RBA OFFICIAL
 

完成予想イメージ(今後の諸官庁協議・合意形成・経済情勢等により変更となる場合があります。).jpg
「向原第二住宅団地」建て替え後イメージ図

 野村不動産と旭化成不動産レジデンスは11月24日、板橋区の「向原第二住宅団地」のマンション建替組合設立が認可されたのを受け11月22日に建替組合が設立されたと発表した。

 「向原第二住宅団地」は、東京都住宅供給公社により「一団地の住宅施設」を活用して分譲された1969年竣工の分譲住宅246戸。築後50年が経ち、耐震強度の不足に加え、設備配管の劣化・断熱・遮音性の不良など、建物の老朽化の問題を抱え、2005年頃から向原第二住宅団地管理組合法人にて建替えを含む再生の検討が開始された。

 両社は2014年8月から事業協力者として参画し、権利者との合意形成活動など、建替えに向けた事業協力を行ってきた。今年4月29日に一括建替え決議が成立した。

 一団地の住宅施設の都市計画を廃止し、地区計画を新たに導入したため、容積率は70%から200%へアップされたため建て替えが実現した理由の一つ。

 今後は、2021年7月の解体工事着工・2024年夏の竣工を予定。500戸のマンションへと生まれ変わる。

 「向原第二住宅団地」は、東京メトロ副都心線・有楽町線小竹向原駅から徒歩5分、板橋区小茂根一丁目に位置する敷地面積約18,312㎡。従前は5階建て6棟246戸(専有面積約51㎡)。建て替え後は12階建て・7階建て全500戸(専有面積約50~約91㎡)。竣工予定は2024年8月。

向原第二住宅団地外観写真2.jpg
「向原第二住宅団地」

カテゴリ: 2020年度

 outline_main_sp.jpg
「ヨコハマ シンミライ プロジェクト(エステムコート横浜新吉田レジデンス)」

 東京日商エステムが11月14日から分譲開始した「ヨコハマ シンミライ プロジェクト(エステムコート横浜新吉田レジデンス)」を見学した。同社のファミリー向けマンションとしては第2弾で、約7年供給のない「新羽(にっぱ)駅」が最寄駅だが、周辺エリアの価格が上昇しており、人気を集めるか。

 物件は、横浜市営地下鉄ブルーライン新羽駅から徒歩6分、横浜市港北区新吉田東8丁目の準工業地域に位置する7階建て118戸。竣工予定は2022年1月末頃。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。デザイン監修はウイ・アンド・エフ ヴィジョン(石倉雅俊氏)。

 現地は、敷地西側と北側に接道する二方角地。東側は24時間営業のイオン、南側は低層住宅、西側は道路を挟んで新田公園に隣接。用途地域は準工地域だが、嫌悪施設はほとんどなく、小学校へも徒歩4分の立地。

 建物はT字型で、標準階の住戸は70㎡台以上が中心の南向き8戸、50~100㎡台と多彩なプランバリエーションを揃える西向き9戸構成。

 主な基本性能・設備仕様は、ディスポーザー、食洗機、生活水は浄活水装置付きの洗浄効果が高く経済的な「ESTEM WATER」、バルコニースロップシンクなど。トイレはINAXのタンク付き。

 このほか、共用施設にはコンシェルジュルーム、集会室、ゲストルーム、リモートルーム2戸。

IMG_8466.jpg
販売事務所

IMG_8468.jpg
販売事務所

◇       ◆     ◇

 記者は初めて同社のマンションを見学したが、同社のファミリー向けマンションは平成31年竣工の西川口駅から徒歩2分の「エステムコート川口並木サウスガーデン」115戸に次ぎ2棟目だという。

 商品企画などは、全戸にスロップシンクを装備し、水の入口に浄活水装置をとりつけ、快適なバスタイムを楽しむことができるミストシャワーを採用しているのは同社のこだわりか。

 もう一つ驚いたのは、販売事務所の外構に中低木の植栽を施し、エントランスにも幅約3m、種類にして約30種の観葉植物を配していることだった。

 記者は3年前、モデルルームのケミカル製品・造花を止めろと書いた。その後、フェイクを止めるところも増えてきたが、まだまだ不十分だ。同社はすべてではなかったが、この規模のマンションに本物の観葉植物を採用していたのが嬉しかった。

 価格について。記者はブルーラインのマンションを結構見学している。隣駅の仲町台駅圏ではモリモトと大京の物件が素晴らしかった。単価は前者が坪260万円、後者が坪290万円だった。今回の「新羽駅」は初めて降り立ったので相場は全く分からなかったが、立地条件からしてボトムで坪250万円、アッパーで坪280万円とはじいた。アッパーの価格になってもストライクゾーンだと思う。新横浜駅圏の明和地所の物件は坪320~330万円でも売れ行きは好調だ(51戸のうち残りは17戸)。チラシにはYAHOO!JAPAN不動産の神奈川県資料請求数第1位(9月1日~10月31日)とあった。

