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「MARK IS 葛飾かなまち」(南西)提供:東金町一丁目西地区市街地再開発組合

 「東金町一丁目西地区市街地再開発事業」の参加組合員である三菱地所は8月27日、先に竣工した「CROSS KANAMACHI」の第1期の商業施設「MARK IS 葛飾かなまち」のメディア向け事前案内会を実施した。入居するのは食品に特化した「ヨークフーズ」をはじめ日常生活に欠かせない店舗やエンタメ&スクール、ファション&ライフスタイル、サービス&ケア、フードフロアなど50店舗。従前も敷地内にあった「金町自動車教習所」も4階に開業済み。〝ないものはない〟充実ぶりに記者は唖然とした。施設は9月3日にグランドオープンする。

 内覧会の冒頭、同社再開発事業部統括・山口義弘氏は再開発地域の概要や再開発に至った経緯などを説明。地域は三菱製紙中川工場が大正6年に建設され、平成15年に工場が閉鎖されてから工場跡地を中心に街づくりの検討が始まり、平成25年には東京理科大学が誘致され、マンションなどの大規模開発が進められてきた。

 再開発の都市計画決定は令和元年。組合設立は令和3年。再開発面積は約24,755㎡、延床面積は約159,310㎡(建ぺい率約75%、容積率約452%)。参加組合員は同社のほか三菱地所レジデンス、三井不動産レジデンシャル。

 街区名称「CROSS KANAMACHI」は、「金町駅周辺エリア」と「東京理科大学」、「葛飾にいじゅくみらい公園」の結節点として複数エリアが「クロス」する立地として、まちを活性化させる街区となることを目指し決定された。三菱地所の基幹商業施設ブランド「MARK IS」は静岡、みなとみらい、福岡ももちに続く4施設目。

 第1期の「MARK IS 葛飾かなまち」は鉄骨造5階建て延床面積約40,370㎡。用途は50店舗、自動車教習所、施設駐車場など。入館者は年間約500万人、年間売上想定は約100億円。

 今後、第2期工事として40階建てマンション約900戸、4階建て商業棟、公共施設などが令和12年(2030年)の完成目指し工事中。

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山口氏

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「PETEMO/Pet Plus」

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「だがし家かかし」

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3階フードコートイメージ_提供:㈱スペース

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赤ちゃん専用スペース付きフードエリア 

◇        ◆     ◇

 記者はこの種の商業施設は取材以外ほとんど利用しない。50店舗のうち名前だけは知っているのはイトーヨーカ堂、ミスタードーナツ、マツモトキヨシ、Zoff、auショップ。島村楽器、ABC-MART、マクドナルド、丸亀製麺くらいで、家電販売のJoshinが阪神タイガースのスポンサーであるのを初めて知った。

 内覧会でもっとも驚いたのは総合ペットショップ/犬猫生体販売の「PETEMO/Pet Plus」だ。おもちゃのような子犬が30~50万円、子猫が20万円前後もしていた。同社広報担当に飼育費も調べてもらったら、犬は年間30万円、ネコは年間16万円とか。30万円といえば、この前買ったジャケットの4着分だ。いつも利用する日高屋や酒・タバコ代に匹敵する。信じられない!

 訳の分からないガチャコーナーのスペースが大きく、少しは分かる「だがし家かかし」の品揃えの豊富さにびっくりした。

 自動車教習所は、教習者が逆走し、フェンスを突き破って地上に落下しないか心配だったので聞いたら「大丈夫。金町自動車教習所は過去49年間無事故」(担当者)だそうだ(今後無事故の保証はあるのか)。

 フードエリアの客席数は450席もあった。埋まるのかどうかを聞いたら「理科大の学食は大盛況。いつも人であふれているので、その流れも期待できる。学生割引は現段階では考えていない」(担当者)とのことだった。自由内覧では丸亀製麺のうどんを試食させてもらった。この前、長野の取材のとき食べた信州蕎麦より安く、おいしかった。同社は三重県・伊賀に店舗を開設するそうだが、伊勢うどんとは競合しないのか。

 分譲マンションは来年に着工するそうだ。気になる坪単価だが、北千住は500万円をはるかに突破しており、綾瀬も400万円超だから、ここも400万円超となるのは間違いない。

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鳥瞰パース_提供:佐藤総合計画㈱

金町駅前に40階建て約900戸のタワマン三菱地所・地所レジ・三井不レジ再開発認可(2022/8/4)

竹中施工で公園・大学に隣接 住友不動産「シティタワー金町」(2014/9/1)

大成有楽不動産 「金町」エリアで2物件224戸単価は割安感あり(2014/6/24)

入居者の声を商品企画に生かした野村不動産「プラウドシティ金町」(2008/11/25)


 

 

カテゴリ: 2025年度

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視覚支援機器を使って野球観戦するイベント参加者(神宮球場で)

 既報のように、東京ヤクルトスワローズのトップスポンサーの1社であるオープンハウスは8月20日、「挑戦する人や組織を応援する」企業姿勢を体現した社会共創活動「O-EN HOUSE PROJECT」の一環として「応燕ハウスナイター」観戦会を開催した。見えにくさを感じる子どもを対象に、視覚支援機器を使って野球観戦するイベントだ。

 会場について渡された資料の中の「レティッサオンハンドのご利用に関するお願い」文が真っ先に目に飛び込んできた。そこには、「非医療機器のため、眼に疾患のある方の使用を意図していません」とあり、「医療機器と捉えられるような表現を使用すると、薬機法に抵触してしまう可能性があるため、適切な表現でご案内いただきたく、注意点をまとめました」とあった。

 資料には、「レティッサオンハンドは、視覚障がい者にご利用いただけます」「レティッサオンハンドは、視力を改善します」「レティッサオンハンドで見えるようになります」などという表現は不可で、「レティッサオンハンドは、見えにくさのある方にご利用いただけます」と改めるように指示されている。

 この注意書きを読んで、記者は「薬機法」なる法律があるのを初めて知ったが、おそらく「薬事法」と似たような法律で、不動産業界でいえば、「おとり広告」や「誇大広告」を禁止した不動産公正取引協議会連合会の「不動産の表示に関する公正競争規約」と似たようなものだろうと理解した。「実際のものよりも優良又は有利であると誤認されるおそれのある表示」は不可ということだ。(オープンハウスから取材の案内が届いたときに、QD LASERとレティッサオンハンドについてしっかり確認すべきことで、年を取るごとになにかにつけいい加減になってきた記者が悪い)

 さて、ここからが本題。読者の皆さんもレティッサオンハンド(RETISSA ON HAND)」は「薬機法」に定義されている商品ではないということを理解していただき、以下の記事を読んでいただきたい。ただし、表現の自由もあるので、記者がこの商品を〝素晴らしい〟〝よく見える〟などと絶賛しても、〝マンションの商品企画が素晴らしい〟〝割安感がある〟などと同じようにいかなる法律にも違反していないことをお断りしておく。

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「レティッサオンハンド(RETISSA ON HAND)」

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イベント参加者

◇        ◆     ◇

 まず、この視覚支援機器「レティッサオンハンド」について。これは2006年、富士通研究所からスピンオフベンチャーとして立ち上げた会社「QDレーザ」が世界で初めて網膜投影技術の製品化に成功し、2年前から販売を始めたものだ。詳しい技術的なことは省くが、近視でも遠視でも乱視でも映像を見えやすくする技術だ。

 手持ち型で重さは約500グラム。ズーム機能付きで最大7倍まで拡大することができるほか、スクリーンショット、白黒反転、コントラスト調整なども可能。4時間のフル充電で2時間の連続使用が可能。販売価格は40万円。リースも可能。これまで複数の美術館・劇場への導入実績があるという。

 イベントに参加した、視力は両目で0.1弱の中島健太くん(10)は「狭く見えるけど、色の分かれ目がはっきりして、スマホより見やすい」と、両目とも視力が低い配川航太くん(11)は「すごくよく見える。広く見えるのが一番いい。文字がはっきり見える。肉眼で見えないものが見える」とそれぞれ感想を語った。

 視力0.2、眼鏡をはずすと30cm先のパソコンの文字が読めない記者も体験した。眼鏡をはずして見たのに、数メートル先の使用品について説明した同社視覚情報デバイス事業部営業グループ・金井勇樹氏の姿がくっきり映し出された。信じられなかった。健全な視力をお持ちの方はご存じないかもしれないが、眼鏡なしでは虫眼鏡は全く役に立たない。

 既報の記事の見出しを「目からうろこ 無限の可能性秘める視覚支援機器…」としたのは、まさにこの点だ。記者は最近、広陵高校の暴力沙汰が表面化したのと同時進行の形で川上未映子「ヘヴン」(講談社文庫)を読んだ。芥川賞作家の作品はもう30年以上前から読まなくなったのだが、川上氏が小川洋子氏に次ぐ日本人女性作家としては2人目のブッカー国際賞候補に上ったので〝気になる作家〟だったからだ。

 「ヘヴン」は、主人公の「僕」が14歳のとき、「斜視」が理由にクラスから陰惨な苛めにあったのを、子供目線でリアルに描いた作品だ。善とは悪とは何か、正とは邪とは何かという宗教的・哲学的な永遠のテーマを問う小説でもある。

 ベストセラーになったのでご存じの方も多いだろうが、15,000円の斜視の手術を受け退院した「僕」が見た結末の世界を紹介する。

 「それは僕が想像もしなかった光景だった。

 十二月の冷たい空気のなかで、何千何万という葉のすべては濡れたような金色に輝き、その光りかたはまるでその一枚一枚がそれぞれの輝きを鳴らしながら、僕のなかへとめどもなく流れこんでくるかのようだった。僕は息をのんで、その流れに身をまかせるしかなかった。一秒がつぎの一秒へたどりつくそのあいだの距離が、なにか大きなものの手によってそっと引きのばされているのを僕は感じていた。息を吐くことも、まばたきをすることも忘れ、僕は黒々とした鮮やかな木の肌にもぐりこみ、その肌ざわりを身体のいちばんやわらかな場所で感じとることができた。黄金に鳴りつづける葉のすきまにゆれる光の粒子をひとつ一つ指さきでつまんで、そのなかに入ることもできた。正午だった。しかし太陽はもう見えなかった。なにもかもがそれだけで光り輝いていた。僕は目のまえの光景が信じられず、口をあけたまま何度も首をふっていた。地面にひざをつき、葉の一枚を手にとって見つめてみた。その葉にはこれまで僕の知らなかった重さがあった。僕の知らなかった冷たさがあり、輪郭があった。僕の両目からはとめどもなく涙が流れ、涙ににじみながら、目のまえにあらわれた世界はあらわれながら何度でも生まれつづけているようだった。

 なにもかもが美しかった。これまで数えきれないくらいくぐり抜けてきたこの並木道の果てに、僕ははじめて白く光る向こう側を見たのだった。僕にはそれがわかった。僕の目からは涙が流れつづけ、そのなかではじめて世界は像をむすび、世界にははじめて奥ゆきがあった。世界には向こう側があった。僕は目をみひらき、渾身のちからをこめて目をひらき、そこに映るものはなにもかもが美しかった。僕は泣きながらその美しさのなかに立ちつくし、そしてとこにも立っていなかった。音をたてて涙はこぼれつづけていた。映るものはなにもかもが美しかった。しかしそれはただの美しさだった。誰に伝えることも、誰に知ってもらうこともできない、それはただの美しさだった。」

◇        ◆     ◇

 素晴らしい商品ではあるが、課題もすぐ〝見えた〟。スポーツ・コンサート・劇場観戦、絵画鑑賞にはいいかもしれないが、眼が不自由な人(この表現が問題なのだろうが、これは記者の表現の自由だ)にとっては日常的によく見えることが必要で、片手または両手が使えないのは致命的だと思った。パソコンが操作できないではないか。この点について同社も承知しているようで「当初眼鏡型も作っていただが、技術的な難しさもあり今は手持ち型が主流になっている。眼鏡型を求める声に応えていけるよう、メガネ型の研究は続けている」と金井氏は話した。

 さらに言えば、中島くんが巨人選手の三振の場面をスクリーンショットで捕らえたように、カメラ機能を付加すればあらゆる事象を記録することができる。まだある。約300万人といわれる色盲・色弱者にも対応できるようにしたらノーベル賞ものではないか。

 商品名にも問題がありそうだ。金井氏は「普及がいま一つ」と話したが、「レティッサオンハンド」では消費者に何の商品なのか伝わらない。目は「EYE」であり「愛」だ。一目瞭然、一目ぼれ、眉目秀麗、夜目遠目…〝便利地、好立地〟のオープンハウスに頼めば素晴らしい名前が生まれるのではないか。〝相視相愛メガネ〟はどうか。

◇        ◆     ◇

 家に帰って「薬機法」を調べてみたら、正式な名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」で昭和35年に制定された。第91条まである。

 読むとなかなか面白い。第2条の定義では「『化粧品』とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう」とある。

また、「誇大広告等」を禁止した第66条には「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない」とある-記者はヘアリキッド以外の化粧品を利用したことがないが、緩和な作用で魅力を増し、容貌を変える化粧品はあるのか。実物と似て非なる選挙ポスターの顔は誇大広告に該当しないのか。

 このように、世の中は何もかもが見えにくくなっている。白内障のような世界が広がっている。善と悪を暴き出すことはできないだろうが、視覚支援機器「レティッサオンハンド」は、世界を変える無限の可能性を秘めているのは間違いない。

目からうろこ無限の可能性秘める視覚支援機器オープンハウス・応燕ハウスナイター(2025/8/20)

 


 

 

カテゴリ: 2025年度

 神宮外苑の再開発に反対しているロッシェル・カップさんは8月24日、「都内樹林地のヒートアイランド緩和効果-神宮外苑の気温計測から見えたこと」と題するオンラインセミナーを開催した。ヒートアイランド現象など都市気候の専門家である三上岳彦・都立大学名誉教授の研究チームが8月3日に実施した、神宮絵画館前の樹齢100年超の巨木が植わっている樹林地と再開発により巨木が伐採(一部移植)された地点の気温計測結果を報告した。300人超が視聴した模様。

 三上氏は、これまで調査研究から、この100年間で地球全体の気温は1℃上昇しているが、ニューヨークは2℃であるのに対し東京都は3℃上昇しており、東京都は世界一ヒートアイランドが顕著に現れていると指摘した。都市化・人間活動の影響が大きいとその理由を説明した。

 計測したのは8月3日の午後1時から3時で、当日は台風の影響で北風、南風が吹き、気象庁の観測では34~36℃(銚子は28℃)だったのに対し、絵画館前の樹林地では33~35℃(平均33.7℃)、市街地は33~37℃(平均35.3℃)だったことを報告。その差は1.6℃あり、小さな樹林地でも緑は気温を下げる効果があることが確認できたとした。ローカルヒートアイランドを緩和するには緑と水と風の有効利用が重要とも話した。

◇        ◆     ◇

 気象庁の気温観測は、小学校にもあった日影で風通しがいいところに設置した百葉箱の地上から約1.5mの地点の気温だと思っていたが、三上氏によると1970年ころには百葉箱は廃止され、全て筒状の観測器で観測されていると聞いてびっくりした。戦争は平和なり、隷従は自由なり、無知は力なり。

 ロッシェル・カップさんの精力的な活動には頭が下がる。300人超の視聴者の方がどのような人か知らないが、あちらこちらの街路樹が電信柱のよう強剪定され、都市の緑被率がどんどん低下している現状を変えるための活動をしていただきたい。

 小生は、外に出るといつも街路樹や草花と会話を交わしているし、その都度、記事にもしている。少しは役立っていると思う。RBAホームページから「街路樹」で検索すると2013年以降で240件以上がヒットする。最近の記事では8月21日の長野駅近くのマンションの記事で、市の市街化区域内の緑被率は東京23区平均の18.5%とほとんど変わらない19%に過ぎないことを書いた。

 都市も地方も緑環境が過小評価され、〝便利地、好立地〟が過大評価されていると思う。なにもかもモノサシが狂っている。

神宮外苑問題新たな局面へ「都の公園まちづくり制度は違法」専門家有志が主張(2025/7/15)

長野駅近くで最大級のマンション267戸うち24戸が億ション東京建物・穴吹興産業(2025/8/21)

 

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〝(高校生同士のお友達ですか)いえ、母親と中学生の親子です〟(左がお母さん)

 ハウスメーカーの広報担当部門で構成される住宅広報連絡会は8月23日、「地域活動の現状視察」の一環として恒例の南越谷阿波踊りの視察・体験会を実施した。

 南越谷阿波踊りは、ポラス創業者の声掛けによりはじめられたもので、今回が39回目。徳島、高円寺と並んで「日本三大阿波踊り」と称され、毎年8月下旬の金曜日から日曜日までの3日間で約70万人が訪れる夏の一大イベントとなっている。

 視察・体験会には、各社の広報担当のほか住宅関連マスコミ各社、フリージャーナリスト、業界団体など数十人が参加。南越谷駅近くの飲食店で腹ごしらえをしたあと、有名連の阿波踊りが鑑賞できる舞台踊りの見学と、素人の参加も可能な「にわか連」として〝踊る阿呆に見る阿呆〟に参加した。

 記者は、声が掛った20年くらい前からほとんど参加している。今回は、この日から9日前の14日、大腸ポリープの切除手術を受けており、病院の先生から10日間は禁酒するよう厳命された。なので、この前はノンアルコールを8合飲んだが、酒は一滴も飲んでいなかった。

 宴もたけなわ。少しくらいはいいだろうとコップに氷を入れ、安くもないが高くもない芋焼酎を注いで2杯飲んだ。月並みな言葉だか五臓六腑(大腸が反応したかどうかは不明だが)に染み渡った。阿波踊りがきついのは十二分に知っているので、記者は一度もにわか連に参加したことはないが、沿道からすそよけの下に覗く白き脛の美しさにしばし声を失った。

 全て世はこともなし-いま現在、わが西武の今井投手がロッテ相手に2-0で完封勝ちを決めた23日21時の時点で身体に変調をきたす兆候は全くない。以下、カメラに収めた写真を紹介する。

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踊り方を始動するポラス広報担当

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なんだか敗残兵のようであきれてものも言えなかった

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ポラス広報担当から手ほどきを受け、ものの数分で鉦をマスターした広報担当者(左)

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〝俺は20数年前から皆勤賞だぞ、肝心の現役の広報はどうした〟(高天原の仙人のようなこの方が吸っているニコチン・タールが1ミリのタバコと、小生の8ミリのタバコを交換した。家に帰って吸ったら、強烈なはっかが口腔を刺激した。頭を刺激するまでは至らなかった)

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酒が飲めなくてつまらないので、下足番をした

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 世の人の心惑はす事、色欲には如かず。人の心は愚かなるものかな。匂ひなどは仮のものなるに、しばらく衣裳に薫物すと知りながら、えならぬ匂ひには、必ず心ときめきするものなり。九米の仙人の、物洗ふ女の脛の白きを見て、通を失ひけんは、まことに、手足・はだへなどのきよらに、肥え、あぶらづきたらんは、外の色ならねば、さもあらんかし。(徒然草)

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「夜目遠目笠の内」今夜も美しい女踊りの南越谷阿波踊り堪能住宅広報連絡会(2024/8/24)

 

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「築地地区まちづくり事業」全体図 

三井不動産を代表企業としてトヨタ不動産、読売新聞グループ本社を中心に 2024 12月に設立した築地まちづくり株式会社(特別目的会社)は822日、「築地地区まちづくり事業」を推進する基本計画を発表した。

かつての築地市場は貨物列車を引き込むために扇の形状をしていたこともあり、築地の歴史や文化を継承し、調和や発展への願いを込め、「扇」をデザインモチーフに定めた。

また、陸・海・空のモビリティが乗り入れ可能なモビリティハブの形成として、地下鉄新駅、バス・タクシーなどに加え次世代モビリティ、舟運、空飛ぶクルマやヘリポートなど陸・海・空の多様なモビリティをつなぐ広域交通結節点を形成する。

基本計画のポイントは、自然と都市の活動の2つが共生・調和・発展し、社会的価値を創出するまちづくりを目指す「ONE PARK×ONE TOWN(ワンパーク ワンタウン)」。「ONE PARK(ワンパーク)」としては、①シンボリックな景観デザイン②水辺のオープンスペース③周辺資源と調和するプロムナード④舟運ネットワークを実現する「水都東京の再生」に関する4つのテーマを掲げる。

ONE TOWN(ワンタウン)」では、①大規模集客・交流機能②食文化の発展・にぎわいの形成③迎賓・ホスピタリティ④イノベーションを図る「国際競争力の強化」に関する4つのテーマを掲げている。

構成企業は三井不動産(代表企業)、トヨタ不動産、読売新聞グループ本社、建設は鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店、設計は日建設計、パシフィックコンサルタンツ、協力は朝日新聞社、トヨタ自動車。

計画概要の所在地は中央区築地五丁目および築地六丁目各地内の都有地約19万㎡、総延床面積は約126万㎡、総事業費は約9,000億円、開業時期は2030年代前半以降。主要建物は大規模集客・交流施設(マルチスタジアム)、ライフサイエンス・商業複合棟、MICE・ホテル・レジデンス棟、舟運・シアターホール複合棟など合計9 棟。

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周辺資源と調和するプロムナード

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舟運ネットワーク

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食文化・賑わいイメージ

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マルチスタジアムイメージ
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モビリティハブイメージ

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波除広場イメージ

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大規模集客・交流機能イメージ

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水辺のオープンスペースイメージ

巨人の築地移転なし 後楽園とスポーツ・エンタメの2つの聖地へ 三井不など会見(2024/5/2 

 

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  日本政府観光局(JNTO)は820日、20257月の訪日外客数をまとめ発表。7月の訪日外客数は3,437,000人で、前年同月比4.4%増となり、7月として過去最高だった2024年の3,292,602人を14万人以上上回り、同月として過去最高を更新した。

東南アジアなど一部市場では夏場は訪日需要が落ち着く時期となるが、東アジアや欧米豪・中東を中心に多くの市場でスクールホリデーに合わせた訪日需要の高まりがみられたことなどにより、東アジアでは中国、台湾、東南アジアではインドネシア、インド、欧米豪では米国、フランスを中心に訪日外客数が増加したことが今月の押し上げ要因となった。

台湾で単月過去最高を更新したほか米国やフランス、インドネシアなど15市場で7月として過去最高を記録した。

 

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「応燕ハウスナイター」観戦会参加者の子どもたち

 目からうろこ-東京ヤクルトスワローズのトップスポンサーの1社であるオープンハウスは8月20日、「挑戦する人や組織を応援する」企業姿勢を体現した社会共創活動「O-EN HOUSE PROJECT」の一環として「応燕ハウスナイター」観戦会を開催した。見えにくさを感じる子どもを対象に、視覚支援機器を使って野球観戦するイベントで、参加者は一様に「よく見える」と語った。視力0.2で、眼鏡をかけてもなにもかもがぼんやりとしか見えない記者も機器を体験したが、信じられないほどくっきりと見えた。課題もあるが、無限の可能性を秘めていると思った。

 今回の野球観戦会は、東京都が企業によるパラスポーツへの支援の充実を図るため、スタートアップ企業のICHI COMMONSと協働し、2025年8月1日(金)に開設した、競技団体と企業との連携を促進するオンラインマッチングプラットフォーム「TEAM BEYONDパラコネクト」初の取り組みで、「TEAM BEYONDパラコネクト」の紹介により、オープンハウスと視覚支援機器「RETISSA ON HAND(レティッサ オン ハンド)」を開発したQDレーザのマッチング・協業が実現したもの。

 イベントでは、参加者全てにヤクルトのTシャツや選手のサイン入りボールがプレゼントされたほか、参加者代表として中島健太くん(10)と配川航太くん(11)が試合前に各チーム代表選手に花束を贈呈し、この日から放映開始されたオープンハウスの新CM「マイホームマン」に登場するモデル・女優の藤本唯千夏さん(14)の始球式などが行われた。

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参加者を代表して両チームに花束を贈呈する中島くん(左)と配川くん

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藤本さん

◇        ◆     ◇

 試合は、巨人相手にヤクルトが7-2で圧勝。前日(19日)は2-15で大敗した憂さを晴らした。村上が2回裏に先制弾を放ち、山田が決勝2ランを放った。

 この日、お母さんと一緒に観戦していた先天性の視覚障害があり、弱視で視力は両目で0.1弱の中島くんは2回表、巨人岸川が三振した場面をスクリーンショットで捕らえ、関係者を驚かせると、その裏、ヤクルト村上が先制のホームランを放つと、弱視で両目とも視力が低い配川航太くん(11)は応援傘を打ち振った。

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中島さん親子(左)と配川さん親子

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視覚支援機器を使って野球観戦する中島くん(左)と配川くん

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応援傘を打ち振る配川くん

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山田選手直筆のサイン入りボールをもらって喜ぶお子さん

◇               ◆     ◇

 中島くん、配川くん、お父さん、お母さん、最後までヤクルトを応援していたのかな。勝ててよかったね。おじさんはもう70年近く前からの西鉄-西武ライオンズファンでアンチ巨人。2回裏ヤクルトがリードした場面で取材を終え帰ったのは、またヤクルトが負けて、皆さんが悔しがるのを見たくなかったから。

 家に帰ったら、西武は2-5の敗色濃厚の9回表の攻撃。2ランホームランで1点差まで追い上げたが、反撃もここまで。これで3連敗。借金(この意味は二人に分かるかな)9つで勝率は.458。ヤクルトは借金が1つ減って20、勝率は.400。どっちが最終的に成績は上になるか。おじさんは、酒屋の親父がヤクルトファンなのでいつも傷をなめ合っている。

 まあ、しかし、野球とはこんなもの。プロ野球選手はみんな尊敬すべき存在。負けても罵倒などしないでね。大人になってもやけ酒(これまた二人には分かるかな)など飲まないでね。

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この日のヤクルト-巨人戦(神宮球場)

(本題の視覚支援機器について記事化するには、不動産広告と同じようにいろいろ規制があり、万全を期すため明後日以降にアップする予定)

「三菱地所を、見にいこう。」ナイター 女優の桜庭さんが見事な始球式(2015/9/3)

三菱地所の新CM発表会「三菱地所を、見に行こう。ナイター」(2013/9/5) 
 

 

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 キッズデザイン協議会は8月20日、「第19回キッズデザイン賞」受賞作品233点を発表。今年は、夏の猛暑に配慮した遊び場づくりや空間設計、依然としてなくならない転落事故への対策、DXを活用したサービス、リアルな自然や素材に触れる体験の創出など、子どもたちを取り巻く社会環境を反映した応募作品が数多くみられ、また、過去の受賞作品の改良版やロングセラー商品の応募もあり、幅広いジャンルの作品が集まりまったとしている。

 同賞は、子どもの安全・安心と健やかな成長・発達に寄与する、優れた製品・サービス・空間・活動・研究などを顕彰するもので、2007年の創設以来、これまでの応募数は累計で7,386点、受賞数は4,381点にのぼっている。各大臣賞などの優秀作品は9月17日(水)発表される予定。

 

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「旧用賀名主邸」従前(左)と従後

 三井不動産と三井ホームは8月19日、江戸時代後期に建築された築250年以上の古民家「旧用賀名主邸」の耐震改修工事が完了したのに伴うプレス内覧会を実施した。「Hi ダイナミック制震工法」※を採用し、屋根の軽量化を図ったことで、同程度の建築物を解体・再建築する場合と比較してコストは5分の1程度に抑え、震度6強の地震でも倒壊することがないという。両社は古民家再生の新たなモデルケースとなることを期待している。

 プロジェクトの経緯について、耐震改修工事の総合設計を担当した三井不動産レッツ資産活用部チーフコンサルタント・石田宏次氏は、「オーナー様とは25年くらい前からのおつきあい。相談を受けたのは1年くらい前。安全性に問題があり、雨漏りもして、床の一部にたわみがあり、安心して維持管理できるようにならないかということだった。建物はわが国の伝統的建築工法である貫工法が採用されており、関東大震災も影響はなかったと聞いている。基礎はしっかりしていたので、三井ホームの技術力を持ってすれば建物は解体しないで極力そのまま残し再生できると考え、引き受けることにした」と語った。

 設計・施工を担当した三井ホーム東京支社東京オーナーサポート部副部長・内田敦氏は、「事前の調査の結果、耐震指数は0.3だった。0.7以上ないと倒壊の恐れがあったので、1.00まで引き上げることを考えた。Hiダイナミック制震工法を採用し、屋根はスギ+土+瓦の重量が1㎡当たり80㎏あったのを鋼板屋根にすることで1㎡当たり5㎏まで軽くし、全体では屋根の荷重を24tから1.5tに抑え、耐震指数は1.01以上にした。制震オイルダンパーは普通のもので5か所に施した。残せるものは極力残した。意匠などはそのままにした」と語った。

 土地・建物のオーナーの飯田浩一氏(63)は、「私は16代目。2006年まで親が住んでいた。私自身も25歳まで住んでいた。耐震性に問題があり、雨漏りもしたし、強風の時などの窓の音は凄いし(飯田氏自ら窓を揺らした。その音に記者は飛び上がった)、冬は寒い。居住条件はとても厳しい。どうしたら安全に、倒木などで近隣に迷惑をかけないかをフリーハンドで考え、専門家に任せることを決断した。様々なリスクを回避することができたので、今後は結婚式場とかロケなど地域の方々に楽しんでいただける」と話した。

 物件は、東急田園都市線用賀駅から徒歩8分、世田谷区上用賀3丁目に位置する敷地面積約300坪(1,000㎡)、延床面積約67坪(約220㎡)の木造平屋建て。設計・施工は三井ホーム。2025年3月に着工し、竣工は7月。

※「Hiダイナミック制震工法」は、江戸川木材工業が開発した技術で、古民家のような伝統的構法の建物にも採用可能な制震工法。建物の壁に複数の制震オイルダンパーを取り付けることで、大地震時の建物の変形を吸収し、柱や梁、壁等への負担を軽減できる。今回の工事では、建物南側の特徴的な意匠を残すため、居室の天井・床、縁側は仕上げ材も含めて改修はなっていない

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「Hiダイナミック制震工法」

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制震オイルダンパー

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屋根

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続き間の和室3室(1室全て8畳以上)

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縁側

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正面玄関

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内田氏(左)と石田氏

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飯田氏

◇        ◆     ◇

 旧名主の古民家を見学するのは今回で2度目だ。わが多摩市の多摩中央公園には江戸時代の名主だった「富澤家住宅」が移築・保存されている。建築年代は不明だが、18世紀後半とも推定されており、その後かなり増改築されたとある。欄間などに立派な装飾が施されており、当時の名主がどれほどの力を持っていたかよくわかる。

 今回はどうかといえば、欄間、床柱などを含め豪華さでは富澤家住宅に軍配を上げた。前述したように、これは18世紀の半ばと後半の違いではないかと解釈した。

しかし、驚いたのは柱だった。主要な柱の太さを測ったら1尺(37.88cm)角もあった。樹種はケヤキのはずだ。昔のわが家の大黒柱も太かったが、ここまではなかったはずだ。

 それ以上に驚いたのは敷地内の区の保存樹に指定されている樹木だ。玄関の前には樹齢300年超と言われる剪定がまた見事なクロマツが2本(もう1本のアカマツも同じくらいではないか)植わっていた。ケヤキの巨木は差し渡し1m以上あった。そのお陰で、この日の外気温は35℃を超えていたはずだが、敷地内は30℃強ではなかったか。

 それにしても、築250年以上の建坪67坪もある古民家をごく普通の耐震オイルダンパーを5か所に設置するだけで、しかも工期はわずか4か月で耐震補強ができるとは。三井ホームの施工力もそうなのだろうが、釘も金物も一切使わないわが国の伝統的貫工法(記者は「抜き」だと思った)もまた凄いではないか。

 オーナーの飯田氏はメディアの質問に対して「また住めるかも」と話した。ここに住まなくてどこに住むのか(記者は「飯田さんはどこに住んでいらっしゃるのですか」と聞くのをぐっとこらえた)。近隣の地価公示は坪(1種)約300万円だ。

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柱の太さは1尺角(貫との接合はくさびのみ)

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樹齢300年以上の黒松

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直径1m以上のケヤキの巨木

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◇        ◆     ◇

 今から250年前(1775年)と言われてもピンとこなかったので、ネットの年表で調べた。ちょうどこの年、アメリカ独立戦争が勃発したとある。わが国では田沼意次が幕府財政の改革に取り組んでいたころで、イギリスを中心とする産業革命の影響を受け、杉田玄白の「解体新書」が刊行された年(1774年)、平賀源内のエレキテル復元の年(1976年)などとある。

 わが故郷・三重県はどうかというと、国文学者・本居宣長(1730年~1801年)が活躍したころで、松尾芭蕉(1644年~1694年)、河村瑞賢(1618年~1699年)、三井高利(1622年~1694年)などもいる。三井高利は日本橋に「三井越後屋呉服店」を開業した豪商として知られているが、記者は河村瑞賢のほうが記憶に残っている。全国各地で航路開拓や治水工事を指揮した豪商として高校の歴史の教科書にも出てくる。出身地の南伊勢町には石塔が建っていた。皆さんいかがか、そのころの三重県人の活躍は凄いではないか。

カテゴリ: 2025年度

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放置されたままの廃屋(2021年写す)

 国土交通省と総務省は8月8日、合同で「過疎地域を始めとする条件不利地域における集落の現況把握調査」結果をまとめ発表した。令和元年度の前回調査時と比較して、無人化・減少・新たに誕生した集落は1,132集落に達し、住民の半数以上が65歳以上の集落の割合は10ポイント以上増加して40.2%に上るなど深刻な現状が浮き彫りとなった。

 調査結果によると、条件不利地域に存在する集落数は78,485集落で、集落人口は1,432.9万人、1集落当たりの平均人口は184.9人。住民の半数以上が65歳以上である集落の割合は40.2%で、前回調査の29.2%から10ポイント以上増加した。(全国総人口における65歳以上人口の割合は令和元年の28.4%から令和6年は29.3%)

 前回調査時点の調査対象地域における集落数は、前回調査から694集落減少した。内訳は、無人化した集落が296集落(0.4%)、集落再編により減少した集落が617集落(0.8%)、新たに誕生した集落が219集落(0.3%)となっている。

 前回調査時に「10年以内に無人化する可能性がある」と予測された499集落のうち、今回調査までの5年間で実際に無人化した集落は63集落(12.6%)となった。

 無人化が危惧される集落における、当該集落から市町村の中心部への主な交通手段はデマンドバス・乗合タクシー35.5%(前回29.6%)、公営路線バス28.6%(同32.1%)、民営路線バス21.6%(同26.0%)。

 無人化が危惧される集落のうち、空き家の一部又は大部分で管理が不十分である集落は64.5%、道路・用排水路・河川などの管理が不十分又は荒廃している集落は47.1%。

 調査対象とした12の生活サービス機能の立地状況について、無人化が危惧される集落では、当面存続するとみられる集落に比べ、すべての生活サービスで立地割合が低いが、とりわけ立地割合に差がある生活サービスは商店・スーパー3.6%(当面存続するとみられる集落は22.9%)、飲食店・喫茶店5.8%(同20.9%)、ATM2.5%(同12.0%)、病院・診療所1.7%(同9.4%)。

 集落支援員や地域おこし協力隊等のサポート人材が活動する集落の割合は、集落支援員28.8%(前回19.3%)、地域おこし協力隊など22.0%(同19.9%)。

 「条件不利地域」とは、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法、山村振興法、離島振興法などにより、人口減少・高齢化が進み、財政力指数が0.5以下の全国1,718市町村の63.2%に該当する1,085市町村を指す。

 「集落」とは、一定の土地に数戸以上の社会的まとまりが形成された、住民生活の基本的な地域単位であり、市町村行政において扱う行政区の基本単位として市町村が判断したもの。

◇        ◆     ◇

 このリリースに全国紙5紙は翌日の9日付朝刊では反応しなかったが、共同通信は「65歳以上の高齢者が住民の半数以上を占める『限界集落』は、2024年4月時点で3万1515に上ったことが8日、国土交通省と総務省の調査で分かった」と配信したようだ。

 共同通信が「限界集落」としたのは間違いではないが、正確ではない。国交省と総務省のリリースは「条件不利地域」を調査対象にしたもので、「限界集落」の文言は使われていない。

 「限界集落」とは、ウィキペディア(Wikipedia)によると「地域人口の50%以上が65歳以上の集落。若者が流出し、冠婚葬祭などの社会的共同生活を維持することが限界に近づきつつある集落のこと」で「社会学者の大野晃が、高知大学人文学部教授時代の1988年に最初に提唱した概念」とある。

 みんなバブル景気に浮きたっていたときに、「限界集落」なる概念を打ち出し警鐘を鳴らした大野氏の慧眼は称賛に値するが、「65歳以上の人口比率が50%以上」という定義はやや乱暴だとずっと考えてきた。

 「限界集落」であっても社会的経済的に自立している自治体(集落)はたくさんあるはずで、高齢化人口比率のみが集落の衰退を招く主要な要因ではないことを記者は取材で実感している。首都圏のある駅前郊外住宅地を取材したが、1戸当たり土地面積が20~27坪、建坪が15坪という貧しい街づくりにあった(昭和50年代の開発なのでやむを得ない部分はあるが)。

 この団地は現在「3分の1は空き家、空き地、駐車場」(居住者)になっており、乱杭歯か歯抜けトウモロコシ状態になっている。ここまで放置してきた自治体の責任はあるが、根本的には絶対的排他的土地所有権が対応を困難にしていると思う。

 「限界集落」対策は重要な課題だが、それよりむしろ、「条件不利地域」(もう少しわかりやすい言葉はないのか)を抱える市町村が63.2.%にも達していることに注目すべきだ。大半の集落は〝便利地、好立地〟ではない〝不利地〟ということだ。官民学挙げてこの〝不利地〟を〝便利地、好立地〟に転換する手立てを考えてほしい。〝令和の米騒動〟はわれわれの死活問題であるはずの生活基盤がいかに脆弱であるかをさらけ出したが、減反政策は55年前の昭和45年(1970年)に開始された。そのつけが回ってきたということだ。過疎3法の施行も同じ昭和45年(1970年)だ。都市と農村の格差・対立が激化したころだ。

続・駅前の限界集落後期高齢者は4人に1人の割合〝死中に活〟光明見出す声も(2021/9/26)

 

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