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仲井氏(セピアタワーで)

 積水ハウスは3月5日、2026年1月期決算&第7次中期経営計画説明会を開催した。決算と中計の数値などはあと回しにして(発表された時点で情報は全て旧聞になる)、記者が感じたことを先に紹介する。「積水ハウス経済圏」と、今年のマンション市場で最大の注目物件である同社の「千鳥ヶ淵」についてだ。

 第7次中期経営計画の説明で同社代表取締役兼CEO社長執行役員・仲井嘉浩氏は冒頭、「当社が掲げるグローバルビション〝『わが家』を世界一幸せな場所にする〟を実現する第7次中期経営計画基本方針のスローガンとして2つを決定した。一つは、国内のグループ総合力による積水ハウス経済圏の深耕で、もう一つは海外のゲームチェンジに向けた成長基盤の構築」と語った。話し始めてから数分だ。

 続いて「積水ハウス経済圏」とは何かについて、仲井氏は「当社はこれまで約280万戸の住宅を供給してきたトップメーカーであり、1世帯当たり4人弱が住むと仮定して1,000万人近い人が当社の住宅に住んでいるという計算が成り立つ」と話した。

 そして、これらの世帯にはリフォーム、リノベーション、不動産活用、賃貸管理、資産承継、不動産売買、官民連携(PPP/PF)、造園、ランドスケープ、不動産投資、金融商品など様々な顧客ニーズが存在し、同社グループはこれらのニーズに応えるためリアルとデジタルにより顧客接点をさらに強化すると語った。

 他のメディアの方はどう受け止めたか知らないが、記者は初めて仲井氏から「積水ハウス経済圏」なる言葉を聞いた。後の約30分間の話(うち米国に関するものは15分はあったが)は全てこの「積水ハウス経済圏」と結びつけた。

 小生の取材守備範囲は主にマンションと分譲戸建てなので、同社の売上高約4.2兆円の10%くらいにしか過ぎないが、話は一つひとつコツンと腑に落ちた。話を聞きながら同業の売上高が約5.4兆円の大和ハウス工業や三井不動産、三菱地所、住友不動産(3社合計売上高約5.1兆円)などと比較した。

 同社がこれらの会社と決定的に異なるのは、経営資源を4大都市圏(首都圏・関西圏・名古屋圏・福岡圏)に絞り込んでいることだ。同社はこの拠点を「GM BASE」位置づけ、ここから派生するあらゆる事業も取り込もうとしている。〝網からすり抜ける小魚も逃さない-と書くと〟資金力にものを言わせる一網打尽、底引き網漁法と受け取られるかもしれないが、同社の商法はその逆だ。仲井氏はそれほど触れなかったが、地域ビルターとの共創プロジェクトSI事業にいかにも同社らしい姿勢を読み取ることができる。どうして記者が1日かけて浜松まで取材に行ったか。同社の事業がどうして伸びるのか、「深耕」の意味を探ることにあった。ESG経営、地方再生、地域共生の基本を見た。愛」と一緒、奪うことではなく与えることだと。

 話は横道にそれるが、三井不動産と三菱地所の関係について。両社は、双方の利害が一致する事業ではがっちり手を組む。戦友、同志だ。絶対他社に奪われない。しかし、〝日本橋〟〝大丸有〟に象徴されるように、覇権争いでは(米中関係に例えるのは問題か)、血みどろの戦いを展開している。不倶戴天の敵だ。

 先日、三菱地所の「TOKYO TORCH  Torch Tower」の低層部ダイヤグリッド(DG)架構が完工したのに伴うメディア向け現地説明会が行われたのだが、わわざわざ井桁(三井グループ)とダイヤ(三菱グループ)の模型を用意し、メディアに試させた。記者も試した。井桁はいとも簡単に曲がった。しかし、ダイヤはびくともしなかった(主催者が意図したことではなかったはずだが、〝右向け左〟の記者はどうしても比較してしなう)。面白いのは施工を担当する清水建設だ。三井不動産が主導する日本橋の玄関口にあたる素晴らしく美しい「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」が近く竣工するが、施工は清水だ。ゼネコンに共通することだが、施主には頭が上がらないということであり、どこであろうと手を組む柔軟性を備えているということだ。

 話をもとに戻す。記者団の質問に対して答えた仲井氏の次の言葉にびっくりした。「一次取得層向けの1stレンジは積水ハウス不動産が担当し、当社(積水ハウス)は2ndレンジ(建物価格にして3,000万円以上)の土地しか買わない」

 疲弊するだけで利益など得られないパワービルダーや地方のマンション事業に手を出さない姿勢を貫いている。これも「積水ハウス経済圏」の形成と一致する。

 一方で、3ndレンジと呼ばれる建物価格が5,000万円以上の富裕層向けについて仲井氏は言及したはずだか聞き逃した。2025年度の1棟当たりの注文住宅の受注単価は5,642万円(前年比394万円増)、売上高総利益率は25.0%だ。この数値が示す通り、市場は縮小する中で同社も売上げは伸び悩んでいるが、ターゲットを絞り込むことでしっかり利益を確保している。

 こんなことを書くと、どこからも取材の誘いを受けなくなる可能性があるのだが、面白い話をもう一つ。先ほど、三井不動産と三菱地所は手を組むことが多いと書いたが、大和ハウスと積水ハウスが手を組むのは国家的プロジェクトではあるかもしれないが、その他の事業ではまずない。大阪の「うめきた」再開発に大和ハウスはコンペに敗れて参加していないし、東京の「HARUMI FLAG」に大和ハウスは参加しているのに積水ハウスは参加していない。呉越同舟の場面は見たことがない。

 積水ハウスの米国での事業は、小生は門外漢なので触れない。知らないことは書くべきではないというのが小生の取材姿勢だ。仲井氏は質疑応答で「米国の市場回復は緩やか。〝先行き不安〟と考えている人が多いのに驚いた」と語っただけを紹介する、トランプ氏のカードを読み切れていない不安・戸惑いをいつも冷静な仲井氏から感じた。

 質疑応答では、小生の守備範囲であるマンションについて誰かが質問してくれることに期待したのだが、みんな関心がないのだろう。指名されるかどうか分からなかったし、質問しても答えてくれないのを承知で、「今年の全国のマンション市場でもっとも注目されているのは御社(積水ハウス)の『千鳥ヶ淵』。私は、バブル期も含めて史上最高値の坪単価3,500万円でも売れると予想しているが、いつごろ、いくらで分譲するのか」と質問した。