 東京日商エステムは記者も名前だけしか知らなかったが、日商エステムグループはこれまで23,000戸超を供給しており、イメージキャラクターに女優の相武紗季さん(記者は全然知らないが、かみさんに「あなた失礼よ。みんな知ってるわよ」と言われた)を起用し、大阪道頓堀ではあの「グリコ」の隣に広告看板を20年以上も出しており、〝知らない人はいない〟そうだ。首都圏での第3弾は今のところ決まっていないと聞いた。

IMG_8461.jpg
隣接公園から現地を写す

隣接のサカタのタネのメタセコイア圧巻 大京のZEH-M「仲町台」 販売好調(2020/2/21)

ナイス 免震「新横浜」 好調スタート 第一期35戸完売へ(2019/10/31)

樹影を映し込む外観 まるで絵画のよう モリモト「アールブラン横浜仲町台」(2017/10/24)

いい加減にしてほしい モデルルームのケミカル製品・造花の氾濫(2017/5/23)

 


 

カテゴリ: 2020年度

01_メインパース.jpg
「パークタワー勝どきミッド/サウス」

 三井不動産レジデンシャル、鹿島建設、清水建設の3社は11月18日、都営大江戸線勝どき駅直結の全2,786戸の再開発大規模マンション「パークタワー勝どきミッド/サウス」の第1期1次237戸の販売を11月20日(金)から開始すると発表した。

 「勝どき東地区第一種市街地再開発事業」に事業参画して分譲するもので、2019年12月に物件HPでエントリー受付を開始して以来、エントリー数は約9,500件、2020年9月4日から開始したモデルルームの事前案内会は1,700組以上(11月15日時点)の来場者を集めている。

 来場者は、地元の中央区勝どき、晴海エリアを中心に中央区から約5割、江東区から約1割強、港区から約1割。年齢層は30代~40代、家族構成はDINKS、子育て世代のファミリーを中心に単身者、アクティブシニアなど。

 また、コロナ禍を受け三井不動産レジデンシャルが実施した「アフターコロナのすまいやくらしに関する意識調査」では、テレワークとオフィス勤務が両立できる働き方や共働き比率の高い住宅検討層に支持されているとしている。

 同事業は1988年に「勝どき街づくりを考える会」発足以降、2014年に都市計画決定、2015年に再開発組合設立が設立された。「BRIDGE TO THE NEXT」を街づくりコンセプトに掲げ、勝どきエリアの新たな賑わいと憩いの場として広大な緑地と水辺を抱く街「GRAND MARINA  TOKYO」を整備する。

 「パークタワー勝どきミッド」の地下1 階~地上3 階にはスーパーマーケットやコンビニエンスストア、クリニック、飲食店舗などが入居する約3,950㎡の商業施設、保育所、天候に関係なく様々なスポーツが楽しめる約840㎡の屋内型多目的運動スペースのスポーツアリーナ、4 階~7 階にはオフィスが配置される。ニューノーマル時代のくらしに対応するため、「パークタワー勝どきミッド/サウス」には個室ブース付の約300㎡リモートワークスペースやオンラインフィットネスが可能なパーソナルスタジオを設置する。

 物件は、都営大江戸線勝どき駅から徒歩1 分、中央区勝どき4丁目に位置する45階建て「ミッド」1,121戸(販売戸数570戸)と58階建て「サウス」1,556戸(同1,109戸)の全2,786戸(同1,679戸)。第1期1次の価格は7,260万(55.80㎡)~3億3,980 万円(153.05 ㎡)。最多価格帯は9,200万円台。全体坪単価は425万円。施工は「ミッド」が清水建設、「サウス」が鹿島建設。完成予定は2023年8月下旬。

03_モデルルームパース2.jpg
モデルルーム パース

◇       ◆     ◇

 モデルルームを見ていないので何とも言えないが、坪単価は抑制気味だと思う。三井不動産レジデンシャルと野村不動産が2年前に分譲した月島駅から徒歩2分の32階建て全503戸の「MID TOWER GRAND」(分譲は387戸)は434万円で、ほぼ1年で完売した。

 ただ、マンション購入検討者にとって悩ましいのは「HARUMI FLAG」との選択だ。もちろん交通便がまるで異なり、単価、入居時期なども異なるが、全体的な質を考慮すれば「HARUMI FLAG」も捨てがたい。「勝どき」を選択する人は「HARUMI FLAG」を検討しなかったのだろうか。

