街区名称「CROSS KANAMACHI」は、「金町駅周辺エリア」と「東京理科大学」、「葛飾にいじゅくみらい公園」の結節点として複数エリアが「クロス」する立地として、まちを活性化させる街区となることを目指し決定された。三菱地所の基幹商業施設ブランド「MARK IS」は静岡、みなとみらい、福岡ももちに続く4施設目。

 第1期の「MARK IS 葛飾かなまち」は鉄骨造5階建て延床面積約40,370㎡。用途は50店舗、自動車教習所、施設駐車場など。入館者は年間約500万人、年間売上想定は約100億円。

 今後、第2期工事として40階建てマンション約900戸、4階建て商業棟、公共施設などが令和12年(2030年)の完成目指し工事中。

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山口氏

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「PETEMO/Pet Plus」

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「だがし家かかし」

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3階フードコートイメージ_提供:㈱スペース

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赤ちゃん専用スペース付きフードエリア 

◇        ◆     ◇

 記者はこの種の商業施設は取材以外ほとんど利用しない。50店舗のうち名前だけは知っているのはイトーヨーカ堂、ミスタードーナツ、マツモトキヨシ、Zoff、auショップ。島村楽器、ABC-MART、マクドナルド、丸亀製麺くらいで、家電販売のJoshinが阪神タイガースのスポンサーであるのを初めて知った。

 内覧会でもっとも驚いたのは総合ペットショップ/犬猫生体販売の「PETEMO/Pet Plus」だ。おもちゃのような子犬が30~50万円、子猫が20万円前後もしていた。同社広報担当に飼育費も調べてもらったら、犬は年間30万円、ネコは年間16万円とか。30万円といえば、この前買ったジャケットの4着分だ。いつも利用する日高屋や酒・タバコ代に匹敵する。信じられない!

 訳の分からないガチャコーナーのスペースが大きく、少しは分かる「だがし家かかし」の品揃えの豊富さにびっくりした。

 自動車教習所は、教習者が逆走し、フェンスを突き破って地上に落下しないか心配だったので聞いたら「大丈夫。金町自動車教習所は過去49年間無事故」(担当者)だそうだ(今後無事故の保証はあるのか)。

 フードエリアの客席数は450席もあった。埋まるのかどうかを聞いたら「理科大の学食は大盛況。いつも人であふれているので、その流れも期待できる。学生割引は現段階では考えていない」(担当者)とのことだった。自由内覧では丸亀製麺のうどんを試食させてもらった。この前、長野の取材のとき食べた信州蕎麦より安く、おいしかった。同社は三重県・伊賀に店舗を開設するそうだが、伊勢うどんとは競合しないのか。

 分譲マンションは来年に着工するそうだ。気になる坪単価だが、北千住は500万円をはるかに突破しており、綾瀬も400万円超だから、ここも400万円超となるのは間違いない。

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鳥瞰パース_提供:佐藤総合計画㈱

金町駅前に40階建て約900戸のタワマン三菱地所・地所レジ・三井不レジ再開発認可(2022/8/4)

竹中施工で公園・大学に隣接 住友不動産「シティタワー金町」(2014/9/1)

大成有楽不動産 「金町」エリアで2物件224戸単価は割安感あり(2014/6/24)

入居者の声を商品企画に生かした野村不動産「プラウドシティ金町」(2008/11/25)


 

 

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視覚支援機器を使って野球観戦するイベント参加者(神宮球場で)

 既報のように、東京ヤクルトスワローズのトップスポンサーの1社であるオープンハウスは8月20日、「挑戦する人や組織を応援する」企業姿勢を体現した社会共創活動「O-EN HOUSE PROJECT」の一環として「応燕ハウスナイター」観戦会を開催した。見えにくさを感じる子どもを対象に、視覚支援機器を使って野球観戦するイベントだ。

 会場について渡された資料の中の「レティッサオンハンドのご利用に関するお願い」文が真っ先に目に飛び込んできた。そこには、「非医療機器のため、眼に疾患のある方の使用を意図していません」とあり、「医療機器と捉えられるような表現を使用すると、薬機法に抵触してしまう可能性があるため、適切な表現でご案内いただきたく、注意点をまとめました」とあった。

