明和地所 設立35年周年「片瀬江ノ島」大人気 隣接地には35年前竣工の大京の物件
「クリオ湘南江ノ島グランマーレ」
明和地所が分譲中の「クリオ湘南江ノ島グランマーレ」のモデルルームを見学した。分譲単価は平均で片瀬江ノ島圏最高値の420~430万円にのぼるとみられるが、9月24日の販売開始から3週間後の10月14日現在、全分譲住戸65戸のうち55戸が販売済みで、残り10戸と絶好調。
物件は、小田急江ノ島線片瀬江ノ島駅から徒歩4分、江ノ島電鉄江ノ島駅から徒歩3分、藤沢市片瀬海岸一丁目の商業地域、第三号境川緑地、第三号鵠沼風致地区に位置する敷地面積1,510㎡、13階建て全67戸。10月下旬に販売予定の第2期(5戸)の専有面積は55.04~111.01㎡、予定価格は55㎡の住戸が4,900万円台(坪単価294万円~6,300万円台(同378万円)、100㎡は14,000万円台(同462万円)~17,000万円台(同561万円)。竣工予定は2023年3月下旬。設計は共同エンジニアリング。施工は三井住友建設。
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同社のプレス・リリースをコピペした記事では「人気必至」と書いたが、その通りだった。
いかに凄いか、販売担当の同社クリオ ライフサロン湘南主任・齋藤雄太氏の言葉をそのまま紹介する。
「この2か月間で来場者は400~500件。3LDKはほぼ完売。残っているのは2LDKとプレミアム住戸の5戸のみ。購入者は実需とセカンドハウス用が半々。約8割が都内の方。年代は20代から70代まで幅広く、二拠点居住を考えていらっしゃる方も多く時代の流れにマッチしているのが人気の要因。富士山ビューの境川側もオーシャンビュー側も風致地区に指定されているので、眺望が担保されているのも評価されています。
用地は、仕入れ担当がアパート、商店など7つをまとめたものです。2年前の段階で一度、コンパクトを計画していたのですが、その後、隣接する用地を取得できたので、当社の35周年記念物件として供給するようになりました。
私は入社8年目ですが、こんなに人気の物件を担当するのは初めてです。『元町』? 『元町』も早期完売しましたが、私は担当していません。『ZEHの綱島』? 『三河島』? これらも完売。いま完成在庫はひとつもありません」
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隣接地には、記者も取材したことがある1986年2月竣工の「ライオンズマンション片瀬江ノ島」(77戸)が建っている。現地に並んだ人がたくさんいたような記憶がある。
この物件の用地を取得し、販売したのは当時の大京のドル箱だった横浜支店だ。その横浜支店を最強の部隊に育て上げたのは当時専務取締役だった故原田利勝氏だ。
原田氏は1985年末に〝石もて追われるように〟(異説はあるが)大京を退社、翌1986年4月に明和地所を設立した。原田英明現社長は高校生のころだ。記者は会社を設立する2か月前のみぞれ交じりの寒い日、原田氏の腹心で、横浜支店長を経て当時北海道支店長だった高杉仁氏にインタビューしたことがある。〝鬼の目にも涙〟-横浜駅に近い喫茶店で、高杉氏は目を真っ赤にし、ほろほろと涙を流したのをよく覚えている。
あれから35年。これも何かの縁か。原田現社長も大喜びしているに違いない。よくぞこのような片瀬江ノ島の一等地をよく取得できたものだ。記者が社長だったら用地担当をはじめ全社員に金一封を贈る。
書き忘れた。2~9階のAタイプの75㎡の3LDK(8戸)は人気になるのは当然の8100ミリのワイドスパンで、10階以上の100㎡超のプレミアム住戸は設計変更に対応するのもいい。
バブルだ すさまじい中古マンションの値上がり レインズの9月のレポート
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は10月11日、月例速報Market Watchサマリーレポート(2021年9月度)を発表した。
首都圏の9月の中古マンションの成約件数は3,176件で前年同月比4.6%減少し、3か月連続で前年同月を下回った。成約価格は3,985万円で前年同月比7.9%上昇、専有面積は64.13㎡で前年同月比2.8%減少した。
新規登録件数は13,637件(前年同月比7.0%減)で、2019年9月から25か月連続で前年同月を下回った。在庫件数は34,742件(同15.5%減)となり、22か月連続で前年同月を下回った。