06_セントラルラグーン.jpg
セントラルラグーン

09_コワーキングスペース会議室.jpg
コワーキングスペース

◇       ◆     ◇

 注目したいのは、コロナ禍の8月に三井不動産レジデンシャルが行った「三井のすまいLOOP 会員(n=6,169)」と「三井不動産レジデンシャル販売物件資料請求者・来場者(n=1,343)」を対象とした「アフターコロナのすまいやくらしに関する意識調査」の結果だ。

 回答者(うち約70%が共働き世帯)の73.2%がテレワーク(出社/在宅の併用を含む)を経験したと答え、75.1%が収束後には「オフィスとテレワーク」の併用を希望。

 また、テレワークを経験した人に対して「今後のテレワーク場所の意向」を調査したところ、自宅内の「書斎」「自分の部屋」のニーズが高く、在宅勤務経験者の55.1%は「自宅・オフィス以外」のテレワークも希望していることが分かった。

 さらに、共働き比率の高い住宅検討層にとってもっとも譲れないのは「生活利便性の高さ」(68.5%)、「住環境が良いこと」(54.9%)が高い数値を示した。

 コロナ前後の住宅希望エリアの変化(2020年3月以前からの住宅検討者:n=1,590)を聞いたところ、「都心エリア希望で変わらず」は57.4%、「郊外エリア希望で変わらず」は16.5%、「都心エリア⇒郊外エリア希望に変化」は7.5%、「郊外エリア⇒都心エリア希望に変化」は1.3%だった。

 記者が注目したのは、この「都心エリア⇒郊外エリア希望に変化」から「郊外エリア⇒都心エリア希望に変化」を差し引いた6.2%(約99人)が「郊外エリア」を選択したことだ。全体の住宅検討層はこの100倍以上あるので無視できない数値だ。

 新型コロナが今後住宅市場にどのような影響を与えるか不透明な部分もあるが、住宅に「書斎」や「自分の部屋」を希望する人が増え、さらにまた「住環境の良さ」を譲れないとする回答者が多く、最近の郊外マンションや分譲戸建ての売れ行きなどを加味すると〝郊外志向〟は加速するとみている。駅近や専有圧縮型だけでは競争に勝てない。

三井レジ 「月島」再開発タワー「MID TOWER GRAND」第1期189戸 坪単価434万円(2018/7/17)

 


 

カテゴリ: 2020年度

img-mv-01@2x.jpg
「レーベン戸田公園GRANVARIO」

 タカラレーベンが分譲中の「レーベン戸田公園GRANVARIO」を見学した。アクセス、行政力、駅5分と70㎡超中心の企画が奏功、分譲開始約1か月で全58戸の7割程が進捗。同社第二営業グループ第2営業部次長・花田崇好氏「3LDK70㎡超中心とした当社の企画の勇気ある決断に感謝」と企画の勝利であることを強調した。

 物件は、JR埼京線戸田公園駅から徒歩5分、戸田市川岸3丁目の第二種住居地域に位置する8階建て全58戸。専有面積は64.60㎡~86.85㎡。竣工予定は2021年11月中旬。設計・監理はデベロップデザイン。施工は埼玉建興。デザイン監修はウイ・アンド・エフヴィジョンの石倉雅俊氏。

 現地は、駅から遊歩道を通り、信号を渡ってすぐ。敷地は隣接のロイヤルホームセンターと一体となった4面道路(一部歩行者専用道路)に接道。建物はI型で全戸南西向き。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、食洗器、たからの水、ワイドフローリング、掃き出しサッシ(1部除く)、約7,000ミリ前後のワイドスパンなど。騒音対策にもなる二重サッシ(一部除く)を採用している。

 9月12日にモデルルームをオープンし、これまで200組以上の来場を集め、第1期40戸の販売は好調。来場希望が多いため、朝の8時から対応しているときもあった。

 販売担当の花田氏は、「私は入社16年目。売れるとは思っていましたが、これほど人気になるとは予想外。このエリアでは類を見ない販売スピード。周辺の赤羽や川口も坪単価が例年よりも高くなってきており、それらと比べると値ごろ感があり、戸田市は財政力も豊かで、住みやすさランキングでは県内トップ(東洋経済新報社・都市データパック)。

 それと駅5分の立地でありながら、同業他社がグロスを抑えるため専有面積を圧縮している中で居住面積を3LDK70㎡超中心とした商品企画がヒットにつながった。過去、このエリアで12棟販売してきた経験を生かした結果だ。74㎡超えのモデルルームも約7,050ミリのワイドスパンで、中広域から集客できる力がある」などと話した。

img-01.jpg
モデルルーム

img-07.jpg
モデルルーム

◇       ◆     ◇

 物件特性を的確に捉え、過不足なく説明してくれた花田氏に脱帽だ。記者はもう言うことがない。先日、同社の高荒モデルを〝タカラの宝〟と書いたが、花田氏の名前も「崇好」(たかよし)ではないか。花田氏も〝タカラの宝〟の1人に追加することに決めた。

