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「NOEN(ノエン)柏・逆井」

 ポラスグループのポラスガーデンヒルズは3月17日、同社が2023年に分譲した戸建て住宅地「NOEN(ノエン)柏・逆井」が、「LIV HOSPITALITY DESIGN AWARDS 2025」で《Honorable Mention》に選出されたと発表。同分譲地は、過去にも「グッドデザイン賞」や「iF DESIGN AWARD」など国内外のデザイン賞を多数受賞しており、今回の受賞により、そのデザイン性とコミュニティ形成の取り組みについて改めて高い評価をいただいたとしている。

 「LIV HOSPITALITY DESIGN AWARDS」は、3C Awardsが主催するもので、2020 年に設立され、住・食の空間における優れた建築・インテリアデザインを世界中から募り、表彰しているもの。「INTERNATIONAL DESIGN AWARDS (IDA)」や「ARCHITECTURE MASTER PRIZE (AMP)」の姉妹賞として位置付けられている。

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 《Honorable Mention》は「優秀賞」か「佳作」とでも訳すのか、最優秀賞はどのようなレベルなのか、わが国の他の作品はどうだったのかなどが分かれば記事の書きようがあるのだが、英語を全く解さないので分からない。

 ただ、この物件を見学取材して、建ぺい率30%、容積率50%の第一種低層住居専用地域が首都圏に存在することを初めて知った。記事にも「初めて見た」「まるで別荘」と見出しにした。ポラスのこれまでの分譲地の中でもトップクラスだと思う。

 「グッドデザイン賞」の審査委員は「8棟の住宅を巡るU字状の園路を計画し2つのポケットパークをうまく絡めることで、小さな街区に回遊性と広場性を巧みに計画している」「住宅の内部と外部とがさらに効果的に連続するような空間言語の開発にも今後は期待をしたい」としているが、このような建ぺい率30%、容積率50%の用途地域だからこそ実現した。これから人口がどんどん減少する。自治体も住民も事業者もこのような住宅地を可能にする地区計画を定めれば、素晴らしいリゾート風の街が生まれる。

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 この記事を書こうとネットで検索したら、南の外れの某県の地方紙がプレス・リリースをそのままコピペして記事にしていた。おそらく書いた本人も、県民の誰一人として「NOEN(ノエン)柏・逆井」がどのような住宅地で、「LIV HOSPITALITY DESIGN AWARDS 2025」がどのような賞であるかを知らないはずだ。この県の第一種低層住居専用地域を調べたら最低の建ぺい率は40%だった。

 最近、「メディアは死んだ」と書いた。いったい、いつからこのような現象が起きているのか。情報リテラシーはどこに行ったのか。日々垂れ流される情報の意味をきちんと伝えないと、みんな情報の海の中でおぼれ死ぬ。小生の記事を読んでいただきたい。絶対、おぼれ死になどしないはずだ。

初めて見た30%・50%×200㎡の分譲戸建てまるで別荘ポラス「柏逆井」(2023/5/2)


 

 

カテゴリ: 2025年度

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「ミライネス流山サード」

 ポラスグループのポラスガーデンヒルズは3月13日、分譲戸建て「ミライネス流山サード」(全41戸)の現地見学会を開催。最寄り駅の運河駅からは徒歩17分とややあるが、桜並木が美しい利根運河に近接する立地、4,000万円前後という価格帯が訴求して、これまで23戸を成約。全戸が完成する夏までの完売に自信を見せていた。

 物件は、東武アーバンパークライン運河駅から徒歩15~17分(自転車6分)、流山市東深井字大橋の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%・150%)に位置する開発面積約8,700㎡の全41戸。土地面積は135.00~160.15㎡、建物面積は98.95~105.53㎡、価格は2,980万(路地上敷地55㎡含む)~4,480万円。施工はポラテック。構造は木造在来工法2階建て。入居予定は2025年12月から2026年8月。

 現地の従前は森。2023年11月に用地を取得。特徴は、全戸敷地面積が135㎡(40坪))以上、断熱等級5、UA値0.54、階段とリビングの温度差を軽減するPASシステム、ウルトラファインバブル、突板フローリングなど。「WOOD」街区の8戸は利根運河の眺望が望める。

 2025年8月から分譲開始し、来場者は約50組。これまで23戸を成約。契約者の属性は松戸・流山・柏エリア居住、年齢30歳前後。家族数2~3人、地域に地縁ある人が中心で、つくばエクスプレス沿線で検討していた人が最終的に価格的に折り合ったというのか訴求ポイント。

 同社設計部企画設計課係長・水野貴裕氏は、「『ミライネス』は2020年の『市川』を皮切りに、今回が第5弾目。流山市内では3現場目。住宅性能を上げ、なおかつ外部環境も整えて、一歩先を目指すのがコンセプト。街区は、1街区の『CONNECT』(14戸)、第2街区の『MODERN』(8戸)、3街区の『WOOD』(14戸)、4街区の『YUTORI』(5戸)の4街区構成。市内ではこれほどの規模の開発は少なく、駅からの距離はあるが値ごろ感が評価されている。売れ行きは順調。全体建物が完成するころまでに完売を目指す」と語った。

 同社設計部街並みデザイン室プロダクトコントロール係係長・小山慶氏は、「従前は森そのものだったことから、市の『流山グリーンチェーン戦略』に基づき、既存樹を残そうと10回くらい現地に通い、近隣の方たちとも話し合い、5本を残そうと準備を整えたが、市と協議した結果、残ったのはシロモジの1本のみ」と、悔しさをにじませた。

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モデルハウス

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モデルハウス

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「WOOD」街区モデルハウス

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 「ミライネス」シリーズは昨年に「柏の葉キャンパス」を見学している。今回は、駅からの距離が課題ではあるが、レベルは高い。駅前にはマンションが分譲されているが、坪単価は230万円くらいだろうから、20坪で4,600万円だ。マンションと比較検討している人はいないようだ…悩ましい選択だ。