成約坪単価は205.0万円(同11.0%増)となり、20年5月から17か月連続で前年同月を上回った。新規登録坪単価は220.0万円(同15.4%増)。在庫坪単価は226.4万円(同13.9%増)と44か月連続で前年同月を上回った。
中古戸建ての成約件数は1,225件(同5.0%減)、新規登録件数は4,025件(同20.1%減)、在庫件数13,389件(同29.8%減)となった。成約価格は3,487万円(同9.8%増)となり、11か月連続で前年同月を上回った。
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記者は中古市場のことはよく分からないが、成約件数、新規登録件数、在庫が減る一方で、坪単価は成約、新規登録、在庫のいずれの段階でも上昇しているのは市況が低迷しているというよりは、先高観を反映している結果だ。かつてのバブル時と同じように、実需のほかに買い取り業者の介在が見え隠れする。〝中古マンションにバブル発生〟という見方はそんなに的外れでないと思うがどうだろうか。
レインズの地域別成約単価にそれは見て取れる。東京都区部は306.4万円(前年同月比12.4%増)で17か月連続、多摩は148.3万円(同4.5%増)で7か月連続、神奈川県の横浜・川崎市は184.5万円(同13.9%増)で16か月連続、神奈川県他は123.1万円(同12.7%増)で10か月連続でそれぞれ前年同月を上回った。
また、埼玉県は124.1万円(同11.6%増)で16か月連続、千葉県は113.1万円(同10.7%増)で14か月連続でそれぞれ前年同月を上回った。
これらを新築と比較すると、都区部は7掛け、多摩は6掛け、横浜・川崎は6.5掛け、神奈川県他、埼玉、千葉などは半値から5.5掛けくらいだ。
これをどう見るかだが、上昇率はすさまじい。都区部は都心と準都心、城東・城北エリアで単価水準はかなり差があるので、もう少しエリア別に分析しないと何とも言えない。都心3区は坪400万円をはるかに上回っているようだ。
多摩や横浜・川崎はいい水準だと思う。このほかの神奈川県他、埼玉、千葉は新築なら土地代がただでも建たない単価水準だ。かなり割り負けしていると思えるが、これももう少しエリア別にみる必要がありそうだ。
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かつてバブルの発生時は、中古マンションが市場をリードした。マンション転がしという言葉が流行ったころだ。買い取り業者が中古マンションを買い漁り、2転3転どころか5転6転したのち最初に転売した業者に戻ってくると最初の価格より2倍以上に値上がりしているのは日常茶飯だった。億ションの代名詞の「広尾ガーデンヒルズ」の坪単価はバブルが弾ける直前には3,000万円まで跳ね上がった。
新築はどうかというと、国土法の監視区域指定により一定面積以上の取引は届け出制になっており、価格上昇にブレーキが掛けられていたが、それほど効果を発揮しなかった。抽選が義務付けられていたいわゆる公庫融資付きマンションは、当選する確率を上げるため路上生活者を雇って販売事務所に並ばせるところもあった。競争倍率は軒並み数十倍に達した。公庫付きでない物件は、分譲開始とともに業者が買い占め、一般の手に渡らない事例が続出した。
現在の中古マンションはどうか。いわゆる〝ヴィンテージ〟マンションの売り出し価格をいくつか調べてみた。
記者が億ションの最高峰とみている「麻布霞町パークマンション」は最高値で坪1,543万円の値が付いている。2016年分譲の三井不動産「パークマンション檜町公園」の1戸55億円に抜かれるまで、わが国の最高値マンションだった1戸44億円の「ドムス南麻布」は坪945万円となっている。記憶は確かでないが、この物件は国土法違反で告発されたのではなかったか。売主の大建ドムスは届け出しなかったはずだ。パンフレットを当時の社長からこっそり見せてもらった。当時の坪単価で3,000万円を突破していたような気がする。
このほか、さすがというべきか「広尾ガーデンヒルズ」は坪904万円だ。「虎ノ門ヒルズ」は坪1,607万円、「パークコート千代田富士見」は坪1,199万円、「ワテラス」は坪949万円、「パークマンション三田綱町」は955万円、「パークタワー浜離宮」は坪832万円、「ウェリス代官山」は1,031万円、「パークコート青山」は坪1,177万円、「プラウド白金台」は坪905万円などとなっている。
1991年(平成2年)竣工の「有栖川ヒルズ」の坪2,947万円に抜かれるまで、わが国の新築高単価マンションナンバーワンだった1988年(昭和63年)竣工の坪2,913万円だった「ドムス南青山」は最高値で坪621万円だ。
記者は、そんなにいい物件だと思わなかった「有栖川ヒルズ」を除きみんな納得の価格だ。(「虎ノ門ヒルズ」は見ていないが、まだ安いのではないか)
眺望抜群 坪単価500万円超でも人気か 積水ハウス初のコンパクト「浅草花川戸」
「グランドメゾン浅草花川戸」
積水ハウスが11月上旬に分譲する「グランドメゾン浅草花川戸」を見学した。浅草駅から徒歩4分、同社初と思われるコンパクトマンション全25戸で、目の前が隅田公園-隅田川-スカイツリーという希少立地から坪単価は500万円超となるが、一挙販売になる可能性が高い。
物件は、東京メトロ銀座線浅草駅から徒歩4分、都営浅草線浅草駅から徒歩7分、東武伊勢崎線浅草駅から徒歩3分、台東区花川戸1丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率600%)に位置する14階建て全25戸(事業協力者住戸3戸含む)。専有面積は40.52㎡(2戸)・50.46㎡(20戸)、第1期(戸数未定)の価格は6,000万円台~8,600万区円台。坪単価は505万円の予定。竣工予定は2022年6月。設計・監理は別所浩司建築研究所。施工は日本建設。
現地は、銀座線浅草駅から徒歩4分×隅田公園近接物件は過去26年間でわずか1物件しかないという希少立地で、道路を挟んだ正面に徒歩1分の隅田公園があり、隅田川-スカイツリーが展開する。隣接地に東京地下鉄の無人変電所ビルが建設されるが、電磁波の影響を受けないことが確認済みという。浅草寺は徒歩5分、東京スカイツリーは徒歩14分。
建物は1フロア2戸構成で、全戸角住戸、内廊下方式、両面バルコニー、全戸南東向き。分譲対象の住戸は3階の1LDK2戸と4階以上の2LDK20戸。主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2500ミリ、Low-E複層ガラス、メーターモジュール廊下、「スマートUD」、24時間換気の「エアキス」、全戸浴室窓付きなど。
販売担当者は「当社には珍しい(初ではないか)コンパクトですが、基本スペックは『グランドメゾン』にこだわって仕上げています。坪単価は505万円を予定していますが、反響はとてもよく第1期で全て供給し、一挙に完売になる可能性が高いとみています」と語った。
完成予想図
建設現場(助六夢通りから)
模型(隅田川方面から)
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坪単価には正直驚いた。コンパクトでリバービューの立地からして坪単価は400万円を突破するのは間違いなく、ひょっとしたら人気になった東京建物「Brillia上野Garden」の430万円を超え450万円くらいではないかと予想した。
ところが、担当者によると上野・浅草駅圏の主だった中古マンションは軒並み坪500万円を突破しているとのことだった。
以前、浅草のマンションを見学したとき、隅田川花火を見物するためにマンションを購入するお金持ちがいたのを思い出したので、そのような層の購入希望者が多いのかと聞いたら、「花火は一部の住戸からしか見えません。花火は〝売り〟にしていません」ということだった。
新築もそうだが、このところ都心部の中古マンションがすさまじい勢いで上昇している。浅草で500万円とは…。モリモトの駅から少しある「ピアース浅草」も残り1戸だそうだ。
浅草寺
「緊急事態宣言が解除されて六区が大変賑わっている」と聞いたので夜7時ころ寄ってみた。この日は朝10時に朝食をとってからコーヒー2杯とお茶しか飲んでいなかったので、どこかで一杯と考えたが、ぐっとこらえ、いつものようにコンビニでおにぎり1個と缶ビールを買って路上飲みした。
大激戦の「築地」尻目に空白区で圧勝か 東京建物「Brillia上野Garden」(2019/11/11)
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坪単価は600万円台後半 モリモト「ピアース渋谷」 一般分譲30戸のうち第1期は19戸
モリモトの「ピアース渋谷」の販売が9月30日から始まった。「渋谷駅桜丘口地区」と「ネクスト渋谷桜丘地区」再開発事業地やセルリアンタワー東急ホテルに近接することから販売価格・売れ行きが注目されたが、坪単価は700万円に届かなかった模様で、第1期の分譲戸数は一般分譲の30戸のうち19戸に達することから好調に推移しそうだ。
物件は、JR渋谷駅から徒歩7分、渋谷区桜丘町の商業地域(建ぺい率80%、容積率427.80%)に位置する敷地面積約594㎡の全67戸。第1期の販売戸数は19戸で、専有面積は27.66~69.33㎡、価格は5,430万~17,000万円(最多価格帯5,400万円台)、坪単価は600万円台の後半とみられる。竣工予定は2022年11月下旬。施工は日本国土開発。
全67戸のうち同社友の会会員住戸が10戸、募集対象外住戸が27戸で、一般分譲は30戸。コンパクトタイプが大半。
今年6月に現地を見学したときは、「最上階は坪800万円もありうるが、平均坪単価は最低で650万円、アッパーで坪700万円と読んだ」と書いたが、ほぼ的中したようだ。
坪単価700万円とみたが…渋谷駅桜丘口再開発に近接 モリモト「ピアース渋谷」(2021/6/15)
野村不動産 駅東口徒歩3分の大規模複合「川口」(全481戸)モデルオープン
「プラウドタワー川口クロス」
野村不動産は9月30日、JR京浜東北線駅から徒歩3分の大規模複合再開発「プラウドタワー川口クロス」のモデルルームを10月2日(土)から完全予約制でオープンすると発表した。事前エントリー数は3,500件を超えており、オンラインでの案内会も開催予定という。
物件は、JR京浜東北線川口駅から徒歩3分、川口市栄町三丁目に位置する敷地面積約9,069㎡、地上28階・地下2階建て全481戸(非分譲住戸31 戸含む)。専有面積は46.63~115.77㎡。竣工予定は2023年2月下旬。施工は前田建設工業・埼和興産共同企業体。
建物の1~3Fを商業フロアとし、医療施設、子育て支援施設など約30店舗の入居を予定。「都市型コンパクトタウン」の街づくりを推進しており、敷地の外に出なくても生活に必要な買い物環境・施設が揃う安心で利便性の高い住環境を提供する。
また、物件は川口駅前に位置する川口銀座商店街「樹モール」と隣接しており、同物件の商業フロアとの相乗効果や、敷地内に川口駅方面から東西に通り抜け可能な敷地内通路を設置することで、駅前エリアの新たな賑わいの創出を見込んでいる。
駅距離・準工のハンディものともせず ポラス中央住宅「柏」全196戸ほほ完売
「ルピアグランデ柏」エントランス
ポラスグループの中央住宅は9月28日、「ルピアグランデ柏」のメディア向け完成見学会を行った。販売開始は昨年7月からで、これまでに全196戸のうち188戸を成約。坪155万円という圧倒的安さと、価格に見合う価値以上の提案が奏功、駅から徒歩15分と準工立地のハンディをものともしなかった。
販売代理の長谷工アーベスト、同社関係者らの説明によると、駅からやや距離はあるもののイオンモールへ徒歩3分の立地、敷地面積10,000㎡超に〝西海岸のリゾートを創る〟をコンセプトに、戸建てとマンションの複合開発とし、共用部分にヤシやソテツなどをふんだんに用い、マンションは70㎡超、ピアキッチン設置比率45%、ディスポーザー、食洗機、リビング天井高2440ミリ以上などの設備仕様レベルが高い評価を得たという。
これまでの来場者は約750組。〝柏にリゾートが現れた〟と評判になったという。
残り8戸はリノベーション研究・開発のため敢えて残し、モデルルームとして模様替えし来年1月に販売する予定。
エントランスの植栽
インナーガーデンの植栽
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記者は昨年10月に行われた記者発表会の記事で「感動の金児氏vs宮崎氏トーク」と絶賛した。その記事と一緒に読んでいただきたい。もう何も言うことはない。
完成した建物を見て、植栽の見事さはどこにも負けないと思った。総延長500mの「ウエストコーストアベニュー」(敷地延長部分)に植えられていたヤシの木14について冗談半分で「このヤシはいくら」と聞いたら、同社マンションディビジョン課長・湯村元昭氏は「高さが8m超は1本85万円、6mのほうは1本45万円」ときちんと答えた。これだけで710万円だ。こんなことをするデベロッパーはまずない。
共用部分や専有部分の仕上げは、坪単価155万円であることから〝さもありなん〟と納得したのだが、この単価でこの水準のマンションを分譲できるのは奇跡に近い。今は、郊外マンションでも3LDKは20坪そこそこで、ショートスパン、床暖房、食洗機、ディスポーザーなしが当たり前で、それでも坪単価170万円以下はありえないと思う。
どうしてこんな奇跡的な安値で分譲できるのかが唯一の疑問だったのだが、その謎が解けた。坪単価155万円(消費税込み)の建物価格と土地価格の比率は75%:25%であることを同社担当者は明かした。
早速計算した。坪当たりの建物価格は155万円×75%=116.3万円で、土地価格は155万円×25%=38.8万円だ。ただし、建物価格には消費税率10%の値段が積み上げられているので、実質的な建物価格は116.3万円-(116.3×10%)=104.7万円となる。
この建物価格でこの水準の設備仕様レベルを確保できるのは不思議だが、やはり謎解きの解は仕入れ値の安さにある。1種坪38.8万円という土地価格は首都圏では最低ラインのはずだ。同社がこの土地を取得したのは2018年12月だ。入札だったが、同業他社は駅からの距離、準工立地などに腰が引けて応札できなかったのだろう。
参考までに紹介するが、記者は「HALUMI FLAG」の坪単価は250万円が妥当と書いてきた。その根拠は、事業者が土地を1種(容積率100%)8万円という値段で取得したからで、実際の「HALUMI FLAG」の土地価格と建物価格の割合は「7:93」となっている。今回の「柏」の「25:75」と比較していただきたい。「柏」の土地価格の割合はかなり低いが、「HALUMI FLAG」は桁違いだ。その異常さが見えてくるはずだ。
戸建て購入者も利用できる木造の集会所(庭には50m掘り下げ、飲料にもなる井戸がある)
集会室内部
感動の金児氏vs宮崎氏トーク 全196戸のポラス「柏」3カ月で100戸成約(2020/10/10)
選手村裁判 開発法による鑑定手法が適法なら当初の坪単価250万円は妥当(2021/9/19)
「HARUMI FLAG」 土地と建物の価格比率は調整区域並みの7:93 算定は妥当(2019/9/30)
明和地所 江ノ島の一等地で67戸 億ションの100㎡超プレミアム住戸も16戸
「クリオ湘南江ノ島グランマーレ」
明和地所は9月22日、「クリオ湘南江ノ島グランマーレ」を9月24日(金)から販売開始すると発表した。小田急線片瀬江ノ島駅から徒歩4分の全67戸で、オーシャンビュー&富士山の眺望が期待できる江ノ島の一等地であることから人気は必至だ。16戸用意した100㎡超は同駅エリアでは19年ぶりという。坪単価は400万円を突破するか。
物件は、小田急江ノ島線片瀬江ノ島駅から徒歩4分、江ノ島電鉄江ノ島駅から徒歩 3 分藤沢市片瀬海岸一丁目の商業地域に位置する地上13階・地下1階建て全67戸。専有面積は55.04~111.01㎡。第1期(30戸)販売価格は4,353.2万~17,998.3万円(最多価格帯7,500万円台)。竣工は2023年3月下旬。設計は共同エンジニアリング。施工は三井住友建設。デザイン監修はウイ・アンド・エフヴィジョン石倉雅俊氏。
現地は、小田急線と江ノ電・江ノ島駅のほぼ中間。メイン通りに面しており、境川がすぐそば、片瀬江ノ島海岸-江ノ島から富士山も眺望できる絶好の立地。三方道路に接道。建物は内廊下設計。
住戸プランは、標準階フロアは東向きのオーシャンビュータイプが3戸と富士山ビューの西向きが3戸の6戸構成。角住戸は1フロア4戸。100㎡超のプレミアムプランは16戸。ロングボードにも対応した洗い場付きサーフボード置場、Wi-Fi対応のオーナーズラウンジを備える。
主な基本性能・設備仕様は、食洗機、ディスポーザー、二重床・二重天井、インテリアを好みに合わせて自由に設定できるセレクトシステム「conomi(コノミ)」、バルコニースロップシンクなど。
同社の建設担当者は「江ノ島の風景と美しく調和するアースカラーを基調として低層部と上層部のデザインに動きをつけ、エントランスアプローチは、ロートアイアンの門扉と木目調のキャノピーが海辺の邸宅らしさを演出し、エントランスホール脇のラウンジは水盤と緑に彩られたテラスと一続きの空間となり、リゾートのような寛ぎの時間を過ごしていただけるよう計画。各住戸プランは、オーシャンビューが中心で、もうひとつのリビング空間として江ノ島の海を間近に感じられる2m幅のバルコニーを設えています」とコメントしている。
水盤ラウンジ
集会室
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現地は今年6月に確認済み。海好きにはたまらない立地だ。第1期の分譲戸数が30戸と全住戸の半分近いということからも人気になりそうなことがうかがわれる。
坪単価は問い合わせ中だが、平均で300万円を突破しそうだ。機会があったら見学してレポートしたい。
モデルルーム
バブル時 坪450万円⇒リノベ 坪211万円 コスモスイニシア「湘南タワーズ」分譲(2021/6/10)
エリアの最高値更新へ 三菱地所レジ コンパクト&ファミリー「赤羽」
「ザ・パークハウス 赤羽フロント」
三菱地所レジデンスは9月17日、「ザ・パークハウス 赤羽フロント」のメディア向け内覧会を行った。赤羽駅から徒歩3分の全70戸で、分譲対象62戸のうち30~40㎡のコンパクトが42戸、60㎡台のファミリーが20戸。駅西口から徒歩3分のマンション分譲は16年ぶりとのことで、生活利便施設も整っていることから、赤羽駅圏では過去最高値の坪単価400万円を突破する可能性が高いと読んだ。
物件は、JR赤羽駅(西口)から徒歩3分、北区赤羽西1丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率500%)に位置する14階建て全70戸(募集対象外住戸8戸含む)。専有面積は30.00~67.58㎡、価格は未定だが、坪単価は400万円を突破する可能性が高い。販売開始予定は2021年11月下旬。竣工予定は2023年1月下旬。施工は村本建設。
現地は、エキュート赤羽、専門店街・ビーンズ赤羽、イトーヨーカドー、ショッピングセンター・ビビオ、赤羽アピレの5つの大規模商業施設や、隈研吾建築都市設計事務所が設計を担当している東洋大学赤羽台キャンパス、1962年(昭和37年)竣工のUR都市機構「赤羽台団地」(3,373戸=順次建て替え中)に近接。
敷地は、幅員約20mの南道路に接道。建物はL字型で、専有面積63~67㎡の北東・南西向きが20戸、30~40㎡台の南西・北西向きが42戸。主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、食洗機、リビング天井高2450~2500ミリなど。共用部にはwi-fi機能を備えたラウンジスペース、ワークスペースを設置し、専有部にもwi-fi機能を整備する。
スマートフォンとインターネットを通じて自宅の様々な機器を連動させる「IoT設備」を導入。外出先から電気錠、エアコン、照明器具、風呂のお湯はり、床暖房などを制御できるようにしている。
サブスクリプションサービス「CLAS」と提携し、同社初の家具・家電のレンタルサービスを提案。家族構成やライフスタイルなどに合わせたり、季節家電を必要な時に借りたりするなど「入れ替える」暮らしや収納の省スペース化が行えるようにしている。また、一箱月額110円で利用できる宅配型収納サービス「サマリーポケット」も利用できる。リビングと洋室の間にLIXILの「デコマド」を初めて採用している。
反響は、この2か月間で1,000件を突破しており、地元3割のほか23区全域からの反響があるという。年代は30~40代が中心。
販売を担当する同社第一販売部販売第二グループ チーフ(販売所長)・益賀夛綾子氏は、「公園が多く、何でも揃う、何でもできる街。赤羽駅圏では販売予定も含め6物件あり、価格は坪340~400万円前後。当社の価格は未定ですが、これらの物件価格を勘案して決めたい」と語った。
モデルルーム(洋室、正面の窓が「デコマド」)
ワンルームタイプのハーフモデル
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最大の関心事、坪単価について。販売事務所に着いたら、高校が一緒の後輩記者が隣にいたので、先輩風を吹かせようと「見学会では坪単価がいくらになるか予想が当たるようにしないといけない。私は坪単価380万円くらいではないかと読んだ」と話した。ところが、配布資料をみると、前段で書いたようにコンパクトの割合が多いではないか。なので、坪単価400万円でも人気になり完売したタカラレーベンのコンパクトマン「ネベル赤羽」を思い出し、「ひょっとすると坪400万円もあり、立地からして上回る可能性もある」と訂正した。
益賀夛氏は、単価について明言を避けたが、顔には〝立地、設備仕様レベルはうちのほうが高いわよ〟と書いてあった。赤羽駅圏の最高値を更新する可能性は高い。
しかし、高いか安いか、記者はコメントしない。決めるのは検討者だ。ただ、東口の飲み屋街「一番街」は昭和40年代、50年代のレトロな雰囲気が残っている、飲兵衛にはたまらない街だ。コロナが収まったら、「お父さん、頑張ってね」と声を掛けてくれた店に行ってみよう。彼女はコロナから逃げきれただろうか。
蛇足だが、アルヒの「本当に住みやすい街」は信じないほうがいいと思う。「赤羽」は2020年では「川口」に次いで第2位だったのに、2021年には姿を消した。この1年間に赤羽が劇的に変わったことは断じてない。
建設現場
三菱地所レジ マンション単価もバブル後最高値更新 「神山町」は坪800万円台後半(2021/9/15)
エリア最高値圏でも人気 タカラレーベン コンパクト「ネベル赤羽 」(2020/12/18)
分譲戸建て御三家とは戦わない 都市部に人的資源移す 大和ハウス
大和ハウス工業は9月15日、2021年基準地価に関する記者レクチャー会を開催。マンション事業については同社マンション事業本部事業統括部部長・角田卓也氏、分譲戸建てについては住宅事業本部事業統括部分譲住宅グループ部長・本間生志氏、物流施設事業については建築事業本部営業統括部Dプロジェクト推進室室長・井上一樹氏がそれぞれレクチャーした。
角田氏は、首都圏市場について都心部も郊外部も引き続き需要は旺盛で、価格水準は高値で推移しており、用地仕入れ価格も上昇しており、入札案件では相場の1.2倍の価格で落札されるケースも出始めていると語った。
近畿圏もほぼ同様の傾向を示しており、用地取得状況は近畿圏でも賃貸事業者などとの競争が激化し価格が上昇。地方圏でも首都圏や近畿圏のデベロッパーの参入が相次ぎ、用地取得競争は激化していると話した。
本間氏は、首都圏の1億円超の3階建てを中心に販売は順調としながら、いわゆるパワービルダーの市場占有率が高い北関東などでは苦戦が続いていると語った。
井上氏は、同社の売上高4兆1,267億円(2021年3月期)のうちセグメント別売上高では賃貸住宅と肩を並べる23%に達していることから、今後も海外を含め積極的に展開していくと語った。
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同社のレクチャー会(勉強会)については記事にしてきたが、本間氏は北関東が地盤のケイアイスター不動産や、都心の3階建てを積極展開しているオープンハウス・ディベロップメントなどの具体的な社名を挙げ市場動向について語り、質疑応答の時間も約30分取るなど、他のハウスメーカーやデベロッパーのそれらとは全く異なる。本音で語ってくれるから参加のし甲斐がある。お三方をやり込める記者が現れないかと期待したのが、残念ながらそのような質問は飛ばなかった。記者のような行儀の悪い記者が少ないのは残念だ。
記者は、角田氏に「昨今のマンション価格上昇から、専有圧縮、天井高の低下などの基本性能の低下、設備仕様レベルダウンを差し引くと、実質的な単価上昇は年率にして10%以上ではないか」「『王子神谷』は坪単価260万なら飛ぶように売れると思いますが、そこまで安くならない、アッパー280~290万円でいかがでしょうか」「大激戦の『調布』の坪350万円はコンパクトですので納得します」などと質問した。
これに対し、角田氏は用地費や建築費の上昇が単価を引き上げている主な要因とし、基本性能・設備仕様レベルダウンとの因果関係については明言を避けた。また、「王子神谷」の価格は未定としながら「坪250~300万円」を匂わせた。「調布」については、「単価は安くはないが、女性を中心に反響は多い」と語った。(さっき届いた物件販売のプレス・リリースには、ダイニングテーブル、カフェカウンター、リモート用デスクにもなる多目的キッチンカウンター「Nimonal(ニモナル)」を採用しているとある。これは面白い)
本間氏には、記者は「そもそも建築単価が倍くらい違う分譲戸建て御三家とは争わないで、大手デベロッパーのように都市型に絞り、経営資源もそこに集中したほうがいいと思いますが、いかがでしょうか」とストレートを投げ込んだら、「仰る通り。当社も含め大手ハウスメーカーは互角に戦えない。人的資源を都市部に移すよう着手している」と直球で返してくれた。
記者は前回のレクチャー会の記事で「栃木県は飯田グループ・森和彦会長(4月1日付で名誉会長に就任予定)の出身県で、群馬県はケイアイスター不動産の本拠地だし、中古住宅買取再販最大手のカチタスも本社は群馬県桐生市だ。まるで価格帯が異なる。勝てるわけがない。戦っても現場が疲弊するだけだし、ブランド力の低下を招きかねない。あえて火中の栗を拾いに行くような愚を同社が犯すはずはない」と書いた。
都市型戸建てでは、オープンハウスも伸びてはいるが、一方で三井不動産レジデンシャルと野村不動産の二社は年間数百戸をコンスタントに供給しており、〝二強時代〟が続いている。ここに割り込むのは容易ではないだろうが、外野から眺めるわれわれ記者の立場からすれば、二強に挑戦状を叩きつけられない他のデベロッパー、ハウスメーカーは情けないと思う。
三菱地所レジ マンション単価もバブル後最高値更新 「神山町」は坪800万円台後半
「ザ・パークハウス グラン 神山町」(アルミルーバーが美しい)
三菱地所レジデンスは9月14日、同社のフラッグシップブランド〝ザ・パークハウス グラン〟の第7弾「ザ・パークハウス グラン 神山町」のモデルルームを報道陣に公開した。物件は、高級住宅街として知られる渋谷松濤・神山町エリアの希少な第一種低層住居専用地域に位置する敷地面積が約4,000㎡の大規模で、坪単価は同社物件のバブル後の最高値を更新する800万円台後半になる。モデルルームの一般公開は9月25日(土)から。分譲開始は10月上旬。
物件は、東京メトロ千代田線代々木公園駅から徒歩9分、東急東横線渋谷駅から徒歩11分、渋谷区神山町の第一種低層住居専用地域の敷地面積約4,031㎡に位置する地上3階地下2階建て全55戸(分譲対象外5戸含む)。専有面積は71.41~160.56㎡、坪単価は800万円台の後半の予定。第1期(9戸)の予定価格は29,000万円台~58,000万円台(専有面積118.74~160.56㎡)。設計・監理・施工は東亜建設工業。売主は同社のほか東急。デザイン監修はキュリオシティ。竣工予定は2023年11月中旬。販売開始は2021年10月上旬。
渋谷駅徒歩圏でありながら、高級住宅街として知られる松濤・神山町エリアの一角で、都心3区で全用途に占める割合は4.1%しかない第一種低層住居専用地域に位置し、しかも敷地面積が4,000㎡超という都心3区で過去3物件しか供給事例がないという希少性が最大の特徴。従前敷地は外国人向け賃貸住宅。
デザイン監修は渋谷を拠点に活躍する「GINZA SIX」などを手掛けたキュリオシティのグエナエル・ニコラ氏。「別荘in渋谷」をコンセプトに日本の美を意識した唯一無二の邸宅を目指す。外観は木調ルーバーを多用することで、コンクリートの存在をかき消す、周囲に調和するデザインとなっている。夜間にはライトアップすることで美しい風景を描き出す。
住戸プランはPP分離を意識した平均104㎡超で、テラス付き12戸、最上階ルーフテラス付き3戸を用意。キッチンはジ―マティック、リビング天井高2600ミリ、突板仕上げの面材多用、全居室天カセ実装、24時間全熱交換換気。個別設計変更(カスタムアイズ)にも対応。各種の予約・手配・取次・紹介サービスも行う。
見学会で同社第一計画部長・浦崎康弘氏は、「ザ・パークハウス グランとしては2019年に竣工した『南青山四丁目』に次ぐ7棟目で、1低層・渋谷区初。これまでのノウハウを生かした最高水準の物件に仕上げた」と語った。
エントランスアプローチ
ルーフバルコニー
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同社から見学会の案内が届いたとき、坪単価は1,000万円と予想した。松濤・神山町ではこのところマンションの供給はほとんどなく、お金持ちの垂涎の的であるからだ。浦崎氏は都心3区(千代田区・港区・渋谷区)の1低層の割合は4.1%と話したが、千代田区には1低層はゼロで、港区もわずか1ha(全用途に占める割合0.0%)しかなく、渋谷区の174.3ha(同11.5%)が都心3区の1低層のほとんど全てを占める。松濤・神山町はそんなエリアだ。
予想は外れたが、そんなに的を外したわけではない。敷地は北傾斜の比高差にして2層(6m)くらいの傾斜地で、建基法では地階に当たる北向き・西向きの70㎡・80㎡台の住戸の単価が低く抑えられているためで、上層階などは坪1,000万円を突破するはずだ。
平均で坪800万円台後半というのは、同社物件のバブル崩壊後の最高値だった2013年分譲の坪800万円の「ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵」(73戸)を超え、最高値を更新することになる。ちょうどこの日(14日)、東京株式市場の日経平均株価(225種)は3万795円まで上昇し、バブル崩壊後の最高値をつけた。
140㎡のモデルルーム リビング(34畳大、床は突板)
洗面浴室(久々にタオルウォーマーを見た)
茶室(モデルだからいいが、本物の茶室を提案してほしかった)
主寝室クローゼット(いかにも高価そうな衣服がたくさん下げられていた)
社内外で評価された三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵」(2014/7/22)