 花田氏が担当した過去の物件についても聞いた。入社してすぐ担当した商業施設との複合「川越南古谷」や旧本社跡地の「中板橋」のほか「南大沢」「水戸」「北千住」「本厚木」などの物件が挙がった。記者も何物件か取材している。経験を共有できたのがとてもうれしかった。

IMG_8443.jpg
現地に隣接する公園から写す

〝タカラの宝〟進化する高荒モデル 圧倒的な人気「レーベン検見川浜GRANVARDI」(2020/10/9)

人気必至100㎡で坪135万円 タカラレーベン「レーベンリヴァーレ南大沢(ヒルズ/テラス)」(2011/2/7)

タカラレーベン 旧本社跡地のレーベンリヴァーレ中板橋ヴィーナスタワー」(2009/8/19)

カテゴリ: 2020年度

03_200616_全体俯瞰.jpg
「ノリタケの森地区計画」俯瞰図

 三菱地所レジデンスは11月12日、名古屋駅徒歩圏の三菱商事都市開発、野村不動産とのJVマンション「ザ・パークハウス 名古屋」第1期200戸が最高倍率17倍、平均2.1倍に達したと発表した。この戸数は名古屋市内過去4年の最多戸数。

 名古屋駅から徒歩12分、約11.8haの複合開発「ノリタケの森地区計画」地内に立地する19階建て全462戸の規模。第1期の専有面積は61.22~93.16㎡、価格は4,198万~13,500万円(最多価格帯5,300万円台)。坪単価は270万円。竣工予定は2022年11月下旬。

 名古屋駅徒歩圏の利便性の高さとイオンモール直結の住環境の良さ、リニア開通への期待感などが人気の要因としている。新型コロナ感染防止のため「オンライン登録」と抽選模様を「ライブ配信」した。

 登録者の現居住地は愛知県68.4%(うち名古屋市50.4%)、愛知県外31.6%(東京都12.6%)。東京の会社員で会社がテレワークになるため地元で購入したいという声も複数あったという。

04_200610_全体外観.jpg
「ザ・パークハウス 名古屋」

◇       ◆     ◇

 すごい数字だ。記者は2年前、積水ハウスの分譲マンションと御園座の建て替え複合再開発プロジェクト「御園座タワー」を見学した。マンションは坪単価350万円の名古屋圏最高値だったにもかかわらず、全304戸がほとんどクローズで約1年もしないうちに完売したと聞いた。

 今回は坪270万円だから、ずいぶん安いような気がする。名古屋駅徒歩圏では総合地所など6社JVの42階建て「NAGOYA the TOWER」441戸を今夏に着工した。こちらは坪単価400万円を突破する可能性もあるようだ。

 まあ坪単価400万円という数字は、三菱地所レジデンスの「北千住」の坪単価380万円とたいして変わらない。名古屋駅徒歩圏の坪400万円というのはむしろ安いか。

総合地所など6社 名古屋駅徒歩圏で42階建てタワーマンション441戸着工(2020/8/17)

和の格式と伝統の継承を 隈研吾氏監修の御園座タワー完成 積水ハウス・御園座(2018/1/8)

カテゴリ: 2020年度

プラウドシティ吉祥寺 外観.jpg
「プラウドシティ吉祥寺」

 野村不動産は10月29日、2018年11月から販売を行ってきた総戸数678戸の「プラウドシティ吉祥寺」が10月25日に全戸完売し、また、2020年9月に分譲した総戸数248戸の東池袋駅直結の「プラウドタワー東池袋ステーションアリーナ」第一期(115戸)が即日完売したと発表した。

 「プラウドシティ吉祥寺」は、JR中央線吉祥寺駅からバス約10分に位置する大規模複合マンション。敷地内にカフェやスーパーマーケットなどの商業施設、テレワークとして利用できる独立棟のコワーキングスペースを備えている。緊急事態宣言後は約2か月間営業活動を中止していたが、解除後の6月以降、販売を再開してからは前年比で問い合わせは約1.3倍、モデルルーム来場数は約1.2倍に増加(2019年6~9月、2020年6~9月の比較)、予定していた計画より前倒しで全戸完売となった。

 「プラウドタワー東池袋ステーションアリーナ」は、東京メトロ有楽町線東池袋駅に直結。累計問い合わせ数は約5,000件、今年8月のモデルルームの開設以来約1,700件の来場があり、平均価格1.1億円の高額物件であるにも関わらず即日完売した。

