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 積水ハウスは12月7日、弁護士の菊地伸氏を委員長とする「積水ハウス総括検証委員会」による「分譲マンション用地の取引事故に関する総括検証報告書」を公表した。

 取引事故とは、2017年4月から6月にかけて、地面師グループによる詐欺行為により品川区西五反田の土地所有者ではない第三者と約63.8億円の売買契約を締結した結果、法務局から売買契約は無効、登記申請が却下され、同社は支払い済みの約55.6億円の損害金を特別損失として計上した事案だ。損害金が巨額で、わが国を代表するハウスメーカー・デベロッパーのプロがもはや死語と化したと思われる「地面師」に騙されるという前代未聞の事件であることからメディアでも大きく報じられた。

 その後、事故は意外な展開を見せる。2018年1月24日に行われた同社取締役会で、当時の代表取締役会長・和田勇氏は不正取引を防止できなかった責任は阿部俊則社長(現会長)にあるとし退任を要求したが、逆に和田氏が辞任させられる事態となり、この内紛劇もまたマスコミの餌食となった。

 さらにまた、和田氏らは今年4月の株主総会で阿部俊則会長ら現取締役の刷新を求め、和田氏を含めた11人の取締役候補を株主提案したが、1人も選任されず否決され、会社提案の現取締役が選任された。

 同社は、今回の取引事故で起訴された犯人グループ全員に対する第一審有罪判決(10名中6名が確定)が本年6月までに言い渡されたことを受け、詳細な事実経緯などについて株主、顧客、取引先などステークホルダーに対する説明責任を果たすことを目的に、今年9月に総括検証を行う外部専門家による総括検証委員会を設置した。

 「総括検証報告書」(以下「検証報告書」)は、2018年1月24日付の「調査報告書」も含め100ページ以上にわたるもので、事件の概要、原因分析、再発防止策の実効性検証、事件発覚後の同社の対応の検証などについて詳述している。

 原因分析では、「本件取引は、第三者(H1の個人会社)を介して地主(X氏)から物件を購入する取引である。H1及びその個人会社には信用すべき取引実績がないのであるから、積水ハウスは、H1及びその個人会社の信用に依拠することはできず、真の所有者からの真正売買であることを自らの責任で判断すべき立場にある」にもかかわらず、本人確認を怠った東京マンション事業部、取引をチェックする立場にあるはずのマンション事業部、稟議手続を担当する不動産部、回付先である法務部、経営企画部、経理財務部も物件特性を踏まえた審査を行ったとは認められないと指摘。

 「結語」として「本件取引事故は、絶好のマンション用地を好条件で入手できる機会に、マンション事業本部及び東京マンション事業部が前のめりになり、取引特性を踏まえ慎重に確認することなく、様々なイエロー又はレッド・フラッグを取引妨害の証と信じ込み、決済に至り大きな損害を招いた事例である。本件取引事故を引き起こした積水ハウスの構造的要因として、縦割意識の強さ(本社又は他部門の干渉を嫌い、縦割りのトップダウンの意思決定に異議を唱えにくい企業風土)、牽制機能の弱さ(牽制権限の不明瞭さ、牽制する職責への自覚の欠如、牽制するための専門性の欠如)、及びリスク意識の低さ(リスク意識を高めるための方策の不足)を見ることができた」とし、「積水ハウス経営陣は、その視線を内側のみに向けることなく、ステークホルダーに対しても真摯に向き合って説明責任(アカウンタビリティ)を果たすという強い意識をもつことが望まれるところである。本検証報告書を機に、改めて本件取引事故の反省を出発点に、構造的問題を解決するに足る十分な再発防止策を実施しているか、アカウンタビリティを果たすだけのディスクローズ・対話ができているかを自問し、新しい事象の発生の都度、足らざるを補っていくことが期待される」と締めくくっている。

 また、2018年報告書が指摘した経営陣の責任については、「本件取引事故は積水ハウスないしその関係者が引き起こした不祥事事案ではなく、地面師グループによる詐欺被害を防止し得なかったという事案である。(中略)上記被害を防止し得なかった原因は積水ハウスの当時の稟議システム、社内環境や内部統制、あるいはリスク意識の希薄さといった点に認められるのであって、一部の業務執行取締役のみ重い責任を問われるようなものではなく、過去から本件取引事故まで積水ハウスの経営にあたった者の共通の問題である」とし、「取締役としての任務懈怠に該当するとの評価の根拠が明らかにされておらず、責任を議論する前提が欠けている。単に『審査が不十分であった』『最後の砦である』というだけでは、法的責任の根拠たり得ない」として退けた。

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 今回の「検証報告書」は、裁判が継続中ということもあってか明らかにされていない問題点もいくつかある。

 中間業者(検証報告書ではH1)がどのような役割を担ったかについて触れられていないのがその一つだ。

 2018年報告書では「稟議時点の中間業者が、相手方の申入れで変更されているが、新しい中間業者は、当初の中間業者の㈱●●(H1)から●●㈱(H2)というペーパーカンパニーに変更され、代表者も女性に変わっている。これに強い疑問を持つべきであった。