 現地をみで、驚いたことが1つある。街区は4構成であることは前段で紹介したが、1~3街区と、4街区・街区公園の間には南北に走る幅員16mの都市計道路がある。北側には民家が建っており、その先は運河。南側は長さ約300m。車はほとんど走っていない。いっそ廃道にして、公園広場などにしたらどうか。テニスコート場にしたら何面も取れる。

 「流山グリーンチェーン戦略」について。同制度は、開発指導等要綱で規定している「緑の価値」づくりの取り組みで、2006年から2024年度まで認定件数は戸建て住宅、マンションなど399件、9,576戸、敷地面積は約1,928,017㎡、緑化面積は約317,951㎡(緑化率16.5%)、一人当たり緑化面積は約66.4㎡だ(全国の都市公園1人当たり面積は10.9㎡)。この数値が高いのか低いのか分からないが、緑化率16.5%は決して高くない。井崎義治市長、緑化率30%を目指し舵取りされてはいかがか。ポラスが5本の木を残したいと言ったのに、1本しか認めなかった理由を聞きたい。積水ハウスの「5本の樹計画」を見習ってほしい-他を圧するから〝母になるなら流山市、父になるなら流山市〟が支持されるのだと思う。

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利根運河遊歩道に咲いていたスイセンと千葉県花の菜の花

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利根運河の桜並木

ライフサイクルに対応した1.5階プランポラス「流山市松ヶ丘・南柏」好調(2025/8/2)

目を引く巧みなランドプラン、個性的な住戸プランポラス「流山おおたかの森」(2025/6/21)」

コミュニティ醸成へ中庭を取り囲む配棟計画ポラス全5棟の「柏の葉キャンパス」(2025/5/10)

 


 

 

カテゴリ: 2025年度

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は3月10日、首都圏の2月の中古住宅市場動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は4,241件(前年同月比2.1%増)で24年11月から16か月連続の増加、坪単価は282.5万円(同8.2%増)で20年5月から70か月連続の上昇。価格は5,458万円(同9.5%増)で24年11月から16か月連続の上昇、専有面積は63.75㎡(同1.2%増)となった。在庫件数は45,112 件(同0.2%減)で7か月連続の減少となった。

 中古戸建ての成約件数は1,910 件(同13.0%増)で24年11月から16か月連続の増加、成約価格は4,115万円(同5.0%増)、土地面積は146.11 ㎡(同0.2%増)、建物面積は103.50㎡(同0.8%減)となった。在庫件数は23,685 件(同0.1%減)でほぼ横ばいながら22年8月以来42か月ぶりに減少した。


 

 

カテゴリ: 2025年度

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「Asu-haus(アスハウス)横浜青葉モデル<榧日(ひび)>」

 旭化成ホームズは2月4日、高断熱・高気密住宅ブランド「Asu-haus(アスハウス)」の賃貸住宅実証実験棟「横浜青葉モデル<榧日(ひび)>」が完成したのに伴うメディア向け見学会を行った。横浜市青葉区の戸建て住宅街の一角に位置する、木造2階建て長屋建て店舗兼用住宅3戸で、職住一体の暮らしを提案しているのが特徴。今後年末まで入居者調査を通じて木造事業を本格的に立ち上げるかどうかを決定するという。

 建物の特徴は、①断熱等級7、耐震等級3、全館空調を全住戸標準採用し、快適性と省エネを両立②職住一体の新しいライフデザインを提案する店舗兼用賃貸住宅③駅から離れた低層エリアの緑豊かな環境を生かしつつ、地域のコミュニティ形成を図り〝オールドニュータウン〟の課題解決につなげる-この3つで、賃貸オーナー・入居者・地域社会の〝三方良し〟の持続可能な賃貸事業モデルの構築を目指す。

 物件は、東急田園都市線あざみ野駅から徒歩21分(バス5分徒歩4分)、横浜市青葉区大場町の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する敷地面積約320㎡、木造軸組工法2階長屋建て全3戸。専用面積は78~82㎡(店舗面積は規制により3戸で50㎡以下)、想定家賃は31~32万円。入居は3月予定。

 運営に当たっては、賃貸住宅の企画・運営や不動産・都市プロデュース、公共空間活用、店舗運営などを展開する株式会社まめくらしとコラボし、コミュニティ支援イベントを行う。

 今後、2026年12月にかけて、設定家賃での入居状況や入居者ニーズ、地域コミュニティとの形成など入居者調査を通じ、提案が市場に受け入れられるかどうかを検証し、木造住宅市場に本格的に参入するかどうかを決めることになっている。

 同社は1972年の創業以来、戸建住宅「ヘーベルハウス」と賃貸住宅「ヘーベルメゾン」を中心に事業展開してきたが、今後は人びとの「いのち・くらし・人生」全般を支え続けるLONGLIFEな商品を通じてウェルビーイング向上をサポートするライフデザインカンパニーを目指している。

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門扉「榧日(ひび)」の銘板は、同地に樹齢600年の榧木が公園に植えられていることから付けたのだそうだ。昔は榧場もあったという

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エントランス(階段のところの葉っぱの形は見えないか)

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 上段の記事は同社が昨年12月に発表したリリースのコピペだ。記者は読まなかったので、現地に着くまで何の見学会か知らなかったのだが、物件の外観・外構デザインを見て、「Asu-haus(アスハウス)甲州街道モデル」の〝続編〟だと分かったとき、企画意図を理解した。内観も見て、堅牢ではあるが、いかにも鉄骨とコンクリからなる〝へーベル〟のイメージを劇的に変えると確信した。素晴らしい!の一言だ。プロジェクトにかかわった担当者の熱意がストレートに伝わってきた。写真もたくさん紹介する。下手な記事より写真を観ていただきたい。先に書いた東京建物&三井ホームの木造賃貸マンション「Brillia ist 洗足池の杜」と一緒に読んでいただきたい。

 担当者の一人で、体重は川畑文俊会長と同じ100キロくらいありそうな同社GREENOVATION推進室企画グループ・新井一弘氏に声を掛け、〝へーベルのイメージを劇的に変える〟と話したら、その答えがまた素晴らしい。新井氏は「いえ、ヘーベルのイメージがいいから、私たちも全力で取り組める。お客さんもいい印象を持っていただける」と語った。

 新井氏のこれまでのキャリアは知らないが、肩書に一級建築士とあるから「へーベル」一筋だったはずだ。顔には〝こんな住宅を手掛けたかった〟と書いてあった。

 また、同じグループで一級建築士なのも同じ保田陽子氏にも話を聞いたが、嬉々として企画意図を語った。写真にあるエントランスの葉っぱの文様デザインは保田氏の〝遊び心〟がなせる業のようだ。

 どこかで会ったことがあると思っていた同室シニアアドバイザー・白石真二氏は、「Asu-haus(アスハウス)甲州街道モデル」でしばし歓談した方だった。時間があったら、じっくり話し合いたかった。とても楽しい方だ。

 GREENOVATION推進室室長・藤原純一氏は約20分間、住戸1階のクリ材の床に正座して企画意図などを説明した。最高等級の高気密・高断熱を強調したのもさることながら、「心豊かな幸せな暮らしを提案した。地域の元気な人を増やしたい。2日前に行った家開きには近隣の方192人が参加してくれた。どんな人が入居してくれるのか楽しみ。プロジェクト開始から2年が経過する。これでやめるのか継続するのか決める」と腹をくくった様子だったのが印象的だった。

 検証の結果、どうなるか記者は分からないが、多分、川畑会長も大和久裕二社長も〝ゴー〟サインを出すと思う。1低層の様々な問題を解決するのは喫緊の課題だ。チャンスを生かさない手はない。

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エントランス

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エントランス

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つくばい(記者ならこれを水琴窟にする)

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藤原氏(左)と新井氏

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保田氏(左)と白石氏

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内観(土間)

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内観(1階住居部分、床はオーク材、またはナラ材)

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土間(手前)と大谷石の沓脱-なぐり仕上げの框(床はナラ材)

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 前段で「Brillia ist 洗足池の杜」の記事と一緒に読んでいただきたいと書いた意図は2つある。一つは、建築物の木造・木質化に積極的に取り組んでほしいという願いだ。

 もう一つは、この日参加した20名のメディアに対しての叱咤激励だ。小生は50年近く、年間100件から200件、分譲も賃貸もマンションも戸建ても大手も中小も差別なく取材してきた。だからこそ多少は物件の良否がわかる。まず、前段に書いた通りになるはずだ。

 他の記者の方たちはどうかというと、若い人もいたが、それなりの年齢を重ねたベテランの人も少なくなかった。

 しかし、資料も配布され、各氏から十分説明を受け、物件も見たはずなのに、それでも担当者に延々と質問する記者がたくさんいた。都市計画法、建築基準法の基本である用途規制や建築規制を知らないからそのようなことになる。

 この光景を見て、同社が昨年行った「アトラスシティ千歳烏山グランスイート杜ノ棟」見学会を思い出した。このときも多くの記者が駆けつけていたが、都の「マンション環境性能表示制度」や坪450万円の意味することを理解できた記者はほとんどいなかった。自分が見たものの価値判断ができなければいい記事など絶対書けない。厳しいことを言うが、言わないと分かってもらえないのであえて書いた。嫌われても全然平気、依拠するのは読者の方だ。

木造化率に惚れた東京建物同社初の木造賃貸マンション「洗足池」施工は三井ホーム(2026/3/4)

小田急バス&ブルースタジオなりわい賃貸「meedo」街びらき想定の倍2000人超(2025/7/14)

まるで武蔵野リゾート断熱等級7を初めて体感旭化成ホームズ戸建て甲州街道モデル(2025/6/6)

マンション円滑化法容積緩和の適用第一号旭化成不レジ「千歳烏山」販売好調(2025/7/24)

ブルースタジオ小田急電鉄の社宅再生リノベ「ホシノタニ団地」完成(2015/6/26)

 


 

 

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「NOEN(ノエン)市川」

 ポラスグループのポラスガーデンヒルズは2月20日、〝NOEN(ノエン)〟シリーズ第2弾の分譲戸建て「NOEN(ノエン)市川」(全21棟)をメディアに公開した。市川市国府台の風致地区に位置し、緑豊かな「苑(エン)」を楽しみ、住民同士の「縁(エン)」を育むため、散歩道"フットパス"や森やフットパスを借景とする、それぞれの魅力を持つ4つの街区を開発したもので、究極の恋愛小説と言える伊藤左千夫「野菊の墓」の舞台となった「矢切の渡し」の地名が今も残る「矢切」が最寄り駅なのも特徴の一つ。

 物件は、北総鉄道北総線矢切駅から徒歩15分、市川市国府台3丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する開発面積約3,820㎡の全21戸。従前は畑。敷地面積は126.10~131.12㎡、建物面積は94.07~99.57㎡、価格は4,780万~6,790万円。私道は約959㎡。フットパスは約59m(幅2m)。構造は木造2階建て。施工はポラテック。

 昨年4月から物件ホームページを開設し、これまでの反響数は148件、モデルハウス来場者は48件。分譲開始は昨年6月からで、これまで11戸を成約。購入者は県内居住者は8組(市川市民は6組)、都内居住者は3組。

 2023年に分譲した「NOEN柏・逆井」に続く「NOEN」シリーズの第二弾で、今回も自然農場を持つestplus17のグリーンコーディネーター小西範揚氏と、エクステリアメーカーのYKK APとコラボレーションしている。地役権を設定し、植栽、インターロッキング、飛び石、ベンチなどを配置したフットパスを演出。住民が共同で実の成る植物を育て、収穫できる共用の「エディブルガーデン(食べられる植栽)」スペースも設けている。

 見学会で、同社京葉事務所部長代理・三浦隆史氏は「仕入れは2024年。地価、資材などが高騰しているときで、ポラスらしい付加価値の高い商品にしようと購入した。素晴らしい記事を期待している」と語った。

 設計を担当した同社設計部企画設計課1係参事・近藤智氏は「設計に当たって2つの課題があった。市の『市民あま水条例』に適合させることと、風致地区規制に対応すること。建てられない敷地の『壁』をどう克服するか腐心した。借景の森(公園緑地)も取り込んだデザインとした」と、誇らしげに語った。また、同部街並みデザイン室プロダクトコントロール係係長・小山慶氏は、フットパスを設けるにあたっては、土留めフロックを設置しなければならなかったが、家の内と外をつなげ、インターロッキング私道にもコミュニティを育む工夫を凝らしたことなどを説明した。

 販売担当の同社京葉事業所営業課1係主任・鴻森岳氏は、反響、販売状況などについて説明し、「60歳以上の方も多く、ポラスグループ分譲戸建ての顧客層と異なるのも特徴」と話した。

 用地仕入れ担当の同社京葉事業所用地開発課主査・北川正俊氏は「この国府台は古い歴史を持つ。9つの教育機関がある文教エリア。私も国府台高校の出身。江戸川のロケーションを訴求すれば売れると判断した」と語った。

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フットパス

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フットパス

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内観パース

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フットパス(記者撮影)

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現地

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右側(敷地の西側)は市が所有する公園緑地

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左から三浦氏、近藤氏、小山氏

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左から鴻森氏、北川氏

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 「矢切」といえば、「矢切の渡し」=伊藤左千夫「野菊の墓」だ。貧農の出の小生は小さいころ、両親とも先生で、とても可愛い同級生の女の子が大好きで、おててつないで家に帰ったこともあった。ノートに相合傘を描き、傘の下に双方の名前を書いて結ばれることを祈った。ノートは真っ黒になり、涙で滲んだ。成人してからほとんど会わなくなったが、嫁いだのは、この前の三井不動産の舟運プロジェクト「&CRUISE」でも書いたのだが、渡し舟が交通手段になっていた母の実家の臨家だった。彼女は今ではただのおばあさんになったと人づてに聞いてはいるが…。小説を読んだのは大学1年生の時だった。滂沱の涙が流れたのを今でも思い出す。

 そんなわけで、取材の案内が届いたとき、「物件」はどうでもいいと思った。同社の物件は数えきれないほど取材しているし、「ノエン」でいえば、「柏 逆井」を取材している。最高の分譲地だった。

 なので、まだ見たこともない「矢切の渡し」は絶対見ようと決めた。取材現場から-矢切の渡し-矢切駅まで車で送ってくれた同社広報には感謝申し上げる(同業の記者の方はどうして見ようとしなかったのか)。現地には、歌手・細川たかし氏自筆の「矢切の渡し」の歌碑があったが、イメージは全然異なるので興ざめした。それでも主人公と女の子がここで別れたかと思うと、感慨深いものがあった。

 取材の帰り。電車の中でスマホから「青空文庫」(記者は、この青空文庫の出版に携わっている方々はノーベル文学賞ものだと思う)で少し読んだ。もう駄目だった。年を取って涙腺も緩んでいるのだろうが、周囲の人に変だと思われるのも嫌で閉じた。クライマックスの場面の一つを転載する。

 「民子はしばらくたって、矢切のお母さん、私は死ぬが本望であります、死ねばそれでよいのです……といいましてからなお口の内で何か言った様で、何でも、政夫さん、あなたの事を言ったに違いないですが、よく聞きとれませんでした。それきり口はきかないで、その夜の明方に息を引取りました……。それから政夫さん、こういう訣です……夜が明けてから、枕を直させます時、あれの母が見つけました、民子は左の手に紅絹(もみ)切れに包んだ小さな物を握ってその手を胸へ乗せているのです。それで家中の人が皆集って、それをどうしようかと相談しましたが、可哀相なような気持もするけれど、見ずに置くのも気にかかる、とにかく開いて見るがよいと、あれの父が言い出しまして、皆の居る中であけました。それが政さん、あなたの写真とあなたのお手紙でありまして……」

 さて、ここからが本題。同社担当者から、反響はポラスの戸建て分譲では珍しい60歳以上の年配者の反響・購入が多いと聞かされとき、ピンとくるものがあった。小生と同じだ。物件名の「市川」や所在地の「国府台」より、最寄り駅が「矢切」に感応した購入検討者が多かったのではないかということだ。

 これは、情報・メディアリテラシーの問題だ。パンフレットには「矢切の渡し」、伊藤左千夫など一言も触れられていない。なぜ、文京区や大森、千葉県でいえば、ここ市川市もそうだが我孫子が人気なのか考えていただきたい。開発事業者は、その土地の価値を最大限に引き出すには、その地域の歴史と文化に敬意を払い、継承するには何が必要かを考えないといけないということだ。

 物件名に「野菊の墓」を入れたら売れるものも売れなくなるだろうし、「矢切の渡し」までは2.1㎞、徒歩なら約30分、自転車で約10分あるが、ホームページ、パンフレットに小説を紹介していたら反響数は数倍に達していたのではないか。

 「市民あま水条例」は悪くないが、高さ十数センチもある土留めブロックでかさ上げしないといけないというのは厳しすぎるのではないか。世田谷区の「雨にわ」のように他の方法があるのではないか。緑被率(樹冠被覆率)を規制に盛り込むのも効果的だと思う。

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矢切の渡し現場(対岸は東京都柴又当たりか)

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三井不国内初の舟運プロジェクト「&CRUISE」船内はほぼ100%再生材他社も見習え(2026/1/28)

「樹冠被覆率」の導入に大賛成 SMiLE・増田氏とロッシェル・カップ氏がセミナー(2026/2/10)

「雨にわ」の普及・実証事業グリーンインフラ大賞「国土交通大臣賞」受賞(2025/1/29)

初めて見た30%・50%×200㎡の分譲戸建てまるで別荘ポラス「柏逆井」(2023/5/2)


 

 

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「ファインコート世田谷桜上水ブリーズシティ」

 三井不動産レジデンシャルは2月13日、パッシブデザインの考えを取り入れた分譲戸建て「ファインコート世田谷桜上水ブリーズシティ」(21戸)の物件HPを公開したと発表した。YKK APと協業検討し、自然エネルギーを最大限に活用する「ウィンドキャッチ窓」を全棟LDK空間に実装する。全棟ZEH(ZEH17棟、NearlyZEH4棟)取得済み。

 当該地域のアメダスデータによる風配図をもとに、分譲地周辺の建物状況も考慮の上、夏・冬、日中・夜間の風向きに対して最適な窓配置と窓の開き方まで細密にシミュレーションし設計したもの。基本性能として採用している太陽光発電・高効率給湯器・蓄電池・EV対応コンセントなど機械設備の力を積極的に活用する“アクティブデザイン”と融合させる。

 物件は、京王電鉄京王線桜上水駅から徒歩13~14分、世田谷区上北沢一丁目の第一種低層住居専用地域に位置する全21棟。敷地面積は92.60~99.33㎡、建物面積は89.55~99.30㎡。構造・規模は木造・2階建て。竣工は2026年4月~6月。設計・施工は三井ホームエンジニアリング。

三井ホーム ゼロエネルギー目指す実験住宅「ミディアス」リニューアル(2014/7/8)

 

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左から岡村氏、吉村氏、柳沢氏、伊香賀氏(新橋プレイスで)

 小林住宅と創建は1月30日、「究極の睡パ住宅」実証実験に関する記者発表会&実験デモンストレーションを行った。睡眠研究の第一人者である柳沢正史氏(筑波大学教授)と共同で、住宅環境の違いが睡眠の質にどのような影響を与えるかを検証するのが目的で、同一条件の立地、間取り、インテリアを備えた一般的な内断熱工法(断熱等級4)と小林住宅・創建の外断熱工法(断熱等級6)の住宅2棟を隣り合わせて建築し、被験者にそれぞれ宿泊してもらい、睡眠の質に影響を与える「温度」「音」「換気」「光」に関わるデータを集積・解析、検証結果を10月に報告する。この種の取り組みはわが国初と思われる。

 実験棟は、創建が分譲中の「ルナつくば陣場」に建設したもので、一般的な住宅は断熱等級4で、窓はアルミ樹脂複合サッシ・ペアガラス、換気システムは第三種換気(自然換気+機械換気)、総隙間面積は275㎠(C値2.1cm/㎡)。外断熱住宅は断熱等級6で、窓は樹脂サッシ・トリプルサッシ、換気システムは第一種換気(機械給気+機械排気)、隙間面積は36㎠(C値0.2㎠平/㎡)。

 実験は、真冬と真夏の2回にわたって行い、公募(20~70歳未満で、睡眠に不満を持つ健常者)によって選出された被験者20人が、1人2棟でそれぞれ2~3日間夜間に睡眠をとり、計4回の生態データ(脳波、心拍、呼吸、体動)とアンケートのデータと、住宅内の温度、湿度、照度などを掛け合わせて相関性のデータを獲得し、評価・解析する。

 プロジェクト発表会で、創建代表取締役社長・吉村卓也氏は、「睡眠時間はOECD33か国の平均は8時間18分なのに対し、わが国は最低の7時間22分。睡眠不足による経済損失は15兆円といわれている。気候変動の影響で四季は二季になりつつある。今回の実験では、住宅性能の違いで睡眠の質はどう変わるのか、世界的権威である柳沢先生と伊香賀先生の協力を得て、科学的に実証する」と語った。

 慶應義塾大学名誉教授・伊香賀俊治氏は、「柳沢さんとは石川県で一緒に仕事してからのおつきあい。世界的な権威である柳沢さんによる研究結果に大きな期待を寄せている」と話した。

 筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の機構長を務める柳沢正史氏は、睡眠の質の低下は万病のもと、睡眠不足による経済損失は15兆円、子どもの睡眠不足は脳の発達に影響している可能性が高い、室温18℃以上で発症・転倒が有意に減少するなどと語り、今回の研究は「科学的な信頼性を高めるため、同じ人が両方の環境を体験するクロスオーバー試験とした。外断熱による環境が、〝ぐっすり眠れる〟につながることを実証する」と述べた。

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治験のデモンストレーション

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 素晴らしい実験だ。記者は、外断熱マンションがわが国で分譲されてからずっと取材してきた。体験宿泊も経験している。しかし、住宅購入検討者は実際に体験しないと、どれだけの価値があるかを理解するのは難しいだろうとずっと考えてきた。

 その意味で、一般的な断熱等級4の住宅と断熱等級6の外断熱住宅双方を同時に体験できる実験は多分わが国初だと思う。どのような結果が得られるか楽しみだ。

 デモンストレーションでもその差が大きいのを体験した。詳細は省くが、温度などは記者が体験し、各種のデータが示している通りだった。外気温は6.5℃くらい、エアコンの設定温度は22℃だったが、外断熱はエアコン1台で居室はもちろん2階の床温度も同じで、トイレ、洗面、その他などもほとんど18℃以上に保たれていた。一方の断熱等級4の住宅もリビングなどは22℃くらいだったが、その他のところは13℃くらいだった。

 驚いたのは小林住宅経営企画室室長・岡村顕司氏や同社、創建関係者の説明だった。岡村氏は「被験者の方はバイアスがかかっている可能性が高いので、実験は公平を期し、予断を持たれないように説明は最小限にする」と語った。

 また、記者は断熱等級4の住宅は、実験終了後に分譲するのだろうと考えたので、「いったい価格差はどれくらいにするのか」と聞いたところ、関係者は「レベルの低い住宅は売らない。壊す。これは(吉村孝文)会長、(吉村)社長の判断」と語った。これには絶句した。建物を建てるのと壊すのに数千万円かかっているはずだ。さらにまた、外断熱住宅は大工さんの働きやすさにもつながるのだそうだ(なるほど。内装段階では温度差、湿度差は明らかだろう)。

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実験棟

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どちらが「断熱等級4」か「断熱等級6」かは見た目には分からない

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 実験は素晴らしいが、別の視点からさらに研究をしていただきたい。まず、睡眠時間と「愛」「自由」について。1日当たり平均睡眠時間がもっとも長いのは南アフリカの9.13時間で、2位は中国の9.01時間、3位はアメリカの8.51時間だ。

 記者は、アパルトヘイト政策で「自由」は白人しかなかった南アフリカの国民がいつからもっとも睡眠時間の長い国になったのか知らないが、同国は平均寿命(66.14)も幸福度ランキングでも世界最下層だ。同国の中にポツンと位置する小さな国レソトは「天空の王国」「アフリカのスイス」と称されるが、平均寿命は57.37歳で世界194位だ。覇権を争う中国とアメリカが2位、3位なのはなぜか。

 これ以上深入りしないが、何が言いたいかといえば、調査機関によって、その尺度によってデータはどのようにでも変化するということだ。

 記者はどうか。もう30年近く糖尿病の定期検診を受けている。お医者さんが金科玉条のごとく発するのは「睡眠をよくとれ」「バランスのいい食事をしろ」「運動をしろ」「酒とたばこをやめろ」だ。もっとも肝心な「愛」について語ることはない。

 そこで、記者は反論した。〝先生、生きようが死のうが私の権利だ。酒とたばこは文化だ。私は文化を否定するような生き方はしたくない。女と同じ、酒は2合を容認してほしい〟と。先生は黙りこんだ。つまり、2合(号)までは黙認するということだ。その後、糖尿の数値は薬と、かみさんの2合の計量カップ(これ以上は飲ませてくれないので、外で隠れて飲んでいるが)のお陰で、ずっと数値は安定している。

 ものはついでだ。この日、登壇した先生方に睡眠時間と酒の量について質問した。伊香賀先生は「睡眠時間は7時間、酒はビール1本」とか(信じられないが素晴らしい)。柳沢先生は「この日はつくばから来たので5時起きだったが、いつもは7時間。酒は医学的に1日1合とされているが、なかなか守れない」旨話した。吉村会長は「タバコは60本吸っていたが、かみさんに〝やめろ〟と言われてやめた。かみさんに感謝している。酒はもともと飲めないと話した(さすが。立派な会社に育て挙げたのは奥さんとご本人の決断力か)。息子さんの吉村社長は「10年位前までは酒は一升、体重は100キロあったが、父に諫められて今は毎日2合くらいで、会合などでは3~4合。体重は10キロ減って90キロ」と語った。

 要するに、睡眠時間や酒とたばこの量と「自由」「幸福度」「愛」との相関関係はあるようでない、致死量である閾値などないということだ。柳沢先生、伊香賀先生、記者は住宅の質にとって重要なのは広さや断熱・遮音・耐震性能も重要だが、仕上げ材(ほんものか偽物か)、デザイン(白か黒か、右か左か中道か)、緑環境、夫婦の愛情関係などがとても重要だと考えている。長寿は自然環境や労働環境、食生活などの影響も大きいはずだ。(わが国は長寿国だから、生涯睡眠時間は他国に負けないはずだ。睡眠は貯蓄できないのか…できるはずはない)

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 言いたくはないが、言わざるを得ない。この日、午前中の発表会に集まったメディアは20人くらいか。また、発表会場の新橋から送迎バスで送ってくれるつくばの実験デモンストレーションに参加した記者はその半分の10人くらいだった。

 この前のタカラレーベンの「人間洗濯機」の発表会は54人、一昨日の三井不動産の「舟運プロジェクト」は約40人だった。この差は何だ。何度も言う。ものを見ない記者は間違いなくAIに職を奪われる。世の中は進歩しているように見えるが、メデイアは間違いなく退行している。

業界の垣根超えた「断熱・省エネリフォーム推進TF」発足住友不など7社・団体(2025/8/1)

野村不動産分譲マンション全戸(全棟)を「断熱性能等級6」標準化(2024/5/25)

敷地180㎡、建物119㎡以上で3~4,000万円台に感嘆創建「ルナつくば陣場」(2023/6/1)

効果てきめん三菱地所ホーム全館空調「エアロテック」記者も宿泊体験(2017/10/30)

内装木質化は熟睡長く、知的労働も向上慶大・伊香賀教授が実証(2016/3/22)

                               

 

 


 

 

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「CONTEQUA(コンテクア)石神井公園」

 ポラスグループのポラスタウン開発は12月19日、分譲戸建て「CONTEQUA(コンテクア)石神井公園」(8戸)のメディア向け見学会を行った。石神井公園へ徒歩7分の住宅地の一角で、価格は、ポラスグループのまとまった規模の分譲戸建てとして最高となる全戸1億円超。7月から完成販売を行っており、3戸が成約済み。順調な売れ行きを見せている。

 物件は、西武池袋線石神井公園駅から徒歩15分、練馬区石神井台3丁目の第一種低層住居専用地域・第一種住居地域(建ぺい率50%・60%、容積率100%)な位置する全8戸。土地面積は110.10~139.79㎡、建物面積は93.35~99.78㎡、現在分譲中の住戸(5戸)の価格は10,780万~11,580万円。構造・規模は木造2階建て。施工はポラテック。建物は2025年6月に完成済み。

 現地は、駅から富士街道を南に下った道路から一歩入った住宅街の一角で、道路の対面は区立石神井中学校。その先は徒歩7分の石神井公園。

 敷地の従前は駐車場で、敷地は東側と北側にそれぞれ接道。主な基本性能・設備仕様は、長期優良住宅認定、YKK APとコラボした外構、リビング天井高2700ミリ、2200ミリハイサッシ、挽き板フローリング、銘樹モクトーン、エコカラットプラス ディープバサルトなど。

 ポラスタウン開発埼玉中央事業所設計一課主任・紋谷敬一郎氏は、「用地を仕入れた段階では9戸を予定していたが、狭小住宅とは差別化を図るため8戸とし、良好な住宅地にふさわしく門柱、フレーム、植栽などを多用して外構デザインに力を入れ、屋内空間は設備仕様レベルを上げ、インテリアにも工夫を凝らし質感を感じられるように仕上げた。性能も長期優良住宅としてしっかり造りこんだ。当社グループが掲げる住まい価値創造企業にふさわしい上質な空間を実現した」と語った。

 販売担当の同社埼玉中央事業所営業課主任・櫻本光氏は「完成販売にしたのは、当社のブランド力がないこともあるが、モノに自信があったから。反響は4か月で想定の3倍の300件以上。世帯主の年収は1,000万円以上、リモートワークの方の問い合わせも多いのが特徴。競合物件はほとんどない」と話した。

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モデルハウス

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モデルハウス

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モデルハウス

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 現地取材の楽しみの一つに価格(単価)予想がある。この日もいつものように価格を予想した。たまたま新米の同業記者の方が傍にいたので声を掛け、「ポラスさんがそこまでの値を付けるかどうかは疑問だが、価格は1億2,000万円だと私は思う。物件を見て価格を予想できるようにならないとダメ。そのためにはとにかくモノをたくさん見るしかない」と話した。

 結果は上段の通り。ほぼ的中した。予想より約1,000万円低かったが、紋谷氏も「1億2,000万円の値をつけたかった」と本音を漏らした。やはり、都内の高額分譲戸建ての実績がないのが影響したということだ。

 商品企画については、紋谷氏が何度も強調したように、外観・外構、インテリアデザインなどは訴求力があると思う。当初9戸予定だったのを8戸にしたのは大正解だと思う。

 読者の皆さんは、1億2,000万円は当てずっぽうと思われるかもしれないが、記者なりに根拠があった。石神井公園駅圏の分譲戸建ての最高峰は、2016年分譲のコスモスイニシア「グランフォーラム石神井公園」(8戸)だと思う。多分、後にも先にもこの物件を上回るものはないはずだ。

 このほか、同駅圏の分譲戸建ては見ていないが、コスモスイニシアとパナソニックホームズのそれぞれ荻窪駅から徒歩15分くらいの1億数千万円台の「南荻窪」を見学している。「南荻窪」と「石神井公園」とでは3,000~5,000万円の差があると見たからだ。

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外構の植栽

23区内・南荻窪で2013年以来の大規模分譲パナソニックホームズ(2025/5/27)

コモンスペース中央に全5棟差別化できているコスモスイニシア「南荻窪」(2025/4/19)

価格に見合う価値ありコスモスイニシア「グランフォーラム石神井公園」(2016/12/3)

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「SI(エス・アイ)事業」「浜松」モデルハウス

 積水ハウスと遠州鉄道は12月9日、積水ハウスの「SI(エス・アイ)事業」を採用したメディア向けモデルハウス見学会を行った。同事業のモデルハウス見学会は初めてで、東京から往復で約3時間、交通費約16,000円をかけて取材し、記事化する〝価値〟はあったと思う。この事業の利点も課題も見えたような気がする。

 「SI(エス・アイ)事業」は、建物の「S(=スケルトン)」部分の基礎、躯体、接合部、施工を積水ハウスグループが、「I(=インフィル)」部分の設計、外装や内装、設備はパートナー企業が担う仕組み。2023年9月から開始しており、これまでパートナー企業は12月9日に発表した遠州鉄道と埼玉県の大賀建設を加え10社となった。受注目標は2025年度までに年間300棟。

 〝目玉〟の「ダイレクトジョイント(DJ)構法」は、建物の基礎部分と柱を金物とアンカーボルトで直接つなぐことで、従来の木造工法の弱点を解消するもの。この構法を採用することにより、一般的な在来工法の幅約3600ミリ(2間)のLDK空間を幅4550ミリに広げることが可能になり、在来工法では4枚の耐力壁が必要なのに対し、2枚の耐力壁で同レベルの耐震性を確保できる。

 遠州鉄道取締役社長・丸山晃司氏は「当社は『遠鉄ホーム』のブランド名で、静岡県西部を中心に新築住宅事業を展開しており、5,500棟以上の建築実績があります。南海トラフ地震が懸念される今、SI 事業に参加し、DJ 構法の高い耐震性と、弊社が培ってきた設計力・提案力を融合させることで、より安全・快適な住まいづくりをお届けいたします」とコメント。

 見学会で積水ハウス経営戦略本部戸建事業戦略部SI戦略室エグゼクティブ・スペシャリストの樋口雅信氏は「在来工法は基礎と土台を接合する精度が欠ける課題があるが、ダイレクトジョイント構法は金物で直接接合して精度・強度を高めている。当社のシャーウッドと同じ施工方法。壁倍率は7.3倍で、耐震性を高めるとともに大開口を実現した」と語った。

 また、遠州鉄道遠鉄ホーム設計課課長代理・大瀬浩太氏は「当社は過去30年間で5,500棟、年間にして200棟の注文・分譲戸建てを供給している。コラボレーションモデルは高強度の構造を生かし、LDKは約21帖を確保するとともに窓面を大きくし内と外をつなぐ設計にした。アクセント壁などに天竜杉や遠州綿紬を採用した。価格は坪80万円台を予定している。価格はハウスメーカーよりは安く、地域の相場よりは高い」と話した。

 建物は、浜松駅から車で約20分の浜松市中央区上島4丁目、土地面積約183㎡、2階建て延床面積約117㎡。1階天井高は2500ミリ、2階は2400ミリ。

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基礎と土台の部分

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「ダイレクトジョイント(DJ)構法」のプレートが基礎部分に埋め込まれている

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樋口氏(左)と大瀬氏

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 モデルハウス見学会の案内状が届いたとき、当然、交通費・時間のコストを計算し、それを上回る価値がある情報を提供できるかどうかを計算した。結果は〝取材すべき〟となった。百閒は一見にしかず。同社の「SI(エス・アイ)事業」に関するプレス・リリースでは分からなかったことが分かり、同時に課題も見えた。

 「S(=スケルトン)」はさすがというべきか。記者は、「耐力壁ジャパンカップ」というイベントを10回以上取材してきた。木造建築の耐震性を向上させるには接合部分がもっとも重要だということを知った。「ダイレクトジョイント構法」はその課題を解消したものだ。 樋口氏は、「基礎を観ていただければ、当社施工であることは見る人が見れば分かる」と話したが、これは分からない。基礎のコンクリに塗装が施されていることなど誰もチェックなどしないはずだ。〝見る人〟とは〝プロ〟だと思う。

 課題も分かったような気がした。全体の外観から受けた印象は、積水ハウスのこれまで見てきた『シャーウッド』とは違った。コストを抑制する企図があったのだろう。ほとんど総二階建てで、二階にバルコニーはなし(これはこれで需要者のニーズに応えるものだと思うが)。階段幅は尺モジュールだった。

 しかし、柱、梁型がほとんどなく、シンプルなLDK空間提案はとてもよく、GRAFTEKT(グラフテクト)を採用したグレーを基調としたシステムキッチンは素晴らしいと思った。

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、GRAFTEKT(グラフテクト)製キッチン&テーブル一体型システムキッチン

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、GRAFTEKT(グラフテクト)製キッチン

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天竜杉を採用した天井

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 取材の帰り。駅前の遠鉄デパート前で、一袋300円(3~5個)、重さ1キロ以上の富有(富裕)柿だか次郎柿だかを何のためらいもなく買った。多分、都内のスーパーの半値以下。何を買ってもいつもかみさんに〝こんなのを買ってきて〟と怒られるのに久々に褒められた。

 記者が大好きな絹谷幸二のネクタイもこの前、ネットで3本を通常価格の3分の1の値段で買った(うち1本は恥ずかしくて身につれられるものではないが)。素晴らしい。ただ、肝心の坪単価80万円のモデルハウスが高いのか安いのかは、さっぱりわからない。

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見学会後の記者発表会(左から遠州鉄道取締役 不動産事業本部長・鈴木憲之氏、同社住宅事業部長・渡邊一弘氏、積水ハウス常務執行役員 経営戦略担当・廣田耕平氏、同社経営戦略本部 戸建事業戦略部長・板倉浩二氏)

「S(スケルトン)」は積水ハウス、「I(インフィル)」はパートナー企業のSI事業(2023/8/28)

AQ Group 木造耐力壁の強さを競うカベワングランプリ 3年連続トーナメント優勝(20224/10/12)

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「ヴィラージア舞浜 憧憬の邸宅」

 ポラスグループ中央住宅は12月4日、千葉県浦安市の分譲戸建て「ヴィラージア舞浜 憧憬の邸宅」(12戸)のメディア向け見学会を行った。周辺物件は土地面積70㎡前後、価格6,000~7,000万円が中心であるのに対し、土地面積を全戸100㎡とし、街並みを整備し、デザインにこだわり、本物の木など自然素材を多用して差別化を図ったのが奏功、価格は8,000万円前後に設定したにもかかわらず、第1期の販売対象5戸のうち4戸に販売当日に申し込みが入るなど好調なスタートを切った。

 物件は、JR京葉線舞浜駅から徒歩15分(東京メトロ東西線浦安駅からバス17分徒歩5分)、浦安市富士見5丁目の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する全12戸。土地面積は100.55~136.57㎡、建物面積は90.94~99.73㎡、価格は7,490万~8,990万円(第1期6棟)。完成予定は2025年12月中旬。施工はグローバルホーム。構造・規模は木造2階建て(2×4工法)。

 8月から広告を開始し、これまでのエントリー数は187件。11月1日からモデルハウスを公開し、11月28日から第1期6戸のうち5戸の販売を開始。当日、4戸に申し込みが入った。

 エントリーの属性は、47%が市内居住者で、そのほか近隣の江戸川区、船橋市居住者など広域から集客できている。居住形態は57%が賃貸、マンションは18%、戸建ては9.5%。

 主な基本性能・設備仕様・デザインは、長期優良認定住宅認定、塗り壁調や石積・木調デザイン、有孔ブロック、リビング天井高2.7m、CPガラス、ソフトクローズ開き戸、挽き板フローリング、食洗機、床暖房など。

 見学会で登壇した同社マインドスクェア事業部東京東事業所部長・伊藤雄一氏、同部営業企画設計課2係係長・大島一麿氏は、「都心近郊のリゾートスタイル」をコンセプトに、市の景観条例に適合させるために1年くらい時間をかけ企画を練り、リゾートのような街並みをデザインし、塗り壁調、石積み調、有孔ブロック、寄棟、片流れ、シダーパネル、エコカラット、調光可能なLEDダウンライトなどを採用したことなどを話した。

また、同部東京東事業所営業課課長・佐野渉氏は、予想を上回る反響であり、他社にはないデザイン、天井高、自然素材を多用した商品企画が評価されたことなどを強調した。

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モデルハウス

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モデルハウス

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現地

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