 同社は、都心、準郊外ともに販売が好調で、2020年7~9月の契約戸数は1,453戸(同社持分戸数)となっており、前年同期実績の13%程度増加しているとしている。コロナ禍の顧客の傾向として、2019年までのトレンドであった「都心×駅近」は引き続き根強いニーズが見てとれる一方で、駅徒歩距離条件の緩和、広さ・間数へのニーズ上昇などテレワークの定着や新しい生活様式が進む中でそれぞれの住まい選びの優先順位・基準が顕在化してきているとしている。

プラウドタワー東池袋ステーションアリーナ 外観イメージ.jpg
「プラウドタワー東池袋ステーションアリーナ」

◇       ◆     ◇
 

 「吉祥寺」は昨年5月に取材しており、そのときも「驚嘆すべき売れ行き」と書いた。コロナ禍にもかかわらず早期完売したのはやはり驚嘆すべき売れ行きだ。当時の坪単価262万円というのは今にすれば安いか。埼玉や千葉の郊外並みだ。

 「プラウドタワー東池袋ステーションアリーナ」は見学していないが、売れ行きは気にはっていた。2年前、東池袋駅から徒歩5分の20階建て全132戸の「プラウドタワー東池袋」を見学している。こちらの坪単価420万円だったのが、今回は520万円と約100万円も上昇しているにも関わらず平均1.1億円の第一期115戸が即日完売したのにはいささか驚いた。

 同社も公表しているように、コロナ禍でもマンションの売れ行きはどこも好調のようだ。

半年で330~340戸成約 驚嘆すべき売れ行き 全678戸の野村不「吉祥寺」(2019/5/21)

さすが〝プラウド〟 物件の質も営業マンのレベルも高い 野村不「東池袋」好調(2018/6/23)

カテゴリ: 2020年度

 国産木材を使用した木造共用棟 飛鳥山レジデンス(完成予想パース).jpg
国産木材を使用した「飛鳥山レジデンス」共用棟パース

 野村不動産は10月29日、分譲マンションブランド「PROUD(プラウド)」の独立した共用棟の構造やラウンジ、キッズルーム、ライブラリーなどの共用部内装には原則国産木材を用いていく方針を決定したと発表した。

 これまで「プラウドシティ伊丹(2018年竣工)」や「プラウドシティ吉祥寺(2020年竣工)」で木造共用棟の建設に取り組んできたが、現在販売中の「飛鳥山レジデンス」や、計画中の「プラウド練馬中村橋マークス」、「(仮称)若潮ハイツ建替計画」でも木造共用棟の建設を予定している。独立した共用棟を設置できない中小規模の集合住宅でも共用部の壁、床などの内装や、建具、家具などに国産木材を使用していく。

 木造ハイブリッドのマンションも建築中だ。販売中の「プラウド神田駿河台」(14階建て、総戸数36戸)は木質系構造部材を使用した高層分譲マンションとなる。

プラウド神田駿河台モデルルーム.jpg
「プラウド神田駿河台」モデルルーム

プラウドシティ吉祥寺 共用棟.jpg
「プラウドシティ吉祥寺」共用棟

◇       ◆     ◇

 結構なことだ。この前取材したポラスグループ中央住宅の戸建てとの複合マンション「「ルピアグランデ柏」の共用棟も木造だった。

 記者は、三菱地所が2018年にCLTを床材に用いたわが国初の高層建築物「(仮称)泉地区高森2丁目プロジェクト」を発表したあたりから、デベロッパーの「木造」の採用が加速すると読んだ。

 同社はその後、「CLT晴海プロジェクト」「みやこ下地島空港ターミナル」「PARK WOOD 岩本町」「(仮称)大通り西プロジェクト」など矢継ぎ早に事業化、今年7月には同社を含む7社の社長(うち1社は代理)が東京會舘に結集し、総合木材会社の設立発表会を行った。

 同社の独走と思いきや、三井不動産も黙ってはいなかった。昨年11月、外観に木造を採用したホテル「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」を完成させ、今年9月には木造高層建築物として国内最大・最高層となる賃貸オフィスビルを中央区日本橋本町一丁目で建設する計画を進めていると発表した。

 グループの三井ホームも先月、木造大規模中層マンション「(仮称)稲城プロジェクト」に着手すると発表した。

 記者は菰田正信社長が木造事業に意欲を示しているのを以前から感じていた。同社グループは、北海道に約5,000haの社有林を保有している。山持ち企業としてはベスト10に入るくらいの規模だ。これまでも社有林の木材・間伐材などを活用した建具・家具などを利活用してきた。