 なお、●●の2名の女性取締役の内、代表取締役●●の夫の背景調査はなされておらず、取締役●●の夫は、●●元代議士である。そして、この会社は事件後に繋がりを消すためのペーパーカンパニーであり、このような会社は、絶対に、当社の取引先であってはならない」と、強い調子で批判している。(●●は検証報告書に添付された資料のまま)

 しかし、今回の検証報告書では「A1営業次長は、H1が実質的に決定権を持っている会社ならそれで構わないと考え、積水ハウスはこの変更に同意した」としか記述されていない。

 これが、いわゆる牽制機能の弱さ、リスク意識の低さに由来すると言われればその通りなのだろうが、釈然としないものを感じる。

 真偽のほどはともかく、同社は「H㈱の所在するビルの一室はOの後援会、P党代表、詐欺集団の混在する悪評高き事務所である」旨のメール(リスク情報)を得ている。O、あるいはPは元国会議員のはずで、この段階でどうして詳しく調査しなかったのか疑問は残る。解明すべきだと思う。

 さらにまた、偽X(詐欺師グループ)の代理G1弁護士はどのように事件と関わっているのかも不明だ。

 検証報告書には「偽Xは現地に現れず、代わりにG1弁護士が鍵を持参してやってきた。G1弁護士は、病院に行かないといけないので建物内覧の現地に代わりに行ってほしいとX氏(偽Xのことか=記者注)から依頼されたと説明し、持参した鍵で、本件不動産の建物の勝手口の南京錠を開錠して建物内に入った」とあり、東京法務局も「登記申請書類の一つであるG1弁護士作成の本人確認情報に資料として添付されていた国民健康保険被保険証の写しが偽造されたもの」と断定している。G1弁護士もまた騙されたということなのか。

 もう一つ、検証報告書では、調査に同社役員ら約20人へのヒアリングを行ったとしているが、2018年報告書の作成に関わった4人のうち2人からのヒアリングを行っていないこともどうしてなのか。

 検証報告書は、2018年報告書がより踏み込んだ原因分析を行わなかったのは「極めて残念」としているが、どうして2018年報告書が2018年1月24日開催の取締役会の直前に再発防止策の検証・協議及びその内容の答申を2017年調査委員会の目的から除外したかの理由について触れていないのも疑問として残る。

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 読者の皆さんは「地面師」をご存じか。記者は小説などで知っており、実際にだまし取られた人の話を聞いたことがある。検証報告書には同社の用地取得関係者ら44人にアンケート調査しており、このうち約半数の人が「地面師の言葉は知っている」と答えている。

 「詐欺師」がいかにすごいかは、黒岩重吾「詐欺師の旅」(角川文庫)を読んで頂きたい。本物の詐欺師は自分が詐欺を働いていることを自覚していないという。

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「ライオンズ横濱瀬谷」

 大京が分譲中の相鉄線瀬谷駅直結の再開発複合マンション「ライオンズ横濱瀬谷」を見学した。10月下旬に分譲した第1期1次・2次(70戸)がほぼ完売するなど想定外の好調な売れ行きとなっている。

 物件は、相鉄本線瀬谷駅から徒歩1分、横浜市瀬谷区瀬谷4丁目の近隣商業地域に位置する10階建て全144戸(販売戸数は128戸)。専有積は52.39~81.06㎡。平均坪単価は300万円前後。竣工予定は2021年9月8日。設計はアール・アイ・エー。施工は戸田建設。デザイン監修はウイ・アンド・エフ・ヴィジョン石倉雅俊氏。

 10月23日から第1期1次(45戸)と2次(25戸)を分譲し、これまでにほぼ完売。12月中旬から第2期(戸数未定)を分譲する予定となっている。

 プロジェクトは「瀬谷駅南口第1 地区第一種市街地再開発事業」として施行されているもので、事業面積は約1ha。物件は敷地は東西軸が長い長方形で、南側の幅員14mなど三方に接道。瀬谷駅とペディストリアンデッキで直結される。建物の1・2階に商業店舗(イオン)、3・4階に区民文化センターなど公共施設が入居する。駅前には広場が整備される。

 これまでの再開発の経緯は、1999年に「瀬谷駅南口A地区再開発協議会」発足、2015年に都市計画決定、2016年に組合設立、2018年に権利変換計画の認可を受け、2019年に着工。同社は2016年、参加組合員として事業に参画している。

 住居は3階からで全て南向き。プランは50㎡台が5スパン、60㎡台が8スパン、70㎡台が4スパン、80㎡台が1スパン。

 主な基本性能・設備仕様は二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ、ディスポーザー、食洗機、御影石キッチンカウンター、通気機能付き玄関ドア、通気ルーバー付き扉、Low-Eガラス、グリーンカーテン用フックなど。

 同社は販売状況について、想定外の人気で、来場者に占める契約者の割合が高く、成約者の約6割が瀬谷区居住者で、7~8割が横浜市民、年代は30代から60代がほぼ同じ比率、賃貸・社宅などと持家比率は半々としている。新型コロナの影響については不明としている。