 資料には、「レティッサオンハンドは、視覚障がい者にご利用いただけます」「レティッサオンハンドは、視力を改善します」「レティッサオンハンドで見えるようになります」などという表現は不可で、「レティッサオンハンドは、見えにくさのある方にご利用いただけます」と改めるように指示されている。

 この注意書きを読んで、記者は「薬機法」なる法律があるのを初めて知ったが、おそらく「薬事法」と似たような法律で、不動産業界でいえば、「おとり広告」や「誇大広告」を禁止した不動産公正取引協議会連合会の「不動産の表示に関する公正競争規約」と似たようなものだろうと理解した。「実際のものよりも優良又は有利であると誤認されるおそれのある表示」は不可ということだ。(オープンハウスから取材の案内が届いたときに、QD LASERとレティッサオンハンドについてしっかり確認すべきことで、年を取るごとになにかにつけいい加減になってきた記者が悪い)

 さて、ここからが本題。読者の皆さんもレティッサオンハンド(RETISSA ON HAND)」は「薬機法」に定義されている商品ではないということを理解していただき、以下の記事を読んでいただきたい。ただし、表現の自由もあるので、記者がこの商品を〝素晴らしい〟〝よく見える〟などと絶賛しても、〝マンションの商品企画が素晴らしい〟〝割安感がある〟などと同じようにいかなる法律にも違反していないことをお断りしておく。

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「レティッサオンハンド(RETISSA ON HAND)」

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イベント参加者

◇        ◆     ◇

 まず、この視覚支援機器「レティッサオンハンド」について。これは2006年、富士通研究所からスピンオフベンチャーとして立ち上げた会社「QDレーザ」が世界で初めて網膜投影技術の製品化に成功し、2年前から販売を始めたものだ。詳しい技術的なことは省くが、近視でも遠視でも乱視でも映像を見えやすくする技術だ。

 手持ち型で重さは約500グラム。ズーム機能付きで最大7倍まで拡大することができるほか、スクリーンショット、白黒反転、コントラスト調整なども可能。4時間のフル充電で2時間の連続使用が可能。販売価格は40万円。リースも可能。これまで複数の美術館・劇場への導入実績があるという。

 イベントに参加した、視力は両目で0.1弱の中島健太くん(10)は「狭く見えるけど、色の分かれ目がはっきりして、スマホより見やすい」と、両目とも視力が低い配川航太くん(11)は「すごくよく見える。広く見えるのが一番いい。文字がはっきり見える。肉眼で見えないものが見える」とそれぞれ感想を語った。

 視力0.2、眼鏡をはずすと30cm先のパソコンの文字が読めない記者も体験した。眼鏡をはずして見たのに、数メートル先の使用品について説明した同社視覚情報デバイス事業部営業グループ・金井勇樹氏の姿がくっきり映し出された。信じられなかった。健全な視力をお持ちの方はご存じないかもしれないが、眼鏡なしでは虫眼鏡は全く役に立たない。

 既報の記事の見出しを「目からうろこ 無限の可能性秘める視覚支援機器…」としたのは、まさにこの点だ。記者は最近、広陵高校の暴力沙汰が表面化したのと同時進行の形で川上未映子「ヘヴン」(講談社文庫)を読んだ。芥川賞作家の作品はもう30年以上前から読まなくなったのだが、川上氏が小川洋子氏に次ぐ日本人女性作家としては2人目のブッカー国際賞候補に上ったので〝気になる作家〟だったからだ。

 「ヘヴン」は、主人公の「僕」が14歳のとき、「斜視」が理由にクラスから陰惨な苛めにあったのを、子供目線でリアルに描いた作品だ。善とは悪とは何か、正とは邪とは何かという宗教的・哲学的な永遠のテーマを問う小説でもある。

 ベストセラーになったのでご存じの方も多いだろうが、15,000円の斜視の手術を受け退院した「僕」が見た結末の世界を紹介する。

 「それは僕が想像もしなかった光景だった。

 十二月の冷たい空気のなかで、何千何万という葉のすべては濡れたような金色に輝き、その光りかたはまるでその一枚一枚がそれぞれの輝きを鳴らしながら、僕のなかへとめどもなく流れこんでくるかのようだった。僕は息をのんで、その流れに身をまかせるしかなかった。一秒がつぎの一秒へたどりつくそのあいだの距離が、なにか大きなものの手によってそっと引きのばされているのを僕は感じていた。息を吐くことも、まばたきをすることも忘れ、僕は黒々とした鮮やかな木の肌にもぐりこみ、その肌ざわりを身体のいちばんやわらかな場所で感じとることができた。黄金に鳴りつづける葉のすきまにゆれる光の粒子をひとつ一つ指さきでつまんで、そのなかに入ることもできた。正午だった。しかし太陽はもう見えなかった。なにもかもがそれだけで光り輝いていた。僕は目のまえの光景が信じられず、口をあけたまま何度も首をふっていた。地面にひざをつき、葉の一枚を手にとって見つめてみた。その葉にはこれまで僕の知らなかった重さがあった。僕の知らなかった冷たさがあり、輪郭があった。僕の両目からはとめどもなく涙が流れ、涙ににじみながら、目のまえにあらわれた世界はあらわれながら何度でも生まれつづけているようだった。

 なにもかもが美しかった。これまで数えきれないくらいくぐり抜けてきたこの並木道の果てに、僕ははじめて白く光る向こう側を見たのだった。僕にはそれがわかった。僕の目からは涙が流れつづけ、そのなかではじめて世界は像をむすび、世界にははじめて奥ゆきがあった。世界には向こう側があった。僕は目をみひらき、渾身のちからをこめて目をひらき、そこに映るものはなにもかもが美しかった。僕は泣きながらその美しさのなかに立ちつくし、そしてとこにも立っていなかった。音をたてて涙はこぼれつづけていた。映るものはなにもかもが美しかった。しかしそれはただの美しさだった。誰に伝えることも、誰に知ってもらうこともできない、それはただの美しさだった。」

◇        ◆     ◇

 素晴らしい商品ではあるが、課題もすぐ〝見えた〟。スポーツ・コンサート・劇場観戦、絵画鑑賞にはいいかもしれないが、眼が不自由な人(この表現が問題なのだろうが、これは記者の表現の自由だ)にとっては日常的によく見えることが必要で、片手または両手が使えないのは致命的だと思った。パソコンが操作できないではないか。この点について同社も承知しているようで「当初眼鏡型も作っていただが、技術的な難しさもあり今は手持ち型が主流になっている。眼鏡型を求める声に応えていけるよう、メガネ型の研究は続けている」と金井氏は話した。

 さらに言えば、中島くんが巨人選手の三振の場面をスクリーンショットで捕らえたように、カメラ機能を付加すればあらゆる事象を記録することができる。まだある。約300万人といわれる色盲・色弱者にも対応できるようにしたらノーベル賞ものではないか。

 商品名にも問題がありそうだ。金井氏は「普及がいま一つ」と話したが、「レティッサオンハンド」では消費者に何の商品なのか伝わらない。目は「EYE」であり「愛」だ。一目瞭然、一目ぼれ、眉目秀麗、夜目遠目…〝便利地、好立地〟のオープンハウスに頼めば素晴らしい名前が生まれるのではないか。〝相視相愛メガネ〟はどうか。

◇        ◆     ◇

 家に帰って「薬機法」を調べてみたら、正式な名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」で昭和35年に制定された。第91条まである。

 読むとなかなか面白い。第2条の定義では「『化粧品』とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう」とある。

また、「誇大広告等」を禁止した第66条には「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない」とある-記者はヘアリキッド以外の化粧品を利用したことがないが、緩和な作用で魅力を増し、容貌を変える化粧品はあるのか。実物と似て非なる選挙ポスターの顔は誇大広告に該当しないのか。

 このように、世の中は何もかもが見えにくくなっている。白内障のような世界が広がっている。善と悪を暴き出すことはできないだろうが、視覚支援機器「レティッサオンハンド」は、世界を変える無限の可能性を秘めているのは間違いない。

目からうろこ無限の可能性秘める視覚支援機器オープンハウス・応燕ハウスナイター(2025/8/20)

 


 

 

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