 現状ではこの2社が木造の取り組みでは突出しているが、野村不動産も〝プラウド〟マンションの一層の差別化に木造を取り込むようだ。

 他では、東急不動産が今年8月、1か月後には三井不動産に抜かれることになったが、その時点で木造ハイブリッド建築物としては最高峰の高さ約45mの「(仮称)道玄坂一丁目計画」を発表している。

 〝木造の時代〟と言われて数年が経過したが、これからは掛け声ではなく本格的な木造の時代にいよいよ突入する。「木造」に積極的か否かが企業価値を測る物差しになる。 

木造マンションの試金石目指す 三井ホーム5階建て延べ床3,700㎡の賃貸着工へ(2020/9/29)

デベロッパーの木造ハイブリッド覇権争い激化 三井不 高さ日本一70mオフィス計画(2020/9/29)

日本初 野村不&竹中 構造部に木質系部材を採用したマンション「神田駿河台」(2020/7/27)

さすが三井不動産 わが国初の本物の木造〝杉乃木〟ホテル「神宮外苑」に誕生(2019/11/13)

型枠を内装デザイン化30坪の平屋が1000万円 三菱地所 総合林業会社設立(2020/7/28)

三菱地所グループ総力結集 国内初の高層ハイブリット木造ホテル 札幌で着工(2020/3/26)

〝美しい〟〝画期的〟隈研吾氏が連発 三菱地所「CLT晴海プロジェクト」(2019/2/14)

「エコアイランドにふさわしい施設整備」 三菱地所・吉田社長 下地島空港竣工式典(2019/3/17)

シンプルで端正な姿が美しい 三菱地所 わが国初のCLT高層「高森」完成(2019/3/14)

カテゴリ: 2020年度

main_pc.jpg
「クレヴィア小杉御殿町」

 伊藤忠都市開発が12月に分譲する「クレヴィア小杉御殿町」を見学した。武蔵小杉駅、武蔵中原駅ともやや距離はあるが、等々力緑地に隣接する住環境と、「ヴォイドガーデン」や共用と専有の「+HANARE」を設置したプランが売りのマンションだ。

 物件は、JR南武線・横須賀線・湘南新宿ライン武蔵小杉駅から徒歩19分(徒歩時間を含めたバス便で14分)、JR南武線武蔵中原駅から徒歩16分、川崎市中原区小杉御殿町一丁目の第一種住居地域(容積率200%)に位置する4階建て47戸。専有面積は60.52~115.04㎡、予定最低価格帯は6,500万円台~予定最高価格帯は11,500万円台(最多価格帯6,700万円台)、予定坪単価は320万円。竣工予定は2021年11月中旬。設計・監理は陣設計。施工はファーストコーポレーション。販売代理は伊藤忠ハウジング。

 現地は、等々力緑地、小杉神社に隣接する一戸建てや中層マンションなどか建ち並ぶ住宅街の一角。中原小学校、川崎市公文書館に近接。バス停まで徒歩5分。

 従前敷地は賃貸マンションで、建物は東西軸が長い敷地形状を生かし東西に分割。それぞれエレベーターを配置した「Wコア」とし、6か所に「ヴォイドガーデン」や吹き抜けを設置することで角住戸比率を高め、外壁には御影石や左官仕上塗材を多用しているのが特徴。

 標準階の住戸プランは南向きが8戸と北向きが7戸。間口は最低でも8m以上、多くは10m超のワイドスパンで、最上階の4戸は6.5㎡の「+HANARE Private」付き。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2450~2550ミリ、ディスポーザー、食洗機、御影石キッチン・洗面カウンター、グローエ水栓など。共用施設として入居者が自由に使用できる「+HANARE Common」4室(各4㎡)とゲストルームとしても利用可能な「+HANARE Share-an」1室(15㎡)付き。

 販売を担当する伊藤忠ハウジング藤本一輝氏は「来場者の方は最初価格に驚かれますが、等々力緑地に隣接する立地、武蔵小杉駅まで徒歩時間を含めて14分、設備仕様レベルの高さをアピールしていく」と話した。

hall_pc.jpg
エントランスホール

scenic.jpg
115㎡のMrタイプ

private.jpg
+HANARE Privateイメージ図

◇       ◆     ◇

 このマンションは、同社が開設した「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」を取材したとき話題となった。「坪単価は300万円を超えないでしょ」と質問したら同社都市住宅本部都市住宅事業第一部都市住宅事業第二課・高栁勇斗氏は「坪単価は300万円を突破する」と答えた。

 随分強気だなと感じたが、モデルルーム、現地を見学してこの価格設定が理解できた。敷地の東側は立派な神社の緑で、北側は樹高20mくらいのヒマラヤスギやイチョウ並木で、その先は等々力緑地のテニスコート、川崎フロンターレが本拠とする競技場などが広がっている。ファンにとってはたまらない魅力だろう。設備仕様レベルも間違いなく坪300万円超にふさわしいものだと思う。