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モデルルーム

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モデルルーム キッチン(ポケット付きなのが特徴)

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 相鉄線の駅前再開発マンションでは、4年前に分譲された相鉄不動産・三井不動産レジデンシャル・野村不動産の3社JVの29階建て免震「グレーシアタワー二俣川」(421戸)が、JRや東急線に乗り入れることが決定されたあとで、坪単価280万円という割安感もあり、第1期として380戸も供給され圧倒的な人気を呼んだ。

 今回は、横浜駅からだと二俣川駅の先だが、一駅先の大和駅で小田急線と接続し、さらにその先には大量のマンションが分譲されている海老名駅があるので、どれほどの人気になるか興味があった。第1期で分譲戸数の半分以上を供給し、ほぼ完売というからこれまたすごい人気なのだろう。

 もう一つ、坪単価がいくらになるかにも注目していたのだが、300万円前後というのはかなり抑制的とも考えられるし、第一次取得層の取得能力を考えるとこれが限界とも受け止められる。

 商品企画では、同社が力を入れているパッシブデザインがほぼ全て採用されているのが特徴だ。Low-Eガラスのマンション採用率は高くないので強調しておく。全戸南向きなので夏と冬の冷暖房費はかなり削減できるはずだ。

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分節デザインが特徴の外観

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現地

記録的な一挙供給量380戸 相鉄不他「グレーシアタワー二俣川」は坪280万円(2016/8/22)

 企業文化研究所理事長・篠原勲氏が12月7日付でNPO法人OSI研究会会員向けに発信した記事を転載します。

 篠原氏は1942年生まれ。「会社四季報」編集長、「週刊東洋経済」論説委員、編集局次長、取締役営業局長・取締役広告局長、鳥取環境大学教授などを歴任。著書は「強い会社は軸がブレない」(定価:1,500円+税/発行・発売:第三企画出版)、「『武士道』と体育会系〈もののふの心〉が日本を動かす」(定価:本体1,500円+税/発売:創英社・三省堂書店)など。

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 スマホの普及に伴い新聞が急激に売れなくなってから久しい。日頃のニュースは新聞ではなくテレビやスマホを見れば十分ということなのだろう。通勤電車の中で新聞を広げている人はほぼ姿を消した。周囲に気兼ねしながら新聞を広げて読むのも気が引けるらしい。それに購読料が読者の収入に比べ割高感があることも新聞が売れなくなった理由の一つである。共稼ぎが増えたため主婦など家族も家で新聞を読む人が少なくなった。 

 新聞業界を取り巻く環境が厳しさを増す中で、朝日新聞が「創業以来の大赤字、渡辺雅隆社長が来春退任」とのニュースが流れたことから、朝日新聞の凋落ぶりが話題になっている。朝日新聞社は、「2020年度決算が経常損益で約170億円の創業以来の大赤字に陥る見通し」だという。2020年9月中間期の売上は1,390億円(前年同期比22.5%減)、営業損益92億円の赤字(同6億円の黒字)、純損益は繰り延べ税金資産の取り崩しにより419億円の赤字(同14億円の黒字)だった。

 新聞部数では、読売新聞が2020年上半期時点で771万部(ABC部数)とトップの座を守っている。朝日新聞は516万部で2位にある。ちなみに全国紙では3番手が225万部の毎日新聞、4番手が213万部の日本経済新聞、5番手が133万部の産経新聞という順番だ。

 それにしても、今から10年ほど前までは、読売新聞が約1,000万部の部数近辺で安定していた。それが急落に転じたのは2014年頃からだった。近年は新聞業界全体で見ると毎年200万部のペースで発行部数は減少をたどっている。

 もっともそうした中にあって朝日の落ち込みが目立つ一方、4位の日経新聞は経済情報を目玉にしてその存在感を増している。株式市場の堅調もあり直近では毎日新聞と日経新聞の部数が僅差で入れ替わったという話もある。2019年度の日本経済新聞社の連結売上高は3,568億円で、朝日新聞社の3,536億円を抜き、発行部数では日経が朝日の半分以下でも、広告収入などの面で日経が朝日を凌駕しているのがその理由だ。

 朝日新聞社が公表している財務データによると、朝日新聞社は不動産事業で安定した利益を上げていることが分かる。2020年3月期の決算データでは連結従業員数6174人が関わるメディア・コンテンツ事業(新聞はこの中に含まれる)の売上は3345億円、セグメント利益は19億円となっている。では不動産事業だが、売上高385億円、セグメント利益は68億円を稼ぐ。つまり、朝日新聞にとってオフィスビルの賃貸事業がメディア・コンテンツ事業を下支えしていることになる。

 朝日新聞社が170億円の創業以来の大赤字となり、渡辺雅隆社長が来春で責任をとって退任する(後任は中村史郎副社長)とのニュースにもかかわらず、同社で経営改革の話題が表面化しないのが周囲の興味を引く点と言える。コロナ禍で多くの企業が様々なコスト削減策を打ち出し生き残り策を模索しているが、朝日新聞社にはそうした動きが見られない。

 その理由はどこにあるのか。それには、「新聞社は民間企業でありながら社会の公器である」という意識と甘えが社内に強いことがあるという。特に、編集者とか記者は「会社の業績悪化は経営者が責任を取ればよいことであり、現場のジャーナリストがとやかく口を出す問題ではない」という自尊心が強く、経営側もそれを抑えられないようだ。

 しかし、いくら編集者や記者がその仕事に誇りを持っていても、赤字続きでは企業は行き詰まる。もちろん、他に新たなる収益源が加われば、先行きの不安も解消しよう。しかし、今の朝日新聞に新商品、新分野は期待しにくい。となると、先はジリ貧が待ち構える。

 朝日新聞社は株式を公開していないため、その内実は上場会社に比べ表に出てこないことが多い。しかし、有価証券報告書の提出企業のため従業員の給与水準を公開しているので、それによると朝日単体では従業員3,966人の45.4歳の平均給与が1,229万円(2020年3月31日現在)と、一般企業よりもかなり待遇が良いことが分かる。

 と言っても、この給与水準は他の大手新聞社や大手テレビ局の社員の平均的な給与と比べても特別高い訳ではない。ただ、朝日の場合、新聞販売部数の減少や広告収入の落ち込みを考えると、この高給がいつまで持つのかということである。

 すでに新聞業界においては地方紙と毎日、産経のような下位企業で社員の給与水準の見直しが進んでいる。データが公表されていないので、正確ではないが、毎日新聞・産経新聞の平均的な40代社員の年収は800万円前後と推測されている。

 朝日新聞は1879年(明治12年)に、大阪・江戸堀(現在の大阪市西区)において創立された。「朝日」の由来は、「旭日昇天 万象惟明」にあり、「毎朝、早く配達され、何よりも早く人が手にするもの」との意味から名付けられた。その後、1882年(明治15年)に、政府と三井銀行から極秘裡に経営資金援助を受け、経営基盤を固めてきた。

 東京に進出したのは1888年(明治21年)。東京に本社を置く「めさまし新聞」を買収し、「東京朝日新聞」に改題、大阪は「大阪朝日新聞」に改題してスタートした。 株式会社朝日新聞社に改組したのは1919年(大正8年)だった。

 1945年(昭和20年)の日本の敗戦は、朝日新聞に対して戦争責任明確化を求めることになる。これにより、村山長挙社長以下幹部が辞任後、村山長挙と上野精一が公職追放となる。また、その後、朝日新聞の名声に大きな傷跡を残したのが誤報とされた「吉田証言」(慰安婦問題に関する記事)や(福島原発に関する)「吉田調書記事」を巡って「新聞業界全体の信頼を大きく損なわせた」と朝日新聞が詫び謝罪した事態である。

 なお、朝日新聞社は2023年度までに社員計300人規模の希望退職の実施の検討に入ったとの情報も。まずは100人以上を対象とした具体案を労働組合に示した。一部の管理職などを除き、来年3月31日時点で勤属10年以上の45歳以上65歳見満の社員が対象となる。年収や年齢に応じて、希望退職特別一時金として最大計5,000万円を支給し、再就職支援会社のサービスも受けられるようにするとの計画だとされている。

 在宅勤務やデジタル化の流れもあり新聞の購読者もこれまでとは違った生活の在り方に変わっていくことになるだろう。かつては花形職業であった新聞社の編集者や記者の仕事も今後は大きな変革の荒波に揺すぶられるのは避けられない。

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低速・小型自動配送ロボットの公道走行の実証実験

 岡山県玉野市は12月4日、三菱商事・三菱地所・東京海上火災保険が実施事業者になっている国内初・ルート最適化技術を利用した低速・小型自動配送ロボットの公道走行の実証実施を開始した。

 実験は11日まで玉野市役所を中心とするエリアで行われ、ルート最適化技術を用いて医薬品や日用雑貨を小売店から周辺の住居・事業所などへ配送する。

 高齢化が進展するなか公共交通機関の減少、免許返納、宅配需要の増大などの社会課題を解決する手段として無人の低速・小型の自動配送ロボットの配送サービスが期待されており、政府も7月に閣議決定された「成長戦略実行計画」で早期に「遠隔監視・操作」型の配送サービスの制度設計を策定することを決めている。実験はこれらを踏まえ実施するもの。

 三菱商事は実験全体のコーディネート、全体統括を、三菱地所はロボット運用、ノウハウ提供を、東京海上火災は新たな保険開発、緊急時対応体制、トラブルの予防体制への助言をそれぞれ行う。

 黒田晋・玉野市長は「当市はものづくりの街。新しい仕組み、取り組みは市民になじむ。薬や買い物など身近な切実な問題解決から将来的には市バス・市タクまで大きな問題解決につなげたい」などと挨拶した。

 実証実験は公安委員会の審査を受けることになっており、審査に合格するかどうかが注目される。

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荷物の積載(左)と受け取り

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ロボットから保育園児へのお菓子のプレゼント

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 実証実験の模様は動画配信されたので視聴した。三菱地所のこの種のAIロボを使った実証実験はビルの中や下地島空港、丸の内の歩道・舗道など4回くらい取材したことがあるが、公道を走行するのはもちろん初めて見た。

 初日の実験では2人の付添人が「後ろから車」「前から車」などと注意を喚起し、車道も3~4回渡った。これを公安委員会はどう評価するのか。〝安全が確認できたら車道を渡っていい〟とは言いづらいのではないか…ン? ロボットは人間ではない。車扱いか。ならば車道を渡るのは問題ないか。

 歩道・舗道も課題が多い。バリアフリーにはなっていないところが多いし、自転車の飛び出しもある。側溝に足(車輪)をとられないかも心配だ。事故を起こしたらロボットに責任を擦り付けるのか、それとも遠隔操作する人が罪に問われるのか。

 実験結果は公表されるはずなので楽しみに待ちたい。

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遠隔操作画面

三菱地所&ANAHD アバターを通じ観光案内サービスの実証実験(2020/2/28)

世界初、自動運転バス・タクシー・モビリティを活用したMaaS実証実験 三菱地所など(2020/1/21)

三菱地所AI清掃ロボ「Whiz(ウィズ)」実証実験公開 警備ロボも実用化へ(2019/1/22)

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「マインドスクェア ヘリテージ光が丘 つむぎのまち」

 ポラスグループ中央住宅は12月3日、近代建築家・木下益治郎が手がけた昭和初期の農園別荘(旧邸宅)の意匠デザインなどを引き継ぎ、敷地内にあった樹齢約100年(記者の推定)のイロハモミジを住戸の商品企画に取り込んだ「マインドスクェア ヘリテージ光が丘 つむぎのまち」(全9戸)の販売が好調と発表。同日、報道陣に現場を公開した。

 物件は、都営大江戸線光が丘駅から徒歩19分、練馬区旭町1丁目に位置する全9戸。土地面積は100.00~128.32㎡、建物面積89.25~103.27㎡、価格5,990万~7,590万円、平均6,723万円。建物は木造2×6工法2階建て。建物は竣工済み。

 主な基本性能・設備仕様は、2×6工法、リビング天井高2.7m、スキップDEN(ワークスペース)、ウイルス除去効果がある「可視光線型光触媒」床、珪藻土塗壁、シダーパネル「木もれ美」壁、つむぎケーシング、スピーカー付きダウンライトなど。

 9月19日に広告を10月10日に販売をそれぞれ開始。これまで148件の反響を集め9戸のうち8戸を成約。購入者の平均年齢は41歳、世帯年収は1,000万円前後。

 旧邸宅は、三菱財閥創業者・岩崎弥太郎の姻族である各務鎌吉が昭和8年に建設した敷地面積約1,000㎡、延べ床面積423㎡。アメリカン・アール・デコ様式の設計を得意としていた近代建築家・木下益次郎が設計を担当した。

 同社は昨年末建物ごと用地を取得。屋敷に刻まれた歴史と記憶を後世につなげる商品企画にするため解体を3週間延期し様々な調査を行うとともに、旧所有者の親族縁者や郷土史家研究者などを招き、神職による棟下式(むねおろしき:建物への、感謝とお別れの儀式)を実施した。

 商品企画には、邸宅にあった樹齢約100年のイロハモミジをそのまま残し、旧邸宅の石畳などの古材も配置した小庭園「槭樹(もみじ)の間」「道しるべの小径」(60.17㎡)として整備。「槭樹(もみじ)の間」「道しるべの小径」に面する5戸の敷地の一部に地役権を設定し、共同で管理するように定めている。3年間はポラスが剪定費を負担する。

 さらに、旧邸宅の格式、佇まいを記憶として残すため、特徴的だったいぶし瓦の屋根をモダンな和瓦で表現し、縦格子、丸窓、造作門柱などを採用。天然銘木のフローリング床には、室内照明が当たるだけでカビやウイルス、VOCなどを水や炭酸ガスに分解・除去する「可視光線型光触媒」を、玄関ホールに抗アレルゲン壁紙「アレルブロック」を、玄関手すりには抗ウイルス機能ビオタスクをそれぞれ採用している。

 見学会に臨んだ同社マインドスクェア事業部取締役事業部長・金児正治氏は「一般的な分譲事業は回転率を高めスピードを重視するが、今回の既存建物は使われている材料、仕上げ、デザインなど普通ではなかったので、解体を3週間延ばし、歴史をたどりそれを残していく企画にした。同時に安心・安全を担保するためストレスフリーの床、壁材などを採用することでプラスアルファの価値を実現した。販売も好調なので、今後は当社の最上位モデルとしてこの〝ヘリテージ〟をマンション、複合開発に採用していく。用地取得でも優位に立てる」などと差別化に自信を見せた。

 販売担当の同部東京西営業所所長・金井秀徳氏は、「周辺相場の5,000万円の半ばから後半よりかなり高い価格設定でも他社にない2.7mのリビング天井高、2×6工法、設備仕様レベルが評価された。ムービーパンフを採用することで接客時間の短縮もできた」と話し、プロジェクトリーダーの山口太郎氏は、建物調査で見つかった「棟札」や手斧(ちょうな)仕上げの面材を示しながらコンセプトなどについて熱く語った。

 同社はまた、今期4~11月までの分譲戸建ての契約棟数は前年同期比126%と好調に推移していることを明らかにした。2019年に分譲した戸建ての残戸数は10戸程度とのことだ。

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本物のポプラに手斧仕上げを施したタブロー窓

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2階リビングの窓際には鏡面仕上げのフローリングとすることで、モミジが映り込むようにしている

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旧邸宅のスケッチ

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 コロナ禍での同社の分譲マンション・戸建てメディア向け見学会は今回で4回目だ。他のハウスメーカー・デベロッパーはほとんど行っていないので、同社が独走している。

 小生は、ハウスメーカー・デベロッパーは記者を育てる役割を担っており、記者は現場(商品)を観ないと成長できないと思っているので、同社の決断を支持する。

 今回も見どころの多い見学会だった。正味は1時間半だったが、記者は取材の帰り、光が丘公園を歩き、あれやこれや見て回ったので都合3時間くらい掛けた。

 光が丘の戸建てと言えば、金児氏がこの日「うちが(入札に)負けた土地」と明かしたコスモスイニシアが4年前に分譲し、人気になった光が丘公園に近接する「グランフォーラム光が丘公園」(16戸)を真っ先に思い出す。

 今回の物件は、光が丘公園に近接していたコスモスイニシアの物件と立地条件は若干異なるが、設備仕様レベルなどを考慮すれば価格は割安感があると思う。

 モミジの既存樹を商品企画に取り込んだのもヒットした要因の一つだろう。モミジは「あと100年は持つ」とのモミジ専門の川口市安行の植木屋さんのお墨付きを得ているという、樹高にして7~8メートルくらいの巨木だ。

 マンションや大規模戸建て開発では、既存樹をそのまま残し、あるいは移植しシンボルツリーとする事例が少なくないが、10戸くらいの規模で約60㎡の植樹帯を設け、企画に反映させたものは三井不動産レジデンシャルの〝ファインコート〟にいくつかあるくらいではないか。

 その三井不動産は〝経年優化〟を積水ハウスは〝経年美化〟をそれぞれ掲げている。山万は〝千年優都〟だ。そしてまたポラスの〝ヘリテージ(遺産)〟が誕生した。半端でない取り組みが消費者に響くのだろう。

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現地(手前に「道しるべ」の文字が彫られた石塔)

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「槭樹(もみじ)の間」

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光が丘公園

感動の金児氏vs宮崎氏トーク 全196戸のポラス「柏」3カ月で100戸成約(2020/10/10)

調整区域の市民農園付き200㎡邸宅 ポラス「ハナミズキ春日部・藤塚」企画秀逸(2020/7/3)

Afterコロナ先取り ポラス「東京5LDK@練馬光が丘」テレワーク想定した企画ヒット(2020/6/19)

公園に近接 電線地中化、2階リビング天井高3.8m コスモスイニシア「光が丘公園」(2016/11/7)

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 12月1日(火)の感染者は372人となり、火曜日の感染者数としては8月4日の309人を上回り過去最多となった。経路不明者は223人で、不明率は59.9%となっている。累計感染者は41,311人となった。男女別では男性57.5%:女性42.5%で、年代別では20代と30代で52.8%を占めている。年代・性別・比率は次の通り。

・10歳未満784人(男:  411人、女:   373人)   1.9%
・10代  1,661人(男:  872人、女:   789人)  4.0%
・20代  12,160人(男:6,474人、女:5,686人)29.4%
・30代   9,651人(男:5,209人、女:3,442人)23.4%
・40代   6,271人(男:4,015人、女:2,259人)15.2%
・50代   4,961人(男:3,087人、女:1,874人)12.0%
・60代   2,272人(男:1,756人、女:1,016人)  5.5%
・70代   2,208人(男:1,202人、女:1,006人)  5.3%
・80代   1,355人(男:   568人、女:   787人)  3.3%
・90代    471人(男:  137人、女: 334人)  1.1%
・不明   14人

◇       ◆     ◇

 11月25日(水)~12月1日(火)の感染者は3,114人で、前週より135人増加した。この7週間のうちもっとも少なかった10月21日~27日の1,101人の3倍近くに激増している。

 注目すべきなのは重症化率が高い高齢者の増加だ。70歳以上の感染者は直近の1週間で357人となり、前週より62人増加。この7週間のうちもっとも少なかった10月28日~11月3日の116人よりほぼ3倍増の241も増加している。さらに詳しくみると、70代は4週前までは70~80人台だったのが、直近1週間では191人に増加。80代も40~60人台だったのが、この1週間は130人に倍増した。90代も10人台から3倍増となっている。

 60代の増加も目立つ。直近1週間は250人となり、もっとも少なかった6週前の92人より2.7倍増加している。

 このほか、100代~50代もこの1週間はもっとも少なかった週の2~4倍に増加している。

泥縄式のGo To トラベル 予約一時停止 用意周到の準備 必要ではなかったか(2020/11/23)


 

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「東京ミチテラス2020」

 東日本旅客鉄道東京支社と三菱地所は12月10日(木)から12月25日(金)までの16日間、東京駅周辺エリアで「東京ミチテラス2020」を開催する。

 演出テーマは「Message of Lights」。新型コロナウイルスに立ち向かう医療従事者とエッセンシャルワーカーへ感謝の意を伝えるとともに、新しい時代(ニューノーマル)に向かって進むすべての人を応援するため、感謝と応援のメッセージをアートカリグラフィー※で表現した大小のオブジェを展示する。

 会場は、東京駅丸の内駅前広場と行幸通り。三密回避やソーシャルディスタンスなどを踏まえ自宅などでも楽しめるようにする。

※「カリグラフィー」とは、「美しい書き物」という意味のギリシャ語で、アルファベットを独特のタッチで書く技術。「アートカリグラフィー」は、伝統的カリグラフィー手法とデザインセンスを融合させ、言葉の意味をこめながら絵のように表現するアート。

東京ミチテラス2020 公式WEBサイトhttps://www.tokyo-michiterasu.jp/

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「アートカリグラフィー」

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AR撮影イメージ

◇       ◆     ◇

 エッセンシャルワーカーとはどのような職種の人かよく分からないが、記者は東京都が発表した新型コロナ感染者の職業を調べたことがある。10月1日から11月8日までの感染者で職業が明らかになった4,470人のうち、会社員1,629人、無職499人、学生487人に次いで多かったのが、医療従事者182人+施設職員118人+医師43人の343人が医療従事者とエッセンシャルワーカーということになるのだろうか。

 比率的には1割にも満たないが、自らが感染するリスクを負いながら、人の命を救い感染拡大防止のために必死で働いている人を応援するイベントの開催は大賛成だ。アートに光を当てるテーマもいい。

就労環境を色濃く反映 都の新型コロナ感染者 職業を年代・性別に見る(2020/11/17)

アートプロジェクト「ソノ アイダ#有楽町」第3弾11/29まで期間延長 三菱地所(2020/11/11)

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「クリオレジダンス横濱綱島」

 明和地所が11月27日に販売開始した創業35周年記念プロジェクト「クリオレジダンス横濱綱島」の検地を見学した。同社初の「ZEH-M Oriented(ゼッチ・マンションオリエンテッド)」を採用した全100戸。

 物件は、東急東横線綱島駅から徒歩16分(横浜市営地下鉄グリーンライン日吉本町駅から徒歩10分)、横浜市港北区綱島西五丁目に位置する7階建て全100戸。専有面積は61.77~85.16㎡、第1期(9戸)の価格は4,892万~6,988万円(61.77~80.01㎡)。竣工予定は2022年3月下旬。設計はいしばし設計。施工は大勝。

 現地の用途地域は一部準工業地域だが、マンション化が進んでおり、嫌悪施設はほとんどない。敷地西側に2004年竣工の「ディアパークスコンフォートスクエア」(436戸)に、敷地北側は2007年竣工の「リステージ綱島ラグシス」(47戸)に隣接。小学校へは徒歩5分、綱島市民の森へは徒歩7分。綱島市民の森-綱島台公園-綱島公園全体で約8.7haもある。

 建物はコの字型で、標準階は南向きが9戸、中庭を挟んだ東向きが3戸、道路に面した東向きが4戸構成。

 主な基本性能・設備仕様は、一次エネルギー消費量比20%以上削減するZEH、リビング天井高2400ミリ、70㎡の南向きは6400ミリのワイドスパン、ディスポーザー、食洗機、二重サッシ、グリーンカーテン用フック、バルコニースロップシンク、ミストサウナ、通風窓・換気機能付き玄関ドアなど。

 同社建設担当者は「先進的なZEH-Mやパッシブデザインなどの新しい住まいの考え方を取り入れ、住まわれる方が自然を感じて心地よく暮らせる住まいを追求。住戸玄関の窓や通気口付きの玄関ドアから風が通り抜けるようなプランとし、敷地の中心にある水盤とシーズンガーデン(中庭)は、四季折々の変化を楽しめる植栽や、それを映す水盤の景色にこだわって計画しました」とコメントを寄せている。

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現地

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現地近くの横浜市指定有形文化財に指定されている「飯田家住宅」

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綱島公園入口

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「テレワーク(礼金・仲介手数料ナシ/更新料ナシ)」篇

 都市再生機構(UR)は12月1日、UR賃貸住宅のイメージキャラクターの女優・吉岡里帆さんと俳優・千葉雄大さんの新TV-CM「テレワーク(礼金・仲介手数料ナシ/更新料ナシ)」篇を全国で放映開始した。

 新CMでは、吉岡さん演じる“快適なくらし方を追求している動画クリエイター”と、千葉さん演じる“新進気鋭のエコノミスト”がテレワークでの会話を通じて、URのメリットである「礼金・仲介手数料ナシ」「更新料ナシ」を紹介する。

■吉岡里帆さんインタビュー

――今回のCMの見どころは?

