オフィス、マンション好調 仲介件数は三井に届かず 住友不動産 2021年3月期2Q
住友不動産は11月12日、2021年3月期第2四半期決算を発表。売上高5,151億円(前年同期比11.1%減)、営業利益1,328億円(同3.4%減)、経常利益1,295億円(同1.7%減)、純利益971億円(同4.2%増)となった。
新型コロナの影響でホテル、イベントホールなどは大きな影響を受けたが、主力のオフィス事業は過去最低水準の空室率を維持するなど増収増益となり、業績を下支えした。不動産販売事業も粗利益率が改善し2ケタ増益となった。純利益は6期連続で同期間の過去最高を更新した。
セグメント別では、賃貸部門はホテル、イベントホール事業が大幅な売上減(前年同期比80億円)となったが、既存ビルの賃料上昇効果や通期稼働ビルが業績に寄与し増収増益。ビル空室率も1.8%(前期末1.4%)と低水準で推移した。
不動産販売部門は、前年同期比917戸減の3,258戸を計上したため減収となったが、販売経費の減少と粗利益率が改善したため営業利益は同期間として過去最高を更新した。通期売上計上戸数4,500戸の契約進捗率は約90%と高水準。完成済み販売中戸数は1,306戸(前期末1,466戸)と減少。
不動産流通部門は、仲介件数16,205件(前年同期比3,564件減)、取扱高5,630億円(同1,036億円減)となったが、7-9月は9,829件(同209件増)となっている。
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不動産流通部門の仲介件数は、34年連続してトップをひた走る三井不動産(三井のリハウス)に瞬間的に追いつくかと思われたが、三井の16,754件に対して16,205件だったので549件及ばなかった。
この差は、三井の足音が聞こえるまでに追いあげたのか、あるいは影を捕らえたのか、それとも力を振り絞って追い上げたにもかかわらずとてつもない隔たりがまだあると解すべきなのか記者は分からないが、後半戦の両社の覇権争いに注目したい。
三井リアルと住友販売の「仲介件数」覇権争い激化 新型コロナ 仲介市場への影響(2020/11/6)
売上、営業利益、純利益は過去最高 ケイアイスター不 2021年3月期2Q 2ケタ増収増益
ケイアイスター不動産は11月10日、2021年3月期第2四半期決算を発表。売上高659億円(前年同期比14.3%増)、営業利益37億円(同14.4%増)、経常利益37億円(同19.2%増)、純利益22億円(同16.7%増)と2ケタ増収増益。売上高、営業利益、純利益は過去最高を記録した。
明和地所 2021年3月期2Q 大幅増収増益 増配へ 東証1部値上がり率3位
明和地所は11月11日、2021年3月期第2四半期決算を発表。売上高289億円(前年同期比41.6%増)、営業利益25億円(同236.7%増)、経常利益23億円(同399.1%増)、純利益19億円(同395.2%増)となった。分譲マンション490戸(前年同期比150戸増)の引渡しを行ったことが寄与した。
未定としていた2021年3月期通期業績予想も発表。売上高490億円(前期405億円)、営業利益31億円(同16億円)、経常利益26億円(同10億円)、純利益23億円(同4億円)を見込む。同様に未定としていた期末配当は30円(前期末15円)とする予定。
好決算に市場も反応。11日の株価は前日比80円高の554円(値上がり率16.88%)となり、東証1部値上がり率ランキングで3位となった。
オフィス堅調、マンションも改善 三菱地所2021年3月期2Q 減収増益
三菱地所は11月11日、2021年3月期第2四半期決算を発表。売上高5,273億円(前年同期比1.5%減)、営業利益980億円(同6.3%増)、経常利益916億円(同13.0%増)、純利益509億円(同6.0%増)と減収増益。
商業施設とホテル事業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け大きく落ち込んだが(都心型・オフィス複合商業施設の6月の売り上げ水準は前年同月の約5割で、7~9月も前年同期比5~6割程度。ホテルの回復も緩やか)、オフィスビルの賃貸利益増及びキャピタルゲインの増加などにより増益。
国内分譲マンションの売上・売上計上戸数はほぼ前期並み。利益率の高いタワーマンションの計上などにより粗利率は改善(前年同期比+2.5ポイント)。完成在庫が順調に減少した(前年同期比▲217戸、期初比▲75戸)。
2021年3月期予想を修正。売上高1兆1,420億円(前期比12.3%減)、営業利益1,910億円(同20.7%減)、経常利益1,750億円(同20.3%減)、純利益1,100億円(同25.9%減)。インカムゲイン及び国内分譲住宅などに対し約450億円のマイナス影響(特別損失を含む)を見込む。営業利益は約60億円改善。純利益に変更はなし。
新型コロナ影響最小限 飯田グループHD 2021年3月期2Q 増収増益 配当も前期並み
飯田グループホールディングスは11月9日、2021年3月期第2四半期決算を発表。売上高は7,383億円(同12.4%増)、営業利益は526億円(同12.0%増)、純利益は347億円(同14.0%増)と増収増益となった。
主力の戸建分譲事業の売上高は7, 383億円(前年同期比12.4%増、26,360戸)となり、セグメント別では一建設が1,739億円(前年同期比18.8%増、6,727戸)、飯田産業が1,230億円(同3.6%増、3,892戸)、東栄住宅が882億円(同17.0%増、2,705戸)、タクトホームが689億円(同16.4%増、2,432戸)、アーネストワンが1,427億円(同9.5%増、6,235戸)、アイディホームが543億円(同14.1%増、2,190戸)と全て増収。
未定としていた2021年3月期業績予想は売上高1兆3,800億円(前期比1.6%減)、営業利益900億円(同7.8%増)、純利益580億円(同7.9%増)としている。
期末配当も前回予想の16円から前期と同じ31円とし、通期も前期と同額の62円と予想している。
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予想はしていたが、すごい数字だ。コロナの影響はほとんど受けていないように見える。セグメント別ではアーネストワンが一建設を戸数で猛追している。
アートプロジェクト「ソノ アイダ#有楽町」第3弾 11/29まで期間延長 三菱地所
外観パース(国際ビル1階)
三菱地所は11月10日、株式会社は、「有楽町エリア再構築」に向けた先導プロジェクトである有楽町「Micro STARs Dev.(マイクロ スターズ ディベロップメント)」※の一環として、アーティスト・藤元明氏のディレクションのもと取り組むアートプロジェクト「ソノ アイダ#有楽町」の第3弾企画「ARTIST STUDIO ACTIVITIES」の会期末を当初予定の11月1日(日)から11月29日(日)まで延長すると発表した。
期間延長中、完成した作品の一部を有楽町エリアのビル共用部に展示するほか、完成した作品を有楽町エリアのテナント向けに無料レンタルサービスを開始し、空間に合わせた作品の委託制作を開始(会員制施設「有楽町SAAI Wonder Working Community」に納品予定)する。
※「Micro STARs Dev.」は、様々な人・アイディア・文化・食に出逢える多機能型市場「有楽町『micro FOOD & IDEA MARKET』」と個人単位のアイディアを形にするワーキングコミュニティ「有楽町『SAAI』Wonder Working Community(サイ ワンダー ワーキング コミュニティ)」及び有楽町の街全体を舞台に見出した、まだ価値の定まりきらない(=microな)人・アイディア・コト・モノをcultivate(交わり・耕し・育み・磨く)し、「次の時代を担うスターが生まれる“仕組み”を有楽町で作り上げる」ことを目指すプロジェクト。
藤元氏作品
藤崎氏作品
相澤氏作品
丸善本店 ビジネス本ランク1位! アキュラ広報担当・西口さん著「木のストロー」
アキュラホームは11月9日、同社広報担当の西口彩乃さんが著したドキュメンタリー書籍「木のストロー」(扶桑社/税抜き価格1,400円)が丸善丸の内本店のビジネス書ランキングで1位を獲得したと発表した。
次のような読者の感想も紹介した。
●「 木のストローって何のこと?」と思いながら読み始めたら一気に引き込まれてしまった。1 本のストローにこんな秘められたドラマがあったなんて、すごい!(32 歳、IT系会社員、女性)
●ドラマのような紆余曲折の開発の話も素晴らしいが、環境問題、SDGsの入門書としても最適だと思う。(40歳、サービス業、男性)
● 試行錯誤している時に、同僚や上司などあらゆる人が手を差し伸べてくれたことにほっこりしました。環境問題の改善だけでなく、雇用機会を与えていることに感銘を受けました。「木のストローが生きがいになっている」と老人の方々が話したシーンは、思わずグッときました。(28歳、エネルギー会社勤務、女性)
●“会社に入って初めて泣いた というところで私も一緒に泣いてしまった。環境問題について、自分ができる小さいことからやっていこうと気をつけるようになった。(45歳、主婦)
「木のストロー」は、「建築やものづくりに縁の遠い、環境問題もド素人の本社勤務女子社員が、間伐材再利用と廃プラ問題解決のため、世界初木のストローの開発に立ち上がりました。社内の反発、失敗続きの試作品、記者会見当日の大トラブルを乗り越え、木のストローが生まれるまでの成功秘話と心の葛藤を綴っています。挫折しそうなときに、助けてくれた仲間や上司、ひどく傷つけられた一言、逆に元気づけられた言葉など、若い女性の視点で赤裸々に体験談を語る全部実話の本格ドキュメンタリー」(プレス・リリース)。
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何部売れたかは告知されていないが、ずっと応援してきただけに記者もうれしい。ビジネス書は「芥兀賞」や「直廾賞」にノミネートされないのか。「花火」や「デリバリ人間」よりはるかに面白い。
西口さん、印税がどうなるかは分からないが、金一封くらいは出るだろうから、そのお金で「堀越課長」も呼んで祝杯を挙げようではないか。金一封も出なかったら、書籍にも出てくる店で三密を避けながら特上の赤ワインを注文し、請求書は〝カンナ社長〟にお歳暮として届けよう。
残り1戸 すこぶる好調 小田急不動産の戸建て「世田谷喜多見」全10棟
「リーフィア世田谷喜多見」完成予想図
すこぶる売れ行き好調のタカラレーベンのマンション「レーベン戸田公園GRANVARIO」58戸と、小田急不動産の戸建て「リーフィア世田谷喜多見」10戸を見学した。記事を書いているうちに完売するかもしれないので、先に「世田谷喜多見」から紹介する。
物件は、小田急小田原線喜多見駅から徒歩12分・成城学園前駅から徒歩16分、世田谷区喜多見七丁目の第一種低層住居専用地域に位置する全10戸。価格は6,000万円台の後半が中心。現在販売中の住戸(1戸)の土地面積110.05㎡、建物面積91.49㎡、価格6,928万円。建物は竣工済み。施工は細田工務店(建物・外構)。
法定建ぺい率は40%、容積率は80%地域だが、緑化率を高め良好な住宅地を形成していることから一部住戸を除き建ぺい率は45%、50%、容積率は100%に緩和されているのが特徴。幅員約5メートルの舗道はインターロッキング舗装。
10月24日から分譲を開始し、現在、残りは前述した二方角地の1戸のみ。販売を担当する同社住宅事業本部住宅販売部・金子秀太朗氏は、「休日の来場者は3サイクル全て満席で15件くらい、平日も少なくありません」と話している。
モデルホーム
ダイニングスタディカウンター
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記者は今年2月、人気になった同社の「リーフィア狛江 イデアカーサ」21戸も見学しているのだが、今回も現地をみて〝すぐ売れる〟と読んだ。価格も予想通りだった。高値追及をしないという読みは的中した。
同社の戸建てを取材すると、同社が同社の経営理念に掲げる「お客様にご満足いただくこと(顧客満足)を第一義に、安心、安全、快適な生活・環境の創造とその価値の向上に全力を尽くし、お客様からの信頼を日々積み重ねていくことを使命とする」を愚直に実践していることが伝わってくる。
今回の物件でも、もう少し価格をあげてもいいのではないかと思ったが、「浮利を追わず」なのだろう。流れに乗じて吹っ掛けることもせず、市況が弱含みだからと言って浮き足立つこともしない。いい会社だ。
残り1戸。高いか安いか、マンションか戸建てか-これは消費者が判断することだが、喜多見駅圏で近く分譲されるマンションは坪300万円をはるかに突破する。
街並み
分譲中の住戸
外構
20代女性が最多43人 8月20日の46人に次ぐ数値 東京都 11月5日 コロナ感染者
東京都は11月5日、新型コロナ感染者が269人判明し、うち154人が感染経路不明者(不明率57.2%)と発表した。269人は10月17日の235人を上回り、10月15日の284人に次ぐ水準。
年代別・性別では20代女性がもっとも多く43人。この数値は8月22日の42人を上回り、8月20日の46人に次ぐ多さとなった。次位は34人の20代男性で、33人の30代男性が続いている。
三井不レジ・野村不・大成建設 月島三丁目南地区の再開発組合認可 住宅は約720戸
「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」
三井不動産レジデンシャル、野村不動産、大成建設は11月5日、「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」市街地再開発組合の設立認可を受けたと発表した。
同地区は、東京メトロ有楽町線月島駅と都営大江戸線勝どき駅の間に位置する清澄通りに面した約1.0haの規模。約720戸のマンションをはじめ低層部には商業施設を配置し通り沿いの賑わいを創出するほか、子育て支援施設や約1,500㎡の広場などを一体で開発する。2026年度の竣工を目指す。