 プランがまたいい。「ヴォイドガーデン」は、最近はコスト削減のためかほとんど見られなくなった昭和50年代後半からデベロッパー各社が競って採用した「ボイド」「ライトコート」「吹き抜け」と同じものだ。今回の69㎡の北向き住戸は9.6mスパンで、採光部分は浴室も含めて7か所もある。

 「+HANARE」について。「離れ」そのものは珍しいものではないが、今回は専有部だけでなく、入居者が利用できる個室5室を全体で47戸のマンションに設置したことに意味がある。

 読者の皆さんは、新型コロナ対策として採用したと考えるかもしれないが、そうではない。同社は2019年夏に周辺居住者にアンケート調査を行い、「離れ」に魅力を感じている人が67%(有効回答:400)に達したのを受けて採用したとしている。

 このような同社の時代を先取りする商品企画力は今に始まったことではないが、記者はうなってしまった。最上階の115㎡の1億円超の住戸は12か所に窓・採光部があり、98㎡プランも玄関を入った正面に吹き抜け空間があり、採光窓は7か所ある。

 武蔵小杉駅圏では決まっているものだけで今後千数百戸のマンションが分譲される。坪単価は400万円を超えつつあり、ひょっとすると500万円台になるかもしれない人気エリアだ。今回の同社の物件は消費者がどのような反応を見せるか注目したいマンションだ。

 参考。同社は「クレヴィア山吹神楽坂」でも同様の「+HANARE」を採用している。ここではしシャワールームのみで、浴槽分(0.5帖)をその他のスペースに充てた22㎡のプランもある。神楽坂は坪500万円以上が相場だ。浴槽代はいくらか分からないが、0.5帖は125万円に相当する。掃除代も節約できる。(記者も冬場しか浴槽につからない)

◇      ◆     ◇

 小生が書いた後だが、不動産流通研究所のWeb「R.E.port」に伊藤忠都市開発のプレス・リリースのコピペではない、現場取材したと思われる「クレヴィア小杉御殿町」の記事が同じ日に掲載された。

 小生の記事よりうまくまとめられているかもしれない。同社の了解を得たのでURLを添付する。

緑地隣接の住環境、多面採光の住戸に高評価(2020/10/28)

IMG_8418.jpg
現地(右側が小杉神社)

IMG_8420.jpg
現地(右奥のブルーぶぶんが建設現場)

これは凄い ホテルなら5つ星 伊藤忠都市 「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」(2020/9/10)

「頭のよくなるマンション」伊藤忠都市開発が埼玉で分譲(2006/11/7)

カテゴリ: 2020年度

424ad256-a48d-4d27-8772-f35843b6cc1b.jpg
「浜松町ビジネスマンション敷地売却組合」事業計画

 三井不動産レジデンシャルは10月26日、築47年の港区・浜松町の投資用マンションの「浜松町ビジネスマンション敷地売却組合」から敷地売却を受け、10月23日に解体工事に着手し、18階建て102戸の分譲マンションを建設すると発表した。

 2014年に改正された「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」に定める「敷地売却制度」を港区内で初めて活用するのと、「容積率の緩和特例制度」を活用するのが特徴。

 敷地売却制度は、耐震性が不足し、特定行政庁から要除却認定を受けたマンションを対象に、区分所有者、議決権及び敷地利用権の持分価格のそれぞれ5分の4以上の同意を得て、マンション敷地売却組合を設立し、都道府県などの認定を受けた買請人(デベロッパー)に売却できる制度。デベロッパーは取得した土地をどのように利用するかは自由なのが特徴の一つ。

 これまで全国で25件が認定され、このうち10件(千代田区3件、中野区、北区、新宿区、船橋市、港区2件、福岡市=2020年4月現在)が組合設立認可を受けている。

 組合設立認可を受けた同社の案件は2件目で、もう1件は千代田区三番町の1971年竣工の「麹町三番町コンド」(20戸)。

 「容積率の緩和特例制度」は、現行の耐震基準に満たないため、除却の必要性があると認定を受けたマンションを建て替える際に特定行政庁が許可した場合は容積率が緩和される制度。今回は400%が600%に緩和される模様。

 同社は「本マンションは主に投資用物件のため、権利者様の多くが賃貸に出され全国各地に居住されており、合意形成が難しいという側面もありましたが、理事会のご努力の結果権利者様にご理解いただき、各種相談・手続きについて港区に迅速に対応いただいたことで、今般の解体工事着手に至りました」とリリースしている。