 リモートという設定の撮影だったので、すごく今の時代にあった演出だと思いましたし、何より窓を開けた時の景色が本当に気持ちよさそうで、とても印象的でした。

――今回の撮影で印象に残っていることは?

 初めに千葉さんが撮ったリモートの映像に合わせて撮影をしたのですが、千葉さんと一緒にはいないんだけれど、ずっと千葉さんのことを考える撮影で、千葉さんと同じ角度、同じ高さ、同じタイミングでボードを合わせるという撮影が一番難易度高かったです。遠く離れているけれど、何とか一緒に頑張ります!という気持ちで撮影をしました。

■千葉雄大さんインタビュー

――今回のCMの見どころは?

 最近は、吉岡さんと一緒に撮影させていただくことが多かったんですけど、今回リモートという設定で、離れ離れではありましたけど心を一つに撮影しました。

――今回の撮影で印象に残っていることは?

 僕の家の設定がけっこう大掛かりで、新進気鋭のエコノミストだからかもしれませんが、本棚を押すときれいな窓が広がるという設定で、本当にすごい仕掛けだなと思いました。あと、いつもは蝶ネクタイなんですけど、今日は世界にひとつだけの縦型のネクタイの衣装で撮影をしていて、吉岡さんがすぐにネクタイに気付いてくれました。

新CMの本編とメイキング動画は、UR賃貸住宅のウェブサイトで公開されている。

URL:https://www.ur-net.go.jp/chintai/campaign/2021/spring/

◇       ◆     ◇

 記者は今年2月行われたURと三菱地所の「コモレ四谷」記者見学会で、吉岡さんの写真が載っているクリアファイルを頂いてファンになった。

 業界CMでは、〝アットホームであった、アットホームであった…会ったらびったんと〟のアットホームの藤田ニコルさんが双璧だと思う。

UR都市機構・三菱地所「コモレ四谷」満床稼働 建物デザイン美しく緑の量も確保(2020/2/21)

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「DAM(Digital Area Marketing)ソリューション」と従来商品との比較

 長谷工グループのデジタル戦略コンサルティング・デジタルマーケティングサービスを提供するデベロップジャパンは、マンションなどの集客、接客を支援する「DAM(Digital Area Marketing)ソリューション」を2020年11月から本格的に提供開始した。年内に追客までをワンストップで支援する統合型に更新する。

 「DAMソリューション」は、長谷工グループがこれまで不動産販売の現場で培ったエリアマーケティングの知見をもとに考案されたオンライン型のライブ物件案内サービス「Air-DAM(エアー・ダム)」と集客施策である「GEO-DAM(ジオ・ダム)」との連携を図ることで、販促活動の一元化と見える化を実現するソリューション提案。

 同社がこれまでに手掛けた過去3,000物件以上の新築マンションのデジタルマーケティングデータによるエリア分析力により、配信エリアの人口の85%以上をカバーし、チラシ広告と同等の細分化を可能にしたエリアセグメントに加え、ターゲティングの精度を高めているのが特徴。

 また、「バーチャル見学体験」の環境を構築し、さらにポータルサイト、リスティング広告、バナー広告などこれまで目的ごとに分断されていた販促施策を一元化することで、「認知/比較検討」から「見学」までを一気通貫で見える化を実現した。これまで取りこぼしていた潜在顧客へのリーチも可能にする。

◇       ◆     ◇

 マンションや戸建てなどを40年以上、年間100~200件を見学取材してきた記者も、現行の販促・集客広告は多くの課題を抱えており、顧客のニーズ・要望に応えているとは言いがたい。Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)は機能していないと思う。

 リリースにもあるように、「認知獲得/興味喚起」が主目的のチラシによる集客では直接効果・間接効果を定量的に分析できず、アナログでの対応により、来場時のチラシ持参者の数や来訪アンケートでの回答数により効果を計測しているのが現状で、「比較検討/情報収集」が主目的の様々な広告は来場を増やすという目的を満たしていない。

 その代表的なものが、モデルルーム来場時のアンケート調査だ。最近は以前と比べ随分やり方はスマートになってきたが、顧客の個人情報を重箱の隅をつつくように収集する慇懃無礼な行為であるのは基本的に変わっていないはずだ。

 問題なのは、顧客を丸裸にする情報を収集しながら顧客の要望には応えられず、潜在的なニーズを掘り起こせないことだ。記者はもう30年以上も前から、この種のアンケート調査はやめるべきだと主張してきた。いまも各社が行っている価格にオンされる〝来場者プレゼント〟も同様だ。

 なぜ、このようなマンションデベロッパーの企画・広告意図と顧客ニーズのミスマッチが生じるか。答えは簡単だ。今も昔も変わらないはずの物件選好の基本「3K(交通便・価格・環境」あるいは「3P(プレイス・プライス・プラン)」をデベロッパーは伝えきれていないからだし、これらと対をなすネガティブ情報の処理を行えていないからだと思う。〝憧憬の丘に住まう〟などと手垢にまみれたカビが生えそうなフレーズが幅を利かす現状を変えないといけない。

 

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