 これに対して、仲井氏ではなく同社取締役専務執行役員開発型ビジネス部門担当 国際事業本部長・石井徹氏は「多くの反響をいただいているが、いつ分譲するかは分からない。価格は非開示」と答えた。-皆さん、多分、「千鳥ヶ淵」は一般に公開されることはないと思う。どこかすっぱ抜くメディアはないのか。ビッグニュースになる。

 ――なんだか馬鹿な記事を書いたような気もするが-〝面白くなければ記事じゃない〟-フジテレビの軌道修正は成功するのか。小生は懐疑的に見ている。仲井氏に赤の絹谷幸二ネクタイを売りつけようとしたが機会はなかった。(同社の女性広報担当は「素敵、次回の説明会にそれを着けてきて」とおだてた。今日の仲井氏の淡いブルーのネクタイよりはましだと思うが、かみさんが許してくれるかどうか)

 

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「Asu-haus(アスハウス)横浜青葉モデル<榧日(ひび)>」

 旭化成ホームズは2月4日、高断熱・高気密住宅ブランド「Asu-haus(アスハウス)」の賃貸住宅実証実験棟「横浜青葉モデル<榧日(ひび)>」が完成したのに伴うメディア向け見学会を行った。横浜市青葉区の戸建て住宅街の一角に位置する、木造2階建て長屋建て店舗兼用住宅3戸で、職住一体の暮らしを提案しているのが特徴。今後年末まで入居者調査を通じて木造事業を本格的に立ち上げるかどうかを決定するという。

 建物の特徴は、①断熱等級7、耐震等級3、全館空調を全住戸標準採用し、快適性と省エネを両立②職住一体の新しいライフデザインを提案する店舗兼用賃貸住宅③駅から離れた低層エリアの緑豊かな環境を生かしつつ、地域のコミュニティ形成を図り〝オールドニュータウン〟の課題解決につなげる-この3つで、賃貸オーナー・入居者・地域社会の〝三方良し〟の持続可能な賃貸事業モデルの構築を目指す。

 物件は、東急田園都市線あざみ野駅から徒歩21分(バス5分徒歩4分)、横浜市青葉区大場町の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する敷地面積約320㎡、木造軸組工法2階長屋建て全3戸。専用面積は78~82㎡(店舗面積は規制により3戸で50㎡以下)、想定家賃は31~32万円。入居は3月予定。

 運営に当たっては、賃貸住宅の企画・運営や不動産・都市プロデュース、公共空間活用、店舗運営などを展開する株式会社まめくらしとコラボし、コミュニティ支援イベントを行う。

 今後、2026年12月にかけて、設定家賃での入居状況や入居者ニーズ、地域コミュニティとの形成など入居者調査を通じ、提案が市場に受け入れられるかどうかを検証し、木造住宅市場に本格的に参入するかどうかを決めることになっている。

 同社は1972年の創業以来、戸建住宅「ヘーベルハウス」と賃貸住宅「ヘーベルメゾン」を中心に事業展開してきたが、今後は人びとの「いのち・くらし・人生」全般を支え続けるLONGLIFEな商品を通じてウェルビーイング向上をサポートするライフデザインカンパニーを目指している。

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門扉「榧日(ひび)」の銘板は、同地に樹齢600年の榧木が公園に植えられていることから付けたのだそうだ。昔は榧場もあったという

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エントランス(階段のところの葉っぱの形は見えないか)

◇      ◆     ◇

 上段の記事は同社が昨年12月に発表したリリースのコピペだ。記者は読まなかったので、現地に着くまで何の見学会か知らなかったのだが、物件の外観・外構デザインを見て、「Asu-haus(アスハウス)甲州街道モデル」の〝続編〟だと分かったとき、企画意図を理解した。内観も見て、堅牢ではあるが、いかにも鉄骨とコンクリからなる〝へーベル〟のイメージを劇的に変えると確信した。素晴らしい!の一言だ。プロジェクトにかかわった担当者の熱意がストレートに伝わってきた。写真もたくさん紹介する。下手な記事より写真を観ていただきたい。先に書いた東京建物&三井ホームの木造賃貸マンション「Brillia ist 洗足池の杜」と一緒に読んでいただきたい。

 担当者の一人で、体重は川畑文俊会長と同じ100キロくらいありそうな同社GREENOVATION推進室企画グループ・新井一弘氏に声を掛け、〝へーベルのイメージを劇的に変える〟と話したら、その答えがまた素晴らしい。新井氏は「いえ、ヘーベルのイメージがいいから、私たちも全力で取り組める。お客さんもいい印象を持っていただける」と語った。

 新井氏のこれまでのキャリアは知らないが、肩書に一級建築士とあるから「へーベル」一筋だったはずだ。顔には〝こんな住宅を手掛けたかった〟と書いてあった。

 また、同じグループで一級建築士なのも同じ保田陽子氏にも話を聞いたが、嬉々として企画意図を語った。写真にあるエントランスの葉っぱの文様デザインは保田氏の〝遊び心〟がなせる業のようだ。

 どこかで会ったことがあると思っていた同室シニアアドバイザー・白石真二氏は、「Asu-haus(アスハウス)甲州街道モデル」でしばし歓談した方だった。時間があったら、じっくり話し合いたかった。とても楽しい方だ。

 GREENOVATION推進室室長・藤原純一氏は約20分間、住戸1階のクリ材の床に正座して企画意図などを説明した。最高等級の高気密・高断熱を強調したのもさることながら、「心豊かな幸せな暮らしを提案した。地域の元気な人を増やしたい。2日前に行った家開きには近隣の方192人が参加してくれた。どんな人が入居してくれるのか楽しみ。プロジェクト開始から2年が経過する。これでやめるのか継続するのか決める」と腹をくくった様子だったのが印象的だった。

 検証の結果、どうなるか記者は分からないが、多分、川畑会長も大和久裕二社長も〝ゴー〟サインを出すと思う。1低層の様々な問題を解決するのは喫緊の課題だ。チャンスを生かさない手はない。

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エントランス

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エントランス

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つくばい(記者ならこれを水琴窟にする)

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藤原氏(左)と新井氏

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保田氏(左)と白石氏

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内観(土間)

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内観(1階住居部分、床はオーク材、またはナラ材)

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土間(手前)と大谷石の沓脱-なぐり仕上げの框(床はナラ材)

◇        ◆     ◇

 前段で「Brillia ist 洗足池の杜」の記事と一緒に読んでいただきたいと書いた意図は2つある。一つは、建築物の木造・木質化に積極的に取り組んでほしいという願いだ。

 もう一つは、この日参加した20名のメディアに対しての叱咤激励だ。小生は50年近く、年間100件から200件、分譲も賃貸もマンションも戸建ても大手も中小も差別なく取材してきた。だからこそ多少は物件の良否がわかる。まず、前段に書いた通りになるはずだ。

 他の記者の方たちはどうかというと、若い人もいたが、それなりの年齢を重ねたベテランの人も少なくなかった。

 しかし、資料も配布され、各氏から十分説明を受け、物件も見たはずなのに、それでも担当者に延々と質問する記者がたくさんいた。都市計画法、建築基準法の基本である用途規制や建築規制を知らないからそのようなことになる。

 この光景を見て、同社が昨年行った「アトラスシティ千歳烏山グランスイート杜ノ棟」見学会を思い出した。このときも多くの記者が駆けつけていたが、都の「マンション環境性能表示制度」や坪450万円の意味することを理解できた記者はほとんどいなかった。自分が見たものの価値判断ができなければいい記事など絶対書けない。厳しいことを言うが、言わないと分かってもらえないのであえて書いた。嫌われても全然平気、依拠するのは読者の方だ。

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「Brillia ist 洗足池の杜」

 東京建物と三井ホームは3月2日、東京建物初の木造賃貸マンション「Brillia ist 洗足池の杜」が完成したのに伴うメディア向け内覧会を実施した。東建グループが重要マテリアルティの一つとして掲げる「脱炭素社会の実現」に、三井ホームが推進する木造建築技術「MOCX」がマッチして実現したもの。規模がそれほど大きくないため、CO2削減量、木材使用量は三井ホームがこれまで手掛けてきた木造マンションなどには及ばないが、建物全体の木造・木質化率では互角かそれ以上と見た。

 内覧会で東京建物住宅賃貸事業部主任・佐々木亮将氏は、木造賃貸マンションを取り組むのは、同社グループが掲げる重要なマテリアルティの一つである「脱炭素社会の実現」に寄与するためで、構造材はもちろん共用部のアプローチ、フェンス、エントランスなどに天然木材をふんだんに用い、1階と3階住戸の一部の壁・天井、床、キッチン・洗面収納の面材に天然木建材を採用したと話した。

 また、三井ホーム施設・賃貸設計部グループ長・奈留隆善氏は、同社の木造マンション第一号の木造マンション第一号「MOCXION(モクシオン)稲城」をはじめこれまで手掛けてきた木造賃貸や学生マンションに採用した木造建築技術「MOCX」の知見が存分に発揮されていると語った。

 物件は、東急池上線洗足池駅から徒歩5分、石川台駅から徒歩4分、大田区東雪谷一丁目の商業系と住居系用途にまたがる敷地面積約1,117㎡、木造枠組壁工法、一部RC造・5階建て延床面積約2,073㎡、総戸数42戸。専用面積は28.26~50.14㎡、月額賃料は1DK(28㎡)が15.6万~16.3万円、1LDK(30~40㎡)が17.8万~18.5万円、2LDK(40~50㎡)が22.0万~25.6万円。木質化住戸の賃料は一般住戸より3,000~7,000円高く設定。事業主は東京建物。設計・監理・施工は三井ホーム。竣工予定は2026年3月10日。

 物件の構造材および内外装仕上げ材における木材使用量は503.02㎥で、同規模のRC造物件と比較したCO2削減量は309t-CO2、炭素固定量は538t-CO2。36~40年生のスギ約1,769本分の炭素貯蔵量に相当する。ZEH-M Orientedを取得している。

 2月27日からリーシングを開始し、2月末で10%に申し込みが入っている。

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木質化住戸(床はクルミ)

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木質化住戸(天井はオーク)

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木質化住戸(収納扉はセン)

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エントランス

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ラウンジ(外のフェンスも木とか)

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内廊下

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 この物件については、三井ホームが昨年8月に構造現場内覧会を実施したのを取材しているので、そちらの記事を参照していただきたい。竣工建物は、これまでと同様、木造「現し」は期待できないだろうと思っていたのだが、エントランスに入って目を疑った。一見して、壁や天井、床、造作材などはケミカル製品でないことが分かった。「稲城」以上かとも思った。

 耐火・防火基準(道路側の5階部分は2時間耐火、3階建て部分は1時間耐火)やコストを考えてだろう、すべての住戸ではなかったが、1階の木質化住戸の床はクルミ、キッチン・洗面収納扉はセン、天井はオーク、バルコニーの軒天はトドマツだった。このほか住戸サインなど細部にウォールナット、ブラックチェリーなどの木が採用されていた。木材使用量はともかく、賃貸マンションでここまで木造・木質化を図った物件は見たことがない。この前見学した福島市の「桜の聖母学院中学校新校舎」も美しかったが、やはり木は美しい。

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現地(西側から写す)

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エントランス

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サイン

◇        ◆     ◇

 実は、この記事は昨夜までにほとんど書き上げていた。今朝(3月4日)、ホームページにアップしようと思ったら、保存するのを忘れたためか予定記事は消えていた。

 仕方がないので、午前中の旭化成ホームズの賃貸木造長屋「横浜青葉モデル」(これまた素晴らしい)の取材を終え、スマホを開いたら、頼みもしないのにだしぬけに「木造マンションは儲かるのか? 」の見出しの記事が目に飛び込んできた。この「洗足池の杜」に関する女性記者の署名入り記事だった。仕方なしにスクロールしてざっと読んだ。「?」が付いていることでも分かるように、メディアがよく使う常套手段の手垢のついた見出しだ。失礼だが、中身も〝素人〟が書いたものだとすぐ分かった。

 いちいち他人の記事にコメントするのもどうかと思うが、貴女がメディアで生きていこうとするなら、老婆(爺はないのか)心ながら、一言申し上げる。気を悪くしないで頂きたい。美しく生きてほしいからだ。

 ビジネスは〝儲かるかどうか〟はとても大事なことだが、記者はそれだけでは不十分で冷静な目でモノを見る目が必要だ。貴女だけでなく、メディアの多くは、木造と鉄やコンクリと比較して〝コスト〟を訪ねる。いい加減この種の問いはやめようではないか。〝損得〟以外に人間として考えないといけないことがある。

 この前も紹介したスーザン・ジョージ「これは誰の危機か、未来は誰のものか」(岩波書店)から少し引用する。「二酸化炭素は大規模な汚染源であり、現在のレベルでは人間も他の生き物も生命が脅かされる。温室効果ガスの排出には課税し、再生可能エネルギー源は非課税にし、むしろ補助金を出すことによって、温室効果ガスを削減する」ことは喫緊の課題だ。

 小生もそうだが、貴女もまた年間にして体重の数倍のCO2を吐き出している。われわれも自然の一部でしかない(そればかりか、小生などは毒を垂れ流しているという自覚はある)。

 罪の意識があるので、取材だろうが何だろうが、街を歩くときは街路樹や雑草と会話している。実に楽しい。もう一つ付け加えるなら、河馬かトドのような男には全く興味はないが、女性は若くてもお年寄りでもとても美しいと思う。今日も、街路樹の名前を知りたくて、あざみ野の住宅街で80歳くらいの女性に「お嬢さん? この木の名前は何ですか」と声を掛けた。その女性の方も木の名前を知らなかったが、とても美しい方だった。

 先日は春一番が吹いたではないか。沈丁花は満開だ。今日あたりは啓蟄か。貴女も週末は山でも川でも海でもいい、散歩してはどうか。自然の素晴らしさが分かるし、いかに我々も自然も危機的な状況にあることも知ることができる。

 スーザン・ジョージ氏の結びの言葉を紹介する。

 「私は理性、分別、可能性の世界の方がいい。自分が何かを書いたり、考えを伝えてだれかに届けられると考えたい。自分にも何かができ、他の人に行動を促す契機になれるかもしれない。取るに足りなくても決定的に重要な一粒の砂になり、より安全で環境に優しくて公正で、人間的で文化的な形に、システムをリセットさせられるかもしれない。

 その一粒の砂はあなたかもしれない」

木造「現し」を多用三井ホームが設計・施工「桜の聖母学院中学校新校舎落成式」(2026/2/22)

木造賃貸&ZEH-M 満足度は98%三井ホーム「稲城」入居者アンケート(2022/12/3)

三井ホーム&東京建物木造マンション「(仮称)洗足池」構造現場内覧会に800人(2025/8/30)

 

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〝皆さん、マンション派? 戸建て派? 〟(マンション派のほうがやや上回ったか)

 オープンハウスグループが2月27日に行った婚活イベント「婚家Party2026」を見学取材した。イベントは20~40代の未婚の男女が参加条件で、当日は男性31人、女性26人が参加。8組のマッチングカップルが誕生した。

 イベントは、2024年に開始した同社のマッチングサービス「婚家結」への登録数が300名を超え、〝理想の生活スタイルが似通っている相手を先に見つけ、共に理想の住まいを実現する〟ことを応援するのが狙いで、2025年5月に続き第2回目。

 会場に当てられたのは、表参道駅に近い結婚式場。開始は19時から。受付で仮面を受け取りパーティ会場へ-同社のそれぞれ戸建て・マンションの〝プロ〟によるプレゼン-2択クイズによる移動-マンション立地派・戸建て立地派・マンション間取り派・戸建て間取り派の4グループに分かれて2択ゲーム-パーティ会場に戻りフリートーク-結果発表、マッチした人への贈呈品プレゼントまで終了は21時。

 マッチングが成立したカップルの1組で、同社が会場内に設けた特別相談所で具体的な戸建て物件の説明を受けていた、IT関連会社に勤務する大阪市出身の女性(31)は、「海が大好き。サーフィンをやってます。海に近いところか海が見えるところに住みたい。茅ヶ崎がいい」と話した。都内の25㎡、家賃12万円の賃貸に住んでいるという。一方の広告代理店に勤務する、都内の1LDKの賃貸(広さは分かっていない様子)山形県出身の男性(32)は「サーフィンは練習します」と話し、二人は意気投合しているように感じられた。

 また、イベントに参加した家賃12万円(25㎡)の賃貸住宅に住むテレビ局勤務の男性(30)は「恋人? いない。住まいを自分ごととして考えるきっかけになった」と話した。

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〝住宅ローンは35年以下? 35年超? 〟(35年以下が圧倒的に多かった)

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特別相談を受けるカップル

◇        ◆     ◇

 仮面をかぶりパーティを行うのは、賛否両論が飛び交った中世ヨーロッパの「仮面舞踏会」を連想させるものがあり躊躇したのだが、分譲も賃貸も値段・賃料がどんどん上がり、未婚の人の住まい選びがかつてないほど厳しくなっているので、住まいと結婚をどのように考えているか、率直な声を聞きたくて取材を申し込んだ(小生も仮面をかぶって酒を飲みたかったのだが、取材者はそのような形での参加はできなかった)。

 イベントの開始から終了まで様子を眺めることはできたが、参加者と一緒に会話することはできなかったので、〝老人の冷や水〟を浴びせかけることができなかったのは残念だったが、2択ゲームで〝「完済」までの人生設計(ローンは35年以下か、35年超か)、どっちが現実的? 〟〝洗濯物に求める「正解」はどっち? 〟〝玄関に並ぶ「靴」、どこまで許せる? 〟など相性を測るうえで重要な設問が設けられていた。

 〝一人口では食えぬが、二人口は食える〟-小生は自慢じゃないが、これまで約50年間、大手と中小を差別などせず公平に、分譲と賃貸のマンション・戸建てを年間にして100~200件見学してきた。少なく見積もって年100件として5,000件だ。マンションの坪単価を的中させられるのもそのお陰だ。マッチングが成立した二人が相談した茅ヶ崎の物件は、現在の市況から考えると、割安で求めやすい物件だと思う。

 異性と付き合うのは多いほうがいいと思うが、結婚は速いほうがいいとも思う。大切なのは「愛」だ。

Screenshot 2026-03-03 at 16-09-57 【三菱地所レジデンス】~駅近×高台×大規模複合開発、赤羽駅西口の新ランドマーク~ 「ザ・パークハウス 赤羽台タワー&レジデンス」始動 三菱地所.png
「ザ・パークハウス 赤羽台タワー&レジデンス」

 三菱地所レジデンスは3月3日、東京都北区と都市再生機構(UR)による「赤羽台ゲートウェイ計画」に基づく公募により選定された「ザ・パークハウス 赤羽台タワー&レジデンス」のメディア向けモデルルーム内覧会を開催した。標高20m(駅からの比高差約10m)の高台に立地することから、エントランス部分にエスカレータを設け、敷地内に予定されている店舗利用を含め、街に開かれた駅西口のランドマークを目指す。坪単価は750万円と予想した。

 物件は、JR赤羽駅西口から徒歩4分、北区赤羽台1丁目の第一種住居地域・第一種中高層住居専用地域・近隣商業地域・商業地域(建ぺい率60%、容積率300%に位置する敷地面積約13,759㎡、29階建て全550戸(他に生活利便施設5区画、公共自転車置場1区画)。専有面積は31.33~137.83㎡、価格は未定だが、タワー棟の58㎡で11,000万円台(坪526万円)~、69㎡で15,000万円台(坪717万円)~、坪単価は非公表(記者は750万円と予想)。竣工予定は2028年10月中旬。売主は同社(事業比率50%)のほか住友商事(非公表)、近鉄不動産(非公表)。設計・施工は前田建設工業。第1期の販売開始は2026年5月中旬。

 現地は、区立小学校やURの賃貸住宅が建っていた高台で、区とURの事業コンペに選ばれて建設するもの。比高差が約10mあるため、29階建てタワー棟(430戸)と5階建てレジデンス棟(120戸)の間のアプローチ・エントランス部分にエスカレータを設置し、敷地内に予定されている5区画の店舗、駐輪場(400台収容)も含めて第三者の利用を可能にする。

 主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented認定、リビング天井高2450~2700ミリ、深型食洗機(一部)、シーザーストーンキッチン天板、ソフトクローズ機能付き開き戸(トイレ・洗面除く)など。共用施設として宅配ロッカー、ゲストルーム(2室)、スカイラウンジ、ランドリージなど。

 内覧会で同社常務執行役員・岡橋志郎氏は、「当社は『一生ものに、住む。』を理念に掲げており、長期的な目線で判断していただくよう計画した。駅近の立地、利便性、商品企画に満足いただけるはず」と語った。

 同社第一開発部グループマネージャー・堀池悟氏は「利便施設として5区画約1,500㎡と収約400台収容できる自転車置き場を設置し、地域に開かれた街づくりを目指す。プランバリエーションも95タイプ用意し、多様なニーズに応える」と話した。

 また、同社販売一部統括・森俊輔氏は「エントリーを開始してから4か月で反響は約7,000件。1月から開始した先行モデルルーム来場者は1,000件。予約が取れない状況。30~40代の買い替え層が中心で、北区居住者が約20%でもっとも多いが、中央区民も10%に達している。湾岸エリアを回遊している人が目立つ。このほか都内、埼玉、千葉、神奈川など広域的に集客できている。モデルルームは今週末にオープンする。第1期販売は5月中旬、タワー棟から開始する。レジデンス棟は未定」と語った。

Screenshot 2026-03-03 at 16-08-00 【三菱地所レジデンス】~駅近×高台×大規模複合開発、赤羽駅西口の新ランドマーク~ 「ザ・パークハウス 赤羽台タワー&レジデンス」始動 三菱地所.png
スカイラウンジ(左)とコミュニティ棟

Screenshot 2026-03-03 at 16-08-25 【三菱地所レジデンス】~駅近×高台×大規模複合開発、赤羽駅西口の新ランドマーク~ 「ザ・パークハウス 赤羽台タワー&レジデンス」始動 三菱地所.png
外観(左)とエントランスホール

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左から森氏、堀池氏、岡橋氏

◇        ◆     ◇

 記者は独身の頃、赤羽に住んでいた。東口の〝せんべろ〟はよく利用した。西口には当時、映画館や古本屋くらいしかなかったが、その後再開発により駅前の商業施設が整備され、東口とそん色ない街になった。

 いま、東口では野村不動産の床空調システム「床快full」を装備した32階建て複合「プラウドタワー赤羽」325戸のエントリーも始まった。単価は〝プラウド〟のほうが高くなると思う。〝一生ものに、住む〟(三菱地所レジデンス)か一生に三度〟(野村不動産)か検討者にとって悩ましい選択だ。賑わいは東口だが、住むなら西口だと記者は思うが…。

 これは不確かなのだが、同社担当者と同業の記者が話し合っていたのを小耳にはさんだ。137㎡の最高に素晴らしいモデルルームは5億円台(坪1,200万円台)とか。これが事実なら、ものすごく安い(小生は8億円と予想した)。大和ハウス「船橋」の134㎡の価格は72,900万円(坪1,795万円、キャンセルとなった模様)だ。皆さん、比較していただきたい。

 それにしても、2010年に分譲された野村不動産「プラウドシティ」の坪単価は265万円で、当時としては高かったが圧倒的な人気を呼んだ。あれから16年、単価は3倍近くに跳ね上がっている。三菱地所レジデンスが2021年に分譲した「ザ・パークハウス 赤羽フロント」(70戸)と比べても2倍近い。

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模型 南側タワー棟(左)と東側レジデンス棟

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137㎡モデルルーム(リビング天井高は2700ミリ)

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タワー棟標準階のモデルルーム(リビング天井高2600ミリ)

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接客ブース

エリアの最高値更新へ三菱地所レジコンパクト&ファミリー「赤羽」(2021/9/17)

赤羽の一等地 野村不動産「プラウドシティ赤羽」(2010/10/14)

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K HOUSE 大宮」 

ケイアイスター不動産は32日、マンション「K HOUSE 大宮」のメディア向け見学会を行った。リクルートの「住みたい街(駅)ランキング」で14年連続埼玉県1位(20252位)の大宮駅東口から徒歩8分、全住戸角住戸で敷地北側は小学校に隣接。専有面積を圧縮し、単身・DINKSにターゲットを絞り込んでいるのが特徴。

物件は、大宮駅から徒歩8分、さいたま市大宮区仲町三丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率400%)に位置する敷地面積約619㎡、13階建て全45戸。専有面積は43.0155.89㎡、価格は未定だが5,400万円台から、坪単価は540万円を予定。竣工予定は2027831日。設計・監理は西尾建築設計。施工は新日本建設。管理は新日本コミュニティー。販売代理はシティインデックス。販売開始は3月中旬。

現地は、商住混在エリアの一角で、敷地北側は小学校。氷川参道に近接(徒歩2分)。建物は内廊下方式を採用し、1フロア4戸構成、全戸角住戸タイプで、40㎡台が43戸、55㎡台が2戸。主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、食洗機、ウルトラファインバブルなど。

同社グループのケイアイスタービルド営業部マンション課参事・福田伸矢氏は「グロスを抑えた。坪単価700万円の浦和』には負けない。2年前、マンション課を設置した。3年後には売上高300億円を目指す」と、同社広報部部長・堀込勇介氏は「(RBA野球の同社エースで取締役常務執行役員Co-CSO・浅見匡紀氏)浅見? 元気。毎日10キロ走って出社している」とそれぞれ語った。

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モデルルーム

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現地(敷地南側から写す)

        ◆     ◇

 人それぞれで、何を重視するかで街の評価は異なるが、街の賑わいを重視すれば、「住みたい街(駅)ランキング」で「横浜」に次ぎ首都圏2位に「大宮」がランクインしているのは納得する。都心部の主要ターミナル駅と横浜には負けるが、他には負けない。大宮駅グランドセントラルステーション化構想など再開発計画がいくつもあり、今後の発展がさらに期待される。

 取材の帰り、駅に近い飲食店でビールとわが三重県の瀧自慢、ザ・マッカラン12年ものを飲んだ。雑多な街も魅力の一つだ。

 同社がマンション事業に本格参入するのは大賛成。市場縮小が続く中で、後発が消費者の評価を受けるためには徹底した差別化が必要だと思う。浅見さんも頑張れ。

申し分ない住環境 平均専有面積85 ケイアイスター不動産「仲町台」(2025/10/24

タウン快勝 投げて打って松原 サイクル安打5打点 ケイアイスター浅見の1打点のみ(2025/10/9

〝不惑超え〟エース 本業も率先垂範 好調ケイアイスター・浅見匡紀氏(41)に聞く(2020/7/7

 

 国土交通省は2月27日、2026年1月の新設住宅着工戸数をまとめ発表。総戸数は55,898戸(前年同期比0.4%減)となり3か月連続の減少となった。利用関係別では、持家は14,418戸(同6.6%増)と10か月ぶりの増加となったが、貸家は24,032戸(同1.5%減)と3か月連続の減少、分譲住宅は17,035戸(同4.8%減)と先月の増加から再びの減少となった。分譲住宅の内訳は、マンションは7,370戸(同18.6%減)、一戸建住宅は9482戸(同8.8%増)となった。

 地域別では、首都圏は総戸数22,17戸(前年同月比0.9%増)で、持家は3,296戸(同10.1%増)、貸家10,752戸(同12.8%増)、分譲住宅8,048戸(同14.0%減)となった。

 首都圏マンションは総戸数3,656戸(同33.7%減)で、都県別では東京都1,149戸(同67.9%減)、神奈川県914戸(同6.0%増)、埼玉県316戸(同26.9%増)、千葉県1,277戸(同54.6%増)となった。千葉県は先月の434戸(同236.4%増)と合わせ1,711戸となり、令和6年度の着工戸数5,543戸の30.9%を占めている。昨年の供給戸数は同年の着工戸数を上回っており、今後の動向が注目される。

 首都圏戸建ては総戸数4,392戸(同13.4%増)で、都県別では東京都1,561戸(同29.9%増)、神奈川県1,068戸(同12.2%増)、埼玉県846戸(同10.5%減)、千葉県759戸(同19.5%増)。

 

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芳井氏(左)と大友氏(パレスホテルで)

 大和ハウス工業は2月26日、恒例のマスコミ懇談会を開催した。昨年4月1日付で同社代表取締役会長・最高経営責任者(CEO)・海外本部長に就任した芳井敬一氏は本業には触れず、母校・中大ラグビー部が1部昇格を逸したことと、ウクライナを訪問した際の〝戦場〟の体験談を語った。〝経営者はかくあれかし〟と呼び掛けたのだろう。油断大敵、流れをつかめということだ。同社の懇談会はとても面白い。

 冒頭、芳井氏は次のように語った(多少、脚色した)

 「会長に就任して1年間、なんとか頑張っている。業績については皆さんご存じだと思いますので、今日は経営にも通じるスポーツの話をします。(芳井氏は中大ラグビー部出身)。昨年末(12月13日)、ラグビー関東大学リーグ戦1部・2部入替戦が行われました。1部リーグ最下位の日大と2部で優勝した中大の試合です。中大は第3クォーター、残り10分まで15点リードしていました。必勝パターンです。勝利を確信した監督さんは、試合経験のない4年生にいい思い出を残してやろうと残り5人を投入した。結果、1部の日大に43-40で逆転負けを喫した。監督の〝温情〟が仇になったということ。中大は2部で優勝を決めた試合では主力メンバー15人を入れ替えはしなかった。

 もう一つ。プレ協の会長としてウクライナに視察に行きました(昨年10月頃か)。キーウの病院の1階は義足の患者で溢れていました。兵士だけではない。いたいけない子どももそうです。人間性を奪うのが地雷です。精神を病んだ戦争経験者もたくさんいました。協会として現地にがんセンターを寄贈することを考えている」

 (芳井氏は身長171cm。あの元ラグビー日本代表・田中史朗氏の166cmよりは大きいが、ラグビー選手としては小柄。100m 11.5秒の俊足を生かしウイングとして活躍したのはうなずける。体重100キロの旭化成ホームズ・川畑文俊会長と相撲を取ったら、けたぐりが目くらましで芳井氏が勝つ確率はゼロではないと記者は思っている。芳井氏はときにヤマネコのような鋭い眼光を放つ)

 乾杯の音頭を取った代表取締役社長最高執行責任者(COO)・大友浩嗣氏は「昨年、大阪・関西万博にパビリオンを建設し様々なプロジェクトに携わったが、来年3月に横浜で開催される『2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)』に協賛する。社員全員がキャラクターバッジ『トゥンクトゥンク』を付けて、テーマである自然・緑・里山の情報を発信していく」と話した。

◇        ◆     ◇

 プレ協はかつて、中国に大勢の派遣団を送ったことがある。その後、中国進出が加速した。ウクライナ視察は戦後復興支援のためだと思うが、芳井氏は2026年2月17日付読売新聞記事で「中国市場が厳しく、ここまで数字が落ちるとは思っておらず、『米国一本足打法』になってしまった。これを解消したい。トップラインを上げながら他の地域とバランスを取って、8次中計の終わりぐらいには、(米国の売上比率を)6割から7割ぐらいにしたい」と語っている。意味深な言葉だ。

◇        ◆     ◇

 メディア向け勉強会などでいつも面白い話をする上席執行役員マンション事業本部長・富樫紀夫氏としばし歓談した。富樫氏からは「プレミストタワー船橋」の坪単価予想を外したことを冷やかされたが、第1期251期のうち236戸に申し込みが入ったと聞いた。記者のほか3人の同業記者が富樫氏を取り囲んでいたのだが、「プレミスト昭島」のことを全然知らなかった。何度も書いた。ものを見ない記者は失格。この「昭島」は「船橋」とともに同社だけでなく、マンション業界全体の最大のトピックスだ。

 代表取締役副社長/最高財務責任者(CFO)・香曽我部武氏にも面白い話を聞いた。同氏は山形県米沢市出身(上杉鷹山が祀られている松岬神社がある)、米沢興譲館高校フェンシング部-東北大卒。高校時代、県内に同部があるのは3校しかなく、国体にも出場したことがあるそうだ。大学進学後は、練習が〝しんどく〟2年間でやめたという。〝剣道とフェンシングが対決したらどっちが勝つか〟の問いには〝フェンシングが勝つ〟と話した(記者は、中学、高校の体育の授業で武具を付けときの、あの臭いのには辟易した。柔道着にはカビが生えた)。

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3Dプリンターを使い建築廃棄物を材料に製作した同社技術による門扉が展示されていた

坪600万円の大和ハウス他「船橋」(677戸)第1期1次251戸の意味するもの(2026/2/6)

〝東京の軽井沢〟2年間で1・2弾758戸を早期完売大和ハウス他「昭島」(2025/10/25)

住宅用地が工業用地として売却できる米国大和ハウス2026年3月期2Q説明会(2025/11/17)

〝3番人気〟新社長・大友浩嗣氏の得意技は「現場主義」大和ハウスマスコミ懇談会(2025/2/24)

大和ハウス新社長・COOに取締役専務執行役員・大友浩嗣氏芳井社長は会長へ(2025/2/16)


 

 

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ダイヤグリッド(DG)架構

 三菱地所、三菱地所設計、清水建設は2月27日、日本の新たなランドマーク「TOKYO TORCH」の「Torch Tower」低層部ダイヤグリッド(DG)架構が完工したのに伴うメディア向け現地説明会を行った。高さ385m×100m四方の世界的にも珍しいプロポーションを支える、三菱地所の特許でもないダイヤグリッド(DG)構造なるものを目の当たりにし、〝モンスター級〟のビッグプロシェクトの一端を知ったような気がした。「TOKYO TORCH」の敷地内の沈丁花は満開で、甘い香りが鼻腔を満たした。

 「ダイヤグリッド(DG)架構」とは、高さ385mの日本一の高さを誇る「Torch Tower」の低層部(1~9階、高さ52m)に採用されている中枢構造で、建物外周を巨大な斜め鉄骨柱と梁で構成される三角形の骨組みのこと。地震時の揺れを効果的に抑制し、建物全体を一本の強靭なチューブ状構造とすることで、タワー重量の約4割強を支える国内最大級の構造体。設計者の三菱地所設計、施工者の清水建設のそれぞれの構想力・技術開発力を結集して実現させたもの。

 1枚のDG鉄骨板は最大1600mm×1400mm×90mm×90mmで、全体鉄骨重量は11,267t(1~9階)、全体溶接長さは456,156m。

 鉄骨を運ぶのにタワークレーン1050t×4台、1000t×1台、クローラクレーン×4台を用いた。タワークレーンの巻き上げ速度は180m/分(他の一般的な工事は120m/分)で、吊荷25t、300m揚重に要した時間は5分(同14分)に短縮するなど、国内最速・最強の威力を発揮したという。

 溶接工事に当たっては、全国の工事現場溶接(AW)資格者1,343人(関東圏内は700人)のうち120人/日が関わった。現場溶接の効率化を図った結果、当初予定工期より20日間工程を圧縮できたという。

 施工を効率化するエレベータは、長さ5.8m×奥行き2m(同は4.6m×1.75m)で、一度に運べる人数は76人(同46人)、昇降速度は110m/分(同100m/分)。

 三菱地所設計TOKYO TORCH設計室・デザインスタジオチーフアーキテクト・永田大輔氏は事業概要について説明。「Torch」の言葉が持つ「希望」「灯り」「つなぐ」というイメージをデザイン化するにあたっては、デザインアドバイザーに藤本壮介氏、福岡孝則氏、永山祐子を起用し、〝唯一無二〟の建物・空間を実現すると語った。

 同社TOKYO TORCH設計室・構造設計部ユニットリーダー・石橋洋二氏は構造計画について、建物を支える耐震要素や設備機器、階段などを複雑に集約しなければならない従来の「コアの集中配置」ではなく、外周を構造に利用する「ダイヤ形状」を採用し、高さ385m×100m四方の世界的にも珍しいプロポーションとし、「東京ならでは」の耐震性能設定では建基法が定める耐震性能の2倍超の性能にし、「頑丈な構造ではあるが、〝いなし〟の要素も取り込んだ」と語った。

 清水建設常盤橋プロジェクト建設所副所長・平野秀明氏は施工について説明。「逆打ち工法」「花びら拡底杭」「ニコントリンブル」など初めて聞く専門用語を多発し、「何かにつけモンスター級」と締めくくった。

 「TOKYO TORCH」は、東京駅北口から徒歩数分の千代田区大手町に位置し、2009年から開発が進められている敷地面積約31,400㎡、総延面積約740,000㎡のビッグプロジェクト。「Torch Tower」は、地上63階建て、高さ385m、延床面積約553,000㎡のわが国最高峰の事務所、賃貸住宅、ホテル、ホール、店舗などを備える複合ビル。2023年9月に着工し、2028年度に竣工予定。設計監理は三菱地所設計、施工は清水建設。

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左から永田氏、石橋氏、平野氏

◇        ◆     ◇

 ダイヤグリッド(DG)構造は何となく分かる。三角形が一番強度が高いのは中学生のころに学んだような気がする。迫で考えた。つまり、三井の「井桁」では具合が悪く、三菱の「菱形」でないといけないということだ。(両社の創業の由来などからして、井桁と菱形のどっちが強いかを競ったわけではなさそうだ=記者注)

 DC構造は、清水建設が施工した2008年竣工の「モード学園コクーンタワー」にも採用されているという。三菱地所設計の特許技術ではないようだ。

 3氏の説明時間は約40分。前半部分は、資料も配布されていたのでまずまず理解できたのだが、平野氏の話は全然理解できなかった。「Shimizハイブリッド逆打工法」「中央順打ち」「花びら拡底杭」など難しい言葉が飛び交い、「外周部が斜め架構かつ外周へ傾いている」に至ってはパニック状態に陥った。(建物は頭頂部に向かって広がっているという意味か)分かったのは「モンスター級のプロジェクト」(平野氏)らしいということだ。

 工事に投入されている工事関係者の人数も桁違いだ。DC工事は1,100人/日で、上棟後の内装工事が入る段階では7,000人/日に増えるという。全工程に関わる工事関係者は数万人ではきかないという。

 工事現場を見学して、清水建設の「深海未来都市構想OCEAN SPIRAL」を思い出した。発表されたのは2008年、総工費は数兆円。ここにもDG構造が多用されている。現場説明者に実現性を聞いたら「わたしからは言えないが、ありえない話ではない」と語った。記者は近い将来、具体的プロジェクトが発表されるとみた。

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ダイヤグリッド(DG)架構

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大きさを比較していただきたい

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約10メートルおきに設置されている柱の太さは約1m(太いのか細いのか分からないが、これで階高約6mの空間を支えるのだから凄いのかもしれない)

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模型(記者も試してみた。井桁は横から押すと曲がったが、DGはびくともしなかった)

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沈丁花

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工事中の現場

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知る人は懐かしく、知らない人は行きたくなる地所「TOKYO TORCH」仮囲いアート(2022/11/15)

ウルトラ・スーパーラグジュアリーホテル三菱地所「Torch Tower」に誘致(2022/11/9)

三菱地所「TOKYO TORCH」第一弾「常盤橋タワー」完成緑の量と質に感動(2021/7/20)

三菱地所常盤橋PJの街区名称「TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)」に決定(2020/9/17)

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LUXENA+ PAWS藤沢(パウズフジサワ)」 

 タカラレーベンは225日、同社のコンセプトに特化した賃貸マンションシリーズ「LUXENA+(ラグゼナプラス)」の第二弾「LUXENA+ PAWS藤沢(パウズフジサワ)」のメデイア向け見学会を行った。全41戸の大半を60㎡以上とし、ドッグラン、トリミングルームを共用部に設置するなど、大型犬の飼育も可能な商品企画に特化しているのが特徴。賃料設定は高めだが、約4割が契約済み。

 「LUXENA+ PAWS藤沢」は、一般的な「ペット飼育可」の賃貸ではなく、良質な暮らしを提供する「LUXENA」で、「高級賃貸×ペットフレンドリー」をテーマにしたコンセプト型賃貸マンション。

共用施設には天然芝の100㎡超の天然芝ドッグランやウルトラナノバブルのシャワー付きドッグバス、箱型乾燥機も装備したトリミングルームを備え、各住戸にはペットに配慮したフローリングや腰壁クロス、ナノイー発生器を採用しており、獣医師などの専門家による24時間電話相談(アニコム24)サービスにも対応している。ファミリータイプでは大型犬を含め最大4匹まで飼育可。

主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2400ミリ、食洗機(ファミリータイプのみ)、バックカウンター・収納、二重サッシ(敷地南側はJRの線路)、バリアフリー玄関(框の小上がりなし)、ワイドスパンなど。

坪賃料は、周辺相場より2割くらい高い11,700円だが、3040代のファミリーを中心に約4割が契約済み。ペット飼育者は約半分。

物件は、JR・小田急線藤沢駅から徒歩12分、藤沢市弥勒寺一丁目の第一種住居地域に位置する7階建て全41戸。専用面積は35.1866.04㎡。坪賃料は11,000円。設計・監理はDAN都市デザイン。施工は新都市建設。竣工は2026127日。

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4.8]畳大の「Multi Room」

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玄関もバリアフリー

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トリミングルーム

        ◆     ◇

 約62㎡のモデルルームを見学して驚いた。玄関を入ってすぐ隣にタイル張りの約4.8畳大のMulti Roomが目に飛び込んできた。大型犬の〝個室〟利用を想定したものだった。2つの居室の広さは4.5畳大と4.0畳大だから、それより広い。

 この住戸だけでなく、他の住戸とも玄関と上がり框はバリアフリーになっていた。理由を聞いたら、小型犬などは框につまずいて怪我をすることもあるそうだ(本当だろうか)。

 間口の広さは分からないが、Cタイプは7200ミリある。床暖房や「たからの水」などは装備されていないが、居住性能は高い。家賃は高いような気もするが、仮に、これが分譲マンションだったら坪300万円以上はする。利回り6%として坪18万円だ。分譲も賃貸もどんどん高くなっている。

        ◆     ◇

 取材後、以前にも紹介したことがあるが、写真が抜群に美しく、記事もとても面白い、小生より一つ年上の写真家で「ココログ」のブロガー「融通無碍」氏と藤沢駅の超人気店という「古久家」で歓談した。URLを添付する。〝お気に入り〟に登録することをお勧めする。 

融通無碍 

タカラレーベン「ミライ人間洗濯機」お披露目イベントに35社54人メディア殺到(2026/1/22

時は春、すべて〝外〟は音もなし 全戸防音ルーム付き タカラレーベン「南千住」(2025/4/8

 

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