 「浜松町ビジネスマンション」は、JR浜松町駅から徒歩6分、ゆりかもめ竹芝駅から徒歩2分、港区海岸一丁目に1973年に竣工した9階建て総戸数154戸の、住戸の9割以上が約12㎡の投資用マンション。建替え後は容積率約600%(現400%)を前提に、地上18階地下1階建、総戸数102戸の分譲マンションとなる。2023年11月の竣工を予定している。

 2014年3月に建替え推進決議(同社が事業協力者として参画)、2018年2月に港区より除却の必要性に係る認定(要除却認定)を取得、2019年10月に敷地売却決議、2020年3月に容積率割増許可、敷地売却組合設立認可、2020年10月に分配金取得計画の認可を受けた。

カテゴリ: 2020年度

rdncImg1.jpg
「パークホームズLaLa南船橋ステーションプレミア」 

 三井不動産レジデンシャルが分譲中の「パークホームズLaLa南船橋ステーションプレミア」を見学した。JR京葉線南船橋駅から徒歩3分の全231戸で、8月から販売を開始しており、これまで約100戸を成約。大激戦の京葉線で順調なスタートを切った。駅前の約45,242㎡の船橋市有地の再開発も三井不動産グループに決定するなど、人気化するのは必至だ。

 物件は、JR京葉線南船橋駅から徒歩3分、20階建て全231戸。専有面積は58.64~77.72㎡、現在販売中の住戸(6戸)の価格は3,688万~4,968万円(最多価格帯4,100万円台)。坪単価は204万円。竣工予定は2022年1月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。

 現地は、南船橋駅から徒歩4分(動く歩道を通れば1~2分)の京葉線線路際の三井不動産の所有地。道路を挟んだ対面は「IKEA-TOKYO-BAY」、徒歩4分に「ららぽーとTOKYO-BAY」、徒歩6分に「三井不動産ロジスティクスパーク船橋」。

 駅前の市有地約45,242㎡の再開発計画も今年2月、「公募型プロポーザル方式」に応募した2者の中から三井不動産グループが圧倒的な差をつけ選定された。詳細は未定だが商業、物販、飲食、サービス、公園のほかマンションも2棟(高さ規制40m)も建設されることが決まっている。

 建物は南向きで、70㎡台のファミリータイプが中心。京葉線線路の騒音対策としては北側窓と角住戸の東側・西側は二重サッシを採用している。

 販売を担当する同社千葉支店営業部主査・井狩青太氏は、「7月からスタートし、8月に第一期67戸を供給しました。当初は来場を制限しており、周辺の中古相場が120~150万円というエリア特性も手伝っていま一つの動きだったのですが、その後、都内城東エリアでも坪単価は300万円をはるかに上回っていることからどんどん人気が上昇し、現在は約100戸の成約。極めて順調に進捗しています。駅前も三井不動産グループの再開発計画が決定。将来が楽しみな街です。千葉支店の他の『柏の葉』『柏』『海浜幕張』もみんな好調です」と話している。

◇       ◆     ◇

 この物件は今年2月、三井不動産「MFLP船橋&GATE」内にオープンした「MFLP  ICT  LABO 2.0」を取材した際、建設地に看板が掛かっていたので知った。記事には「坪単価は200万円を下回ることはない。坪210万円はどうだろう。この単価だったら70㎡で約4,500万円。そんなに的を外していないはずだ。同社は高値追求をしないと読んだ」と書いた。坪単価は平均204万円というからどんぴしゃりということか。

 現在は駅前の商業施設は乏しいが、三井不動産の複合再開発も決定したので様変わりするはずだ。「ららぽーと」「IKEA」にも近く、船橋競馬場もある。

 京葉線では計画戸数を含め7,000戸をはるかに超える大量のマンションが分譲中だが、それぞれ駅からの距離、単価の違いなどもあり競合より相乗効果のほうが大きいのではないか。

 駅からの徒歩時間について。不動産公取協の広告表示規約では徒歩時間は80mを1分として計算し、「動く歩道」もただの歩道としてカウントされる。実際は1~2分で雨に濡れなくて駅に着くはずだ。「動く歩道」は三井不動産がJRの土地を賃借し整備したもので、同社が維持管理を行う。

IMG_8369.jpg
建設現場

実質10か月で300戸超の驚異的売れ行き 大和ハウス「プレミスト船橋塚田」(2020/10/20)

坪245万円に納得 コロナ禍で半分以上を成約 三井不動産レジ「柏タワー」(2020/9/7)

〝タカラの宝〟進化する高荒モデル 圧倒的な人気「レーベン検見川浜」(2020/10/9)

人の100倍働く年収500万円ロボット! 三井不 日本初の物流ICT体験型ショールーム(2020/2/13)

カテゴリ: 2020